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ホラー小説短編集

作者:羽柴吉高
秋田の老舗旅館「日の出温泉」の後継者・佐藤あかり(二十二歳)は、女将としての修行のため福島の「温泉旅館女将養成所」へ向かう。だが、駅に降り立った瞬間から異常は始まっていた。タクシー運転手は養成所行きを拒み、泊まったビジネスホテルの温泉では「こ・ろ・し・て・く……れ」という声が響く。翌朝、その声を残した女性が自殺者として担架で運び出される。
養成所に入った佐藤を待っていたのは、無表情な教官、次々と消えていく研修生、そして「事故」として処理される不可解な死。布団の下から現れる死体、屋根裏に見えたはずの女の亡骸、温泉で溺死する同室の加藤――。すべてが「日常」として飲み込まれ、恐怖は合理的な説明にすり替えられていく。
やがて佐藤は、自身の体が薬によって弱っていくのを感じながら、三階奥の「真実の部屋」へと足を踏み入れる。そこで待っていたのは、髪の毛一本一本が百足と化した魔女エリザベート。養成所も職員も、すべては彼女の幻想だった。
炎に包まれる養成所から逃げ出した佐藤は悟る。人間だったのは、わずか数人と自分だけ――。
「耳をすませば『こ・ろ・し・て・く……れ』」という声が、最後まで彼女を追い続ける。
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