捜索
ーーキント家ーー
ロイスン村は、貧困層の集まる村だ。キント家も漏れなく、貧困層の一員だ。この村の大人たちは全員、生活のために仕事に出かけてしまっている。
(怪しい男を連れ帰ってしまった)
この男は少なくともいなくなったバベルと遭遇している。もし、この男に誘拐され、危険な目に合っているとしたら、大人たちを待っている時間はない。しかし、村の子供たちを危険にさらすわけにもいかない。ここは俺一人で対処するしかないだろう。
「このおじさんは俺が見ておくから、プルダオはうちに帰りな。」
俺はプルダオを家に返した。
危険なものを持っているなら押収しなければならないし、バベルの手がかりが見つかるかもしれない。
とりあえず、男の荷物、服をすべて剥がし、持ち物を改めることにした。
出てきたものは、やせた男の体と一つの袋。そして、袋の中にメモ帳があった。
メモ帳の表紙には「夜」の文字が書いてあった。
中を確認するとーーーー。
「・国は腐っている。
・神の錬成。
・今月中に10人さらうこと!ー
『アジトの地図の絵』 」
絶対こいつだ。こいつ、間違いなくバベルをさらっている。「10人さらうこと!」の後に正の字で1が書いてあるところをみると一人は確実にさらっている。ご丁寧に地図があったので、こいつが起きるのを待つ必要はない。とりあえず地図の場所に向かおう。
目覚めて村で暴れられても困るので、男が持っていた袋にその男を詰め込み、魔力を使って持ち上げながら地図が示すアジトへと向かった。
俺は走らない。筋肉が消耗するからな。
魔力を運動エネルギーに変換し、高速で移動する。障害物は魔力で少しずつずらしながら一直線でアジトへと向かった。
(こんなところがあったのか)
俺は感心した。森の中心、つながる道はない。周りに木が密に生えており、その全貌が明らかになったのは到着してからだった。
(この規模だと、こいつの仲間は多いのかもしれない。)
うまく忍び込んで、バベルを探したいところだがーーー、さっき剥いたこの男の服を着れば目立たないのではないか?
こいつもここまでくれば村まで簡単に戻れないだろう。一応、動けないようにおもりを乗せておくか。
レオは近くの大岩を持ち上げ、男の上に置いた。
男のうめき声が聞こえた気がしたが、気にしない。
レオは男の服を着てアジトに進入した。
「くせ者!くせ者ーーー!」
一瞬でバレてしまった。
当然である。半裸の男が急に現れたのだから。
(レオが着ていた男の服は歩く度に服が破けてゆき、アジトに入る頃にはパンツ一丁になっていたのだった。)




