失敗の果て
***
突然、壇上のレオが消え、会場は騒然とした。数十秒後。
ドォン!
爆音とともに、土煙がステージを覆う。
そして収まる頃、浮かび上がる二つの影、それは帰還したレオと謎の男だった。
(なぜやつが...!)
いち早く反応したのはプニオだった。
男はレオに抱えられ、気絶しているように見える。
(かなり離れていたはずだ!この一瞬で何があった?)
「突然離れてしまってすみません。この人がなぜだか狙撃してきて、危なかったので連れてきました。」
帰還したレオはマイクを持ち、観客に謝罪した。
「サンダーボルト」
プニオは小さくつぶやくと、突然レオの頭上に雲が集まる。雲は集まり凝縮され、静電気をため込んだ。
レオがスタッフを呼ぶため少し移動したそのとき、
バチバチバチ!バリバリバリ!
轟音とともに雲からステージに紫電が走る。狙撃手は直撃を受け、痙攣とともに白目を向き倒れた。
「うえっ!なんだなんだ?あっ!」
レオは突然の落雷に驚いた後、事情を聞こうと思っていた狙撃手が雷に打たれたのを見つけた。
***
二度目の轟音に、会場はどよめいた。
「神の裁き...。」
一人がそうつぶやくと、その言葉は連鎖し会場を飲み込んでいく。
「神の裁き。」
「神の裁き。」
・
・
・
各々がつぶやく。そして圧倒的な力を持ったレオに、一般客を含めた全員が畏怖し崇めたのだった。
プニオを除いて。
***
(クッ、仕止め損ねたか、しかし狙撃手の方は消せた。これで口封じは完璧だ。)
プニオの必殺技、サンダーボルトは一日に一度しか放てない。なんとか最悪の事態は避けることができたものの、今日用意してきた作戦はことごとく失敗。教団を潰すには至らなかった。
突然の事態だったが、冷静に対処できたと言っていいだろう。
(また次の機会はある。そのときには必ず...。)
プニオは、決意を固めるのだった。
ドスッ、という鈍い音。
「あのう...プニオさん?」
(うっ、なぜここに...まさか...。)
さっきまでステージにいたレオが目の前に立っていた。電撃を受けた男を担いで。
レオは、口封じしたはずの男をプニオの前にそっと置いた。
「この人が誰か、知りませんか?」




