ガリストの驚異
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「だいたい分かりました。筋トレって大変なんですね。」
ブレイは少しげそっとして呟いた。
「ええ、実は大変なんです。でも、筋肉の成長を感じたときの喜びは大きいです。きっとハマりますよ。大会は2ヶ月後ですが、3ヶ月は頑張ってください。」
そう言ってレオは思い出すように、続けてブレイに問いかけた。
「そういえば大会で思い出しました。ガリストってどんな人なんですか?突然、大会に誘われたんですが。もしかすると戦うのかもと思っているんです。」
ブレイの急に顔が強ばる。
「奴には気をつけてください。奴は、極端に若者を嫌います。神様が大会に誘われたのもきっと...。」
プニオが自分を狙ってきたことから、その上司であるガリストからの招待状は、きっと宣戦布告に近い意味合いがあると、何となく思っていた。レオは特に驚かずに聞いている。
ブレイはそのまま続ける。
「奴の剣は『ブレイブソード』。かつての勇者が魔王を断った伝説の剣です。……それだけじゃない。王宮最強だったグレン騎士団長を唯一凌駕した剣技に、プニオを凌ぐ魔法陣の行使。今の狂った政治が続いているのは、反対派をすべてその手で『物理的に』黙らせてきた実力ゆえです」
そういえば、ダンブルも昔、今の政治がどうとか言ってたなあと、レオは聞きながら思い出した。
「なるほど。ガリストは国王なんですよね。その力はみんな知っているんですか?」
「いえ、それほどの認知はありません。しかし、今回の大会でその力は公になるでしょうね。」
レオは少し安心した。となれば、今回の大会で力でレオの目的を達成できる可能性は高まる。
「そうですか。であれば、ガリストを倒せば、筋トレの良さを広めることができる。そうですよね?」
「ええ!?神様もガリストねらいですか!?私が倒したかったんですが...。」
「もちろん、ブレイさんに勝っていただいてもいいですよ、ただ筋トレで魔法が使えるようになったことは、アピールしてください。」
レオは、そう言ってブレイを家に返した。
***
ブレイが帰宅した後、団員たちがぞろぞろと戻ってきていた。
「みんな、どこ行ってたんだ?」
レオが団員に尋ねると、団員たちは、決まって
「あ、いえ、ちょっと外へ行ってただけです。」
と、答えになっていないような答えを、少し目を泳がせながら話してよそよそしく去っていく。
レオはさっきの推理が当たっていることを確信した。
(みんな、バレバレだよ。)
レオはそう思いながら顔をほころばせるのだった。




