ブレイの筋トレ
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「こんにちは、神様」
「こられましたね。ブレイさん。」
ブレイはレオに筋トレを教わるため、神殿にやってきた。
「早速ですが、筋トレを始めましょうか。一応確認ですが、もうすでにフィルターとして機能している足とお尻以外の部位を鍛えるということでいいですよね?」
「ええ、そうです。」
「早速やっていきましょうか。まず、大胸筋から始めましょう。大胸筋は、大きく三種類に分かれます。上部線維、中部繊維、下部繊維です。それぞれで種目が違います。一日おきにやっていきましょう。」
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「……胸、背中、腕、お腹。よし、今日のノルマは終了です。どうでしたか?」
「死ぬかと思いました。……すぐに帰って寝かせてください」
「休息は大事ですからね。ですがその前に、最重要の『座学』があります」
レオは真剣な眼差しで、絶望するブレイに指を一本立てた。
「ブレイさん。筋肉を作るのは、運動だけではありません。食事……つまり『摂取カロリー』が、自分の使うエネルギーを上回らなければ、いくら鍛えても筋肉は育たない。ただの無駄骨です」
「エネルギーの収支、ですか。……理屈はわかりますが、どうやってそれを管理するのです?」
ブレイの問いに、レオは待ってましたと言わんばかりに、神殿の奥から「三つの食材」を取り出した。
「簡単です。今後二ヶ月、口にするのは『米・鶏胸肉・ブロッコリー』。これだけです。重さを量って食べる。これなら計算も狂わない」
「……え?」
「この三つこそが、筋肉の聖三位一体。他はいりません。ブレイさん、あなたの食卓から、今日『自由』という名の調味料が消えました」
ブレイの顔が、みるみるうちに青ざめていく。
「まじかあ……」




