魔法のしくみについて
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「神様は、魔法の練習とおっしゃいますが、どんなことをしようと思っていますか?」
ブレイは、立ち去ろうとしていたレオに続けて声をかける。実際のところ、魔法の練習といっても、有効な手段は確立されていない。たくさん魔法を放ったところで強力な魔法を放てるようになるわけではないし、練習すれば、いろいろな魔法を扱えるようになるわけではない。
基本的には、生まれ持った才能がすべてを決定しているというのがこの世界の通説だ。
それでもあきらめたくない人々が、魔法の練習と言いながら使える魔法を放ち続けるのが、『練習』の実体である。
それはレオも重々理解していた。だからこそ、魔法の練習をやってみて、魔法の練習をする人の気持ちを理解したかったのだ。
ブレイの言葉はレオの足を止めた。
「まだなにも決めていません。魔法を使い続ける...とか?」
ブレイはレオの言葉を聞いて、ほっとした様子で口を開く。
「私は研究の結果、魔法の仕組みに到達しています。きっとお力になれるかと。」
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「つまり、魔法というのは、魔力を人間というフィルターを通して抽出した結果なのです。」
ふーむ、なるほどと、レオは唸った。ブレイの『魔力フィルター理論』は筋が通っていた。
「今のところ、仮説のように思えますが、検証はできていますか?」
「もちろんです。私も魔法が熱しか使えませんでした。ですが...」
ブレイは手を前に出すと、炎、雷、音、三種類の魔法を順に放って見せた。
「まあ、元から使えたのではないかと言われてしまえば否定する根拠はありませんが。ハハハ。」
レオは目を輝かせる。ブレイの理論を信じるには十分な現象が目の前で起こっていた。
「信じます!教えてください!僕も火や雷を使えるんですか!?」
「使えるはずです、特に神様の場合、ほかの魔法も使えるのではないかと踏んでいます。」
「それでは、詳しく説明しますね。」
ブレイの理論はこうだった。
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1、魔法は、人の周りを漂っている魔力を人が吸って吐き出すことで出力される。
2、魔法の種類は魔力を吸い込む筋肉によって決まる。
大澱筋は熱、大腿四頭筋あたりが電気、ハムストリングスが音、大胸筋が力など。
3、魔力をフィルタリングするためには、一定サイズの筋肉が求められる。
4、フィルタリングされずに吐き出された場合何も起こらずに、魔力が自分の周りに戻る。
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魔法を使うとき、魔力を吸い込む部位など誰も気にしない。魔法を使える様になってから人は癖で無意識のうちに同じ筋肉から吸い込んでいた。
たまに複数種類魔法を扱える者もいるが、これも無意識に吸い込む場所を切り替えている。というのが、ブレイの理屈だ。
実際に、ブレイが三種の魔法を放って見せたとき、ブレイを覆っていた魔力が最後に吸い込まれたのがそれらの筋肉であった。
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「3、ですね。僕がほかの魔法も使えるかもしれないと言った理由は。」




