ブレイとの出会い
「あはは、傷つけるつもりは無かったんですけどね。」
「規格外の魔法、剣だけではどうにもなりませんからね。あなたが筋肉教の神様でしょうか。」
「ええ、そう言われています。でも、ふつうの人間です。」
「いやいや、噂に聞いていますよ。あのプニオを倒したとか。普通の人間にそんなことは出来ないんですよ。」
謎の男は意味深にレオに話しかけた。
レオは逆に問いかける。
「あなたは一体...プニオさんのこと、何か知っているんですか?」
「ええ、私は魔法の研究をしているブレイと申します。正確には、プニオではなくその上司、ガリストと昔因縁がありましてね。プニオのことも少し、知っているんですよ。」
男は淡々と話す。
「あいつ変な魔法使ってきませんでしたか?魔法陣とか使って。」
「ああ、そういえば、魔法陣でてましたね。見慣れない光景だったので覚えてます。」
レオはプニオとの戦闘を思い出していた。プニオが魔法を放つ度に魔法陣が生み出されていた。
「そうでしょう。あの魔法陣は、使えば本人に魔力がなくても強力な魔法を発動できるように組まれているのです。先祖代々、うちに伝えられてきた技術だったのですが、10数年前にガリストに強奪されて以降、ヒヨワーイ党内で共有されてしまっているのです。
それ以降、どうしても、奴の持つ’魔法陣の書’を奪い返したいと思っていましてね。魔法陣に対抗するために魔法の研究をしていたというわけです。」
「はあ、それは大変でしたね。」
レオは一瞬、プニオの話を共有できて興奮したが、見知らぬ男の身の上話を突然聞かされて、また元のテンションに戻っていた。
「中でも永久凍土は必殺の技です。一瞬で対象を絶対零度にしてしまうのですから。繰り出してきませんでしたか?あれは大昔に勇者が魔王を討伐した魔法なんです。」
「あの凍らせる魔法ですね?たしかに強力でした。一瞬で体が凍り付いて焦りました。」
「ええっ!?あの攻撃を受けたんですか?ではなぜ生きているのですか?」
「そこは体をぶるっと振動させて暖めました。」
「なにも振動できなくなるのが絶対零度なんですが...。あなたはなかなかに規格外の様だ。実はプニオの件で筋肉教の神様はとんでもない方かもしれないと思って、お話を伺おうと参りましたが、想像を遙かに越えている...。」
一旦話の区切りがついたのを見計らい、レオはその場を退散しようとした。
「そうでしたか。次は魔法の練習をしないといけないので、それではまた。」
レオがそう言い残し立ち去ろうとすると、ブレイは顎に手をあて、少し考えるそぶりをした後レオを呼び止める。
「少し待ってください。魔法の練習ですか。私にお手伝いできることがあるかもしれません。私、魔法の研究をしているので。」




