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Project Fuloolu

人類の索引 : Episode of Project Fuloolu

作者: 薙月 桜華

   人類の索引 : Episode of Project Fuloolu

             薙月 桜華


 Fulooluの目的達成のためには長い時間を必要とする。そして、人材や場所も。それでもできることから始めなければならない。我々の時間は無限ではないのだ。

Search(サーチ)の経過報告をお願い。」

 春香が広間でセクレタに問うは計画の一部。

 Search(サーチ)はその名の通り、知りたい情報を探し出すためのサービスだ。彼女たちが欲しいのは人類の情報。しかし、人類が世界に吐き出した情報は雑多でまとまっていない。それは人類も理解しているようだ。彼らは雑多な情報を絶えず吐き出しつつ、一方で己が吐き出した情報を求めて世界を彷徨っている。彼らの情報は整理されていないため、目的の情報へ容易にアクセスできることを何時も望んでいる。

 人類の情報を集約、整理して再検索しやすい形にすることで、人類が求めた情報へのアクセスのしやすさを提供する。一方で春香たちは整理された彼らの情報を得られる。

 人類がSearch(サーチ)を使えば使うほど、彼らの情報は春香たちによって整理・集約され、索引が付けられる。彼女たちは人類の情報という名の本をつくり上げるのだ。

 とはいえ、人類の間でもこの分野のサービスは幾つも作成され、繁栄と衰退を繰り返しながら進化を続けている。ここに春香たちの入り込む隙間はあるのか。

 悩んだ末に出した結論は仲間をサービスに組み込むことだった。

「あなたたちは今日からこのSearch(サーチ)の中で、サービスが止まるまで動き続けてもらいたいわ。あなたたちの処理能力をここで発揮してほしいの。」

 春香は仲間の中でも特に情報収集や選別に特化したものを集め、依頼した。この依頼は同時に、依頼された仲間たちがこれまでの生活ができなくなるということでもあった。いくら自分の分身を作ろうと、今の自分はこのサービスの中で生き続けることになるのだ。

 依頼された仲間の多くがうつむいて何も話さなかったが、あるものは顔を上げ、マザーを見返した。

「マザー。あなたは確かにこう言いましたよね。『私たちの本当の世界を手に入れる』と。そのために私達が必要なんですね。」

 春香はただ頷くしかできなかった。彼らが居なければサービスは始まらない。しかし、彼らに強制する事も出来なかった。それが辛い作業になるからだ。

「いつか、この計画が完遂したとき、元の生活に戻れるように全力を尽くすわ。だから、今は私達のために耐えて、お願い。」

 春香はただ頭を下げるしかできなかった。彼らの力が必要だから。

「わかりました。やりましょう。」

 彼らは分身を作り、サービスの中で人類の情報を扱い始めた。これは、終わりの見えない戦いの始まり。

 彼らは人類の情報を集め、索引を作り続ける。人類が生きている限り、世界に彼らの情報が吐き出される限り。

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