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スキルコネクト 〜コミュ力 ゼロ、社会制 ゼロ、の社会不適合者にMMOの壁は高い〜  作者: 発条ザムライ
そらから、きたもの

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4/5

キメ台詞はポンコツの前に

「さて……問題はここからだな」


小さく呟いて、視線を戻す。


スキル欄。


さっきまでと同じ画面のはずなのに、見え方が違う。


三つしか取れない。

その三つで、全部が決まる。


「……いや、重」


思わず漏れる。


軽い気持ちで選べる数じゃない。


カーソルを動かす。


スキル一覧に戻り、[武技スキル]と[魔法スキル]を見ていく。


[武技スキル]。


「……なんもないんだけど」


開く。


空白。


本当に、何もない。


「いや、まあ……確かに武術とか経験ないけどさ」


ちょっとだけ納得してしまうのが悔しい。


「リアルスキル参照とか、さすがにないよな……?」


一瞬だけ考える。


だとしたら、[強化スキル]であの3つのスキルが出てくることはないか。

出てくるとしたら、堕落スキルやコミュ障スキルがでる。


次に、[魔法スキル]を開く。



|・[魔法スキル]

|[火魔法] SP2, [水魔法] SP2, [風魔法] SP2, [土魔法] SP2,



「リアルスキルが載るっていう仮説はなくなったか。よかった~……。リアルスキルが載るなら、魔法を使えるわけないもんな。」


「それにしても、……いや、でも高くない?」


SP2。


今の所持ポイントは——


「……3か」


表示を見て、眉が寄る。


現状、スキルポイントは3つしかなく、魔法を取れば、スキルをセットできるのは、2つ。

つまり、スキル2つ分しか、ステータスを増やせないっていうことになる。


というか——


「どんなプレイヤーでも、似たような構成になるんじゃないか?」


ステータスは全員同じ。

スキルも少ない。


差がつきにくい。


ふと、さっきのレビューがよぎる。


“ステータスが最悪”


「……こういうことか」


納得する。


上げたくても、上げられない。


自由度があるようで、かなり縛られている。


これは推測でしかないが、どんなプレイヤーもステータスが固定ってことになる。

スキルが2つしかない無いプレイヤーと、スキルが3つあるプレイヤーでは、ステータスに開きがある。


ゲームが始まってまだ、2日、どんだけやり込もうとも、初心者プレイヤー。


だが、


「初日で、スキル2つ。もし、そんな奴がウロチョロしていたら…………。」


嫌な想像が浮かぶ。


「これ、序盤から襲われたりする?…………」


スキルが2つ。


ステータスも微増。


こんなプレイヤーなんて、プレイヤーキラーの格好の餌でしかない。


「いやいやいや、ないだろ」


すぐに否定する。


「そんな、いきなりプレイヤーキラーとか……」


一瞬、間。


「……ないよな?」


成大にフラグを建築した気がしないでもないが、……忘れよう。




「おし!決めた。……強化スキルの3つで始める。」


スキルを取得した瞬間、視界の端に淡い光が弾けた。

遅れて、半透明のウィンドウが静かに展開する。


追加されたスキル名を一瞥し、指先で軽く弾く。


スキルセットの画面には、スキルを設置するためのスロットがある。


スロット画面の空いている枠へ、迷いなくスキルをドラッグしてセットした。


ステータス一覧を確認すると。数値が、変わっている。


|STR(筋力):30(+20)

|VIT(耐久):10

|DEX(器用):20(+10)

|INT(知力):10

|MND(精神):10


予想通りというか、文字通りと言えばいいか。

ステータスが上昇した。



「まあ、……たとえ、推測が当たっていたとしても、ステータスの上昇がプレイ環境に影響を及ぼすか、定かじゃない。」


ステータス画面を閉じて、肩を軽く回す。


数字は上がった。

だが、それがどこまで意味を持つのかは未知数だ。


「……いや、ステータス関係ないゲームなんて、パズルゲーぐらいしか思い当たらないけども。……当たって砕けろか。」


そういいながら、ステータスを確認した後、プレイヤーネームの設定に移行する。


|プレイヤーネームを決めてください。


「ハイハイ。わかってるよ。」


とは、言うが、ここでも迷う。


塩梅(あんばい)から取った、ウメシオくんに、青菜(あおな)に塩から取った、アナシオくん。……あと、何があるかな……。」


プレイヤーネームは、人によっては統一している人もいれば、ゲームごとに別の名前にしている人もいる。また、語呂だけを統一してる、ハイブリットな俺みたいな人もいる。

俺の場合は、名前に(しお)が付いているため、(しお)がつく単語か、ことわざを名前にしているケースが多い。


「よし!……傷口に塩を塗るを略して、キクシオ。と……。」


プレイヤーネームを確認して、ゲームを始める。




その瞬間、体が吸い込まれるような感覚がする。足元が消えるような感覚。落ちる、というより。

吸い込まれる。アバターに入った時とは違う感覚。


「っ……」


視界も光に包まれていく。世界が自身を引き寄せている。



「ゲームの評価を見れば、賛否両論……。」


誰に聞かせるでもなく。


ぼそりと呟く。


「ステータスは初めから、上限があり、スキル数も固定……。」


現状、マイナスしか存在していない。


光が強くなる。


境界が消える。


「だが……。」


ほんの少しだけ、口元が緩む。


「それを吹っ飛ばすくらいのポテンシャルは、…………あるんだろ。」


世界に語りかけるように、独り言をつぶやく。


全身が眩しく光っているの見て、思い出す。













「……あれ?」





一瞬、思考が止まる。





「…………俺?……キャラメイクしたっけ!?」


次の瞬間。


嫌な予感が、現実になる。


光が吸い込まれているのか、下へ、下へ、と伸びていく。


「まっって!!」


光の中、自分の髪が視界に入る。


「お願い!!、止まって!!!」


鮮やかすぎる色。


混ざりすぎてる色。


「頭が虹色なんですけどぉぉぉ!」


懇願するが虚しくも聞き入れる様子はない。光は、そのまま下へ引きずり込む。



「頭を虹色にしたら、中身が()っぽになりました。とか、やかましいわ!!」





「ていうか顔!!顔そのままなんですけど!!」




「これ完全に俺じゃん!!」




「やりなおさせてぇぇぇ!!」




叫びは、光に飲まれる。


届かない。


止まらない。


無情にも、世界が切り替わる。


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