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異端ノ魔剣士  作者: 如月 恭二
三章 剣ノ勲
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兆し 弐

よくよく見ると、背景描写としても戦闘入ってました=如月は戦闘狂。

そのうち、シガールにも槍とか弓とか使ってほしいです。


秘奥剣……鳳仙花!

拳法の資料がないので、急所狙うか膂力で壁に叩き付けるしか殺害方法を思い付かない(汗)

後、降り下ろした武器を踏んで、腕折りからの鎖骨切り下ろし。とどめに喉を突き刺す鬼畜コンボ。


爪先に刃を仕込んで、首に蹴り入れるとか(笑)


…………アカン、鬼畜に磨きが掛かっていく(;^ω^)

 「なに、派兵だあ!?」


 スブニールが羊皮紙溜めつ(すがめ)つした後、開口一番に叫んだ。

 反応する男達は、それぞれ温度差がある。素っ気なく返す者、意気揚々と支度にかかる者など様々だ。幾人かは盛大に欠伸を溢している辺り、やる気なしといった雰囲気である。

 気合いの入れ方はそれぞれ、といったところだろうか。スブニールは幾度となくこういった光景を目にしても、軽く流すところだったが今日は違っていた。


 「おい、お前ら。悠長に構えてばかりも居られねえ、新兵と共に行動だぞ? これでも尚、簡単な仕事だってのか」


 頭を抱えそうな顔のスブニールに、団の男達が沈黙する。

 訓練で多少さまになっているが、実態は戦闘の何たるかを知らない素人。それが新兵というものだ。

 血に酔うという言葉が差すように、混迷の極致に投げ出された彼らがどのような行動に出るか想像も付かない。ただ一度の奇襲で戦線が崩壊しかねない、不確定要素の塊。それを統制しなければならない重圧は想像するに余りある。

 そうでなくとも、戦闘状況とは安定することが一切ない。混戦が予想される戦の中で、自分の背中は勿論、味方の背中まで配慮せねばならないということになる。その上、新兵は元傭兵の四倍にものぼる。彼らが敗走すれば最悪の事態も免れないことを悟り、場の空気が重くなった。


 「しかも、“誉れ高き指揮官殿”は頭でっかちと来た。『正々堂々、突撃を敢行すれば“いずれ”勝てる』んだとさ。それで一体幾人の仲間が死んだのか、知らせてやりたいぜ……」


 「因みに、今までそいつが元で死んだ兵力は?」


 「──四年半で、ざっと一五〇〇」


 「つまり、何か? 団長は俺らに死ねと?」


 「違う、そうじゃない。それくらい気合い入れて掛かれと叱咤(しった)する意味でだな──おいこら、俺の(ケツ)を見るな! 尻が(かゆ)くなるだろうが!?」


 けじめだの、先を見ろだのと、軍団長であった人間に対して、まるで遠慮のない冗句だ。そんな彼らの口元は緩んでいた……若干一名、欲望に濡れた目が光っているが。


 「ともあれ、半月後には出立。お守りと死地とが隣り合わせだ。おい、そこ! 笑っていられるのも今だけだ、腑抜けてる場合じゃねえぞ」


 スブニールが、迫るジルベールを押し退けながら続ける。どうにもジルベールという男、優男にしか見えないが男と一夜を過ごす嗜好に目覚めているらしい。それでいて女もいけるクチだという狂人だ。補償だ、と言いながらスブニールに迫っていく。

 心なしか吐き気を覚えたシガールの言葉に、「いつもことだ」と返す。もっとも、そう言ったのはスブニールでなく、横に居た隻眼の男──レミーであった。スブニールの右腕として実直な働きをする為か、団内でも彼を指示する者が多いほどだ。


 「ええい、いつも以上に気色悪いやつだなお前! そんなに男が欲しけりゃ、男娼になっちまえ!」


 「いやだな。なよっとした男より、がっしりした男の方が燃えるんだからね!」


 二人のやり取りにレミーは渋面を作り、口をへの字に曲げた。嫌な思い出があるのかも知れない。


 「……まあ、いつも通りだ。いいな?」


 「あっ、はい」


 スブニールがそんなシガールの目の前に現れ、頭に手を乗せる。


 「状況はよくないのが戦場の常だがな、『敵は斬る、味方は守る』ってやつさ。出来ることを最大限やるしかねえのよ。お前さんはまだ、集団戦(こういうの)は不慣れだろ? 肩の力は抜いていろ。そっちのが、案外最後まで立ってられるかも知れねえ……まあ、受け売りだがよ」


 「あ……」


 スブニールの顔に一瞬陰が差したが、形容する前にそれは消失する。


 「おら、餓鬼共ー! 敵さんの登場だ! 我こそは思う奴ァ、何人でもいい。そら、掛かって来やがれ!?」


 束の間硬直したシガールを尻目に、スブニールは刃を潰した大剣を手に取ると広場へ駆け出した。甲高い剣戟の後に、数本の剣が宙を舞い砂地へと突き刺さる。あがる悲鳴は新兵達のそれだった。


 「俺も負けてられない、行きますよスブニール団長!」


 駆け出して行くシガールが、スブニールに肉薄し連続攻撃で畳み掛ける。それを遠目に見ながらレミーは嘆息した。


 「お前の、子を思う気持ちは分かるが。……その子はお前の子ではないんだぞ?」

この作品のテーマは、“鬼畜”という点に置いています。

大体、最初で主人公の家族と仲間が凄惨に殺されましたね?

二章の赤雷もリョナラー歓喜ものの(あ、私はリョナラーじゃないです、痛いの苦手です)悲惨な目に遇いましたね(;^ω^)


殺害方法が大体酷いのもそれかと。

つまり、この作品のテーマはズバリ、鬼畜であることです(嘘乙)

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