プニオの苦難
***
(くそう、今日までほとんど寝れなかった...。)
プニオは招待状が届いて一ヶ月、教団が仕掛けてくることを警戒し、神経をすり減らせていた。しかし結局今日、何事もなく来場している。
(だが、ここで奴らを潰してやる...。)
プニオは心の中で、準備してきた作戦を決行する決心を固めた。
もちろん、今日プニオが狙われる可能性だって十分にある。しかしそれこそ、大衆の面前だ。政治家を狙って攻撃でもすれば、たちまち教団のメンツはつぶれるだろう。あからさまなことはしてこないはずだ。今日呼ばれているのが罠だと分かった上でやってきたプニオの最大の防衛策は、教団との接触を必ず、目立つところで行うことだった。
***
「エントリーNo.1!先頭はロイスン村のプルダオだー!」
一人目の参加者が壇上に上がる。
照れくさそうにしながらも、パンツ一丁の彼は自らの筋肉を見せつける。
「彼は、教団発足の5年前、最初に教徒となったトレーニーです!現在15歳、見てほしい筋肉は、背中の広背筋です!どうぞ!ご覧ください!そしてエントリーNo.2!こちらは、イソロイスン村のレプレシオだー!こちらも教徒歴5年!大腿四頭筋をがんばって鍛えました!....」
MCの呼びかけに、続々と参加者が壇上にあがり、自慢の筋肉を見せびらかし、降りていく。
会場は黄色い声援と、野太い声が飛び交う。
今回、審査員はいない。今日はバトルではなく、お披露目会のような形式で開催することにしたのだった。
大盛り上がりする会場の中、プニオは一人、苦い顔をしていた。
(こいつら、なんて体してるんだ。うちの傭兵でもここまでの体格のものはいない。全員、教団の戦力なのか...?)
「プニオ様、本日はお越しいただきありがとうございます。」
突然の背後からの声かけに、プニオの背筋が凍る。
「教皇のダンブルがご挨拶に伺いたいと申しております。今、よろしいですか?」
冷や汗を垂らしながら答える。
「あ、ああ、もちろんだ。私の方から行こう。どちらかな?」
早速来たかと、持参した手みやげを持ち、護衛を引き連れ、部下と思われるその男について行く。
***
「神殿の中へご案内します。」
「いや、いい。この活気を感じていたいのでな。
悪いが、外まで来ていただけないだろうか。」
少々苦しいとは思っていたが、プニオは作戦通り、観衆に見えないところへは絶対に行かないつもりだった。
「かしこまりました。ただいま呼んで参ります。」
男は爽やかにニコッとほほえみ、中へと消えていった。




