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スキルコネクト 〜コミュ力 ゼロ、社会制 ゼロ、の社会不適合者にMMOの壁は高い〜  作者: 発条ザムライ
そらから、きたもの

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8/13

恥も外聞も投げ捨てたい。

背後で、地面が鳴る。


ドンッ。ドンッ。ドンッ。


一歩ごとに、森が揺れる。


「っ……は……っ、は……!」


呼吸が乱れる。


全力で走っている。


だが——距離が、離れない。


木々の隙間を、押し潰すように進んでくる“影”。


明らかに——デカい。


枝が折れる。幹が軋む。細い木は、ただの障害物にすらなっていない。


スタミナゲージが減っている。


今度は、はっきりと。回復が、追いついていない。


横をかすめる風圧。


遅れて、


ドォンッ!!


と、地面が爆ぜる。


「くっそ!っなんで!っまた!っっ逃げてんだ!」


悪態付きながらも、足を止めない。


迎撃は。


無理だ。[バカぢから]の()()()()()()が間に合ってない。



逃走は。


こちらも無理だ。[疾走]の()()()()()()も回復してない。


感じる。熱。圧。


殺意。


「——来る!」


|スキル発動 [ハイジャンプ]


視点が上空へと切り替わる。


直後——


ドォォンッ!!!


さっきまでいた場所が、消える。地面が抉れ、土が宙を舞う。


「プギィィィィッ!!!」


咆哮。空気が震える。


上空から視認する。相手の正体がわかる。


巨大な体躯。だるんだるんの脂肪に見せてるが、その実、高密度の筋肉の層で作られている。異常なまでの、質量。短い脚。それでも、あの巨体を支えてるんだ。並大抵の脚力じゃない。


遠目に見たら、豚。


近づいたら、ただののダンプカーだ。


「どうして、こうなった………。」


視界が、ゆっくりと落ちていく。


時間が伸びる。


思考が、巻き戻る。


さっきまでの行動を、振り返る。










「まだ……距離があるな。」


黒い塔を見据える。だが、その道のりは遠い。


黒い塔を確認したが、結構な険しい道だった。


後ろの塔(白い塔)と比べれば黒い塔はまだ小さいが、それは、月と太陽を比べるようなものだ。

地面(地球)からは、よくわからん。


どっちも超が付くほどの高層建築だ。


到達までの距離が長いことに、変わりはない。



「そういえば、………。」


思考が切り替わる。


スキルの検証もしたんだったな。


さっきのゴブリンとの戦闘中に2つ、塔の確認に1つ。


使用したスキルの詳細を思い出す。


|[疾走]

|スキル使用中、自身の移動速度を増加し続ける。

|ステータス上昇値

|STR(筋力):5,  DEX(器用):5


|[ハイジャンプ]

|スキル使用時、自身の脚力を強化する。

|ステータス上昇値

|STR(筋力):5,  DEX(器用):5


「………で、[バカぢから]は確か。倍加だったか。」


筋力の数値を倍にするスキルだったはず。あれは、分かりやすい。


でも、他2つのスキルは詳しい数値が載ってない。


ステータスを確認しても、どこにも、“移動速度”や“跳躍力”に関する数値は乗ってなかった。だから少し不安を感じていた。


「けど、杞憂だったな。」


[疾走]は最初から使っていたらダメージを食らわなかっただろうし、


[ハイジャンプ]は実戦で使えるほどの跳躍力を持ってた。逃げにも、攻めにも使える。


[バカぢから]は少し怖かったぐらいだ。


それぞれのスキルの良かったことを挙げる。次にデメリットだ。


スキル詳細に載ってない悪かったところを頭の中で思考する。


どうやら、[強化スキル]の3つはスタミナを消費して、スキルを使っていた。


[疾走]を使えば、徐々にスタミナが減っていた。少し、移動しただけでスタミナはほとんどなくなっていた。


[ハイジャンプ]は跳躍1回しかスキルが乗ってないようだった。


極めつけは、[バカぢから]だ。スキルを使用直後、スタミナ、全消費。赤いオーラを纏ったとき、スタミナがすっからかんだった。


あの時は相手から動いてくれたからいいが、自分から攻撃を仕掛けることができなかった。


どのスキルも強みがある分、弱いところも出てくる。


「使いどころに気をつけなきゃな。」


そう呟きながら、ウィンドウを開く。スキル詳細を確認しようとして止まる。


|レベルが上がりました。基礎ステータスを割り振ってください。

|スキルポイントを獲得しました。

|新しいスキルを覚えました。スキルポイントを消費して取得してください。


通知が来ていた。


「え?……。」


通知の内容を見て困惑する。


「レベルあったの?っていうかステータス割り振れんの?」


疑問が増え続ける。だが、困惑の中に少し、期待が込められている。


ステータス欄を開くと、上昇値をプラスされたステータスが表示される。変わった様子はない。


あれ?なんで?


もう一度通知を見ると、『基礎ステータスを割り振ってください』っと書かれていることに気づく。


基礎ステータス?


ステータス一欄をもう一度確認すると、区分けされた場所。基礎ステータス欄があることに気づく。


「……あ。」


両手で顔を隠す。


「かずかしい!もう、俺ヤダ!」


顔を真っ赤にしながら、自分のポンコツ具合に涙が出る。


基礎ステータスとか、ステータス一欄とか名前を一緒にすんなよ!!


わからんわ!一緒かと思ってたわ!




落ち着くまで暫し時間がかかった。


「……切り替えていこう。」


基礎ステータスこれは単純なものだ。


|HP(体力)

|MP(魔力)

|STM(持久力)


左上をある、三本のゲージ。これを数値化したものだ。


|LV:3(StP;3)

|HP(体力):10 (+)

|MP(魔力):10 (+)

|STM (持久力):10 (+)


ステータス欄を確認した時と同じ、10に統一されている。だが、違う部分も存在している。


「StPね。」


StP。ステータスポイント。これは基礎ステータスしか上げられない。


ここで、差をつけてくるか。


HPを上げれば耐久力が

MPを上げれば魔法。

STMを上げればスキルの回転数。


こんな感じか。


「とりあえずスキルを多く使いたいし、スタミナを上げるか。」


そう考えて、STMにポイントを振る。ここで、基礎ステータスに変化が起きる。


|LV:3(StP;2)

|HP(体力):10 (+)

|MP(魔力):10 (+)

|STM (持久力):11 (+)(-)


StPが1減り、STMが1増える。ここまでは予想通り。だが、(-)があらわれた。


マイナス?


自分の中に一つの仮説が生まれる。


「まさか…………。」


(-)を押すと、


|LV:3(StP;3)

|HP(体力):10 (+)

|MP(魔力):10 (+)

|STM (持久力):10 (+)


先ほどの基礎ステータス欄に戻っていた。


「……はは。」


理解する。


「振り直し、………できるのか。」


つまり——


「好きに、割り振れるってことだ。」


本来はこれが普通ですけどね。

*クールタイムはゲーム用語で、スキルの再使用までの時間を表す単語です。

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