邂逅
***
「プニオ殿、本日はわざわざお越しくださり、ありがとうございます。私はダンブルと申します。筋肉教の教皇を務めております。」
案内役の男につられて、ダンブルが出てきた。
今日見た男の中で一番体格がいい。
「こちらこそ、このような会に参加さていただき、ありがとうございます。とても盛り上がっておりますな。」
「ええ、おかげさまで。ところで、グレン殿からいろいろお話を伺っております。何でも我々を警戒しているとか。」
(早速来たか。)
プニオの予想通り、簡単な挨拶では終わらないようだ。
「今日だけではなく、筋肉教がここ最近盛り上がっているようなのでな。突然国民の考え方が変わってしまうと国が混乱する可能性がある。」
プニオも直球の回答をした。ただし問われていないことについては、あえて回答しない。
「確かに、それはそうでしょう。警戒するのも分かります。ただ今日お呼び出ししたのは、もし誤解があるならそれを解きたいと考えているからです。」
(誤解だと...?)
プニオは怪訝な様子で問う。
「誤解とは一体...?」
「我々の宗教は、危険な思想はありません。ただ体を鍛える。それだけの宗教なのです。今日の大会は、我が宗教がいかに健全かご理解いただけるように用意しております。」
「なるほど。私もそういう目で見させていただこう。これは応援の気持ちだ。よかったら召し上がってくれ。」
プニオは持参した手みやげを渡した。
(よし...これでいい。)
「感謝します。それでは残りのステージも、ごゆるりとお楽しみください。」
そして、プニオは解放された。
多少の牽制はあったものの、意外にもここで仕掛けてくる様子は見られなかった。
(ここまでは順調だ。残りは、、)
***
ダンブルは、プニオに挨拶されたことをレオに報告した。
「来てくれたんだな。よかったよ。この間は筋トレを中断させられてキレそうだったけど。結局その後なにもしてこなかったんだ。ここで誤解を解いて、今後変な関わり方をしないようにしてもらおう。一生懸命もてなすんだ。」
「喜んでいただけるといいですな。こちらは、プニオ殿にお持ちいただいたお菓子です。」
「菓子か。悪いが今日はバベルと出店を回るんだ。余計なカロリーはとれない。また今度食べよう。どこかにしまっておいてくれ。」
「承知しました。」
レオたちは、もはやプニオに報復など考えてはいなかった。むしろ、どうやってもてなして誤解を解くかに、焦点を当てるのだった。




