邂逅
ーーロイスン村付近の森ーー
「おーい!バベルー!どこだー?」
十歳くらいの子供が誰かを探す様子で森を歩いている。
(ククッ、さっきさらったガキの連れか?)
エーはまた一人でいる子供を見つけた。
また簡単に子供をさらえそうだ。エーは見つけた子供に背後から近づいていく。
ドンッ!
エーは何かにぶつかった。
「痛え!」
「すみません。大丈夫ですか?」
そうか、俺は人とぶつかったのか。なんて硬いんだこいつ・・・。
顔を上げると、目の前には男がいた。細身に見えたが、ぶつかった衝撃は岩のようだった。服の下で鋼のように膨れ上がった筋肉に気づいた。
(チッ!気づかれたか!)
子供も気付いてこちらに近寄ってきていた。
「どうしたのレオ?」
「このおじさんとぶつかってしまったから、謝っていたんだ。」
(こいつら知り合いかよ、顔を覚えられたら今後活動しにくい。さて、どうやって切り抜けるか。)
「あ、ああ、大丈夫だ。あなたも大丈夫か?大丈夫なら俺はこれで。」
俺はニヤッと愛想笑いを見せ、この場を去ろうとした。
「うっ!」
さっきぶつけた肩が痛い。さっきの衝撃はただぶつかっただけではない。ゴツい体から一瞬放たれた、異様な圧を感じた。痛すぎて俺はその場にうずくまった。
(嘘だろ?肩の骨が折れてやがる!)
俺たち夜のメンバーは全員が錬金術師だ。錬金術を使えば骨折くらいなら簡単に治せる。しかし、激痛で意識が保てない。やばい・・・。
エーは意識を失った。
**【レオ視点】**
(なんて怪しい格好なんだ・・・。)
黒づくめで明らかに怪しい格好をしたおじさんが倒れてしまった。
木を切りに森に入ったところだった。大声でバベルを探していた10歳の少年、プルダオがいたので、声をかけようとしたらたまたまぶつかってしまった。
「どうしようレオ、倒れちゃったよ。このおじさん。バベルも探さないといけないのに。・・・あれ?」
プルダオはおじさんが持つ袋からはみ出たものを拾い上げた。
「これ、バベルのおもちゃだ!」
プルダオの様子から、バベルは今居なくなったようだ。行方不明のバベルと、怪しい格好のおじさん、おじさんの袋から出てきたバベルのおもちゃ。怪しすぎる。
(なんか知ってるな?コイツ。)
「プルダオ、このおじさん、バベルのこと何か知ってるかも。連れて帰って話を聞こう。」
俺は話を聞くため、おじさんを担ぎ家に帰った。




