筋肉教の危機
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翌朝、神殿からダンブルとほかの団員達が消えた。
「みんな、どこへ行ったんだ?」
昨日はダンブルの様子がおかしかった。ダンベルを作って見せた直後、泣きながら今までのお礼を言われたかと思えば、すぐにどこかへ消えていってしまった。
その翌朝がこれである。レオは困惑した。明らかに、自分がダンベルを作ったことが、みんなが消えた原因であるが、ダンベルを作ることと、みんなが消えることのつながりがわからない。
.......。熟考の末、一つの結論が導かれた。レオはにやりと笑った。
「ははーん。『誕生日サプライズ』ってやつか。俺の作ったダンベルに成長を感じて感動。そして俺の誕生日を思い出したんだな?みんなでその準備ってことか。」
ダンベルと感謝、団員の消失に2ヶ月後に迫ったレオの誕生日という要素が追加されることで、レオの疑問は解消されたのだった。
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「皆、突然集めてすまない。報告がある。」
ダンブルの深刻な表情に、団員たちは息をのんだ。
「神様が錬金術を使えるようになった。」
団員たちはざわつく。
「嘘だろ...。」
「おいおい...これはまずいぞ。」
皆、レオが自分たちをダンベル作りのために近くに置いているという認識は共通であった。
「皆、気づいたようだな。神様は今後、我々を必要としないだろう。だが、我々には神様が必要だ。そこでだ。皆に集まってもらったのは、今後も、神様に使っていただくために、我々になにができるか、相談したいのだ。」
団員の一人が質問した。
「神様はなんとおっしゃっているのですか?やはり我々は不要だと?」
「いや、その言葉を伺う前に私は逃げてしまった。故に今は何も言われてはいない。皆も気をつけるのだ。その言葉を聞いたが最後、この教団は消滅するだろう。」
「なるほど...神様にその言葉直接聞くまでは、我々はまだ仕えさせていただける。ということですね。」
「そうだ、その作戦でとりあえずは解散を引き延ばす。だがそこまで長くは続くまい。その間、できることはないか?」
ざわざわと団員たちの打ち合わせが始まったのだった。




