バトル
ーー錬金術師団・夜のアジトーー
レオを囲むのは10人。なぜか全員、木の枝を握っている。
(それで戦うつもりなのか?)
と考えていると突然持っていた木の枝が鉄の剣になった。剣を投げつけてくる。
「うおっ!」
俺は驚き、とっさに頭を防御しながら、魔力を運動エネルギーに変換した。体に当たった剣を、刺さる前に弾いていく。
ガラガラガラ、剣が床に落ちた。
周りがきょとんとしている。一瞬、間をおいてざわめきが起こる。
「なにが起こったんだ?」
「こいつ、体がおかしい!筋肉が膨れ上がってるぞ!」
「まさか・・・筋肉で弾いたのか!?」
ザワザワ
普段レオは、目立たないよう、魔力量を制御している。魔力は、平均でも5cm、30cmでスーパーエリートらしい。レオの魔力量5mという数字は、まさに規格外であった。
人が集まってくれば、制御した魔力量では太刀打ちできないかもしれない。レオは魔力を解放した。
「あ、ああ・・・。」
囲んでいた男たちは、足をふるわせた。顔は絶望に歪んでいる。
魔力量の大きさは、すなわち変換できるエネルギーの大きさだ。自分たちの攻撃では傷一つつかないこと、相手がその気になればすぐに踏みつぶされてしまうこと。それを悟った男たちは全てをあきらめたのだった。
(なんだ?もう襲ってこない?動きが止まっている。)
いったん周りの動きが止まったのをみたレオは問いかける。
「さらった子供はどこにいる!?」
「・・・」
返事がない。聞いただけではさすがに答えてくれないか。
なぜか誰も動かない。声をかけても返事がない。このままでは状況はなにも変わらない。レオは警戒しつつも、一歩、動いてみた。
「ひいっ!」
歩いた先にいた男が悲鳴を上げる。
レオは気づいた。この男たちが自分の魔力量に怯えていることに。
とはいえ自分を油断させるための演技の可能性もある。動きが止まっているうちに敵を振り切り、改めてバベルを探そう。
レオは魔力を自分の体の運動エネルギーに変換し、急いで先へと進んだ。
ーーアジトの奥ーー
10歳の少女バベルは一人、絶望していた。森で遊んでいたら突然、袋に詰められ運ばれた。運ばれた先は知らない場所。黒づくめの男たちが大勢闊歩する場所に放りだされ、手足を縛られている。
「このガキ、なかなかいい顔立ちしてるじゃねえか!このあと死んじまうんだからもったいねえよなあ!」
「プッ、お前、ロリコンかよ!まあどうせ死ぬんだしちょっとくらい遊んでもいいんじゃね?」
(私、これからなにされるの?死んじゃうの?)
「ふへへ!そうだよなあ!」
男の一人が、バベルの髪に触れようと手を伸ばす。
(お父さん、お母さん、助けて、、、!)
少女は涙し、祈った。この状況から救われることを。




