一ヶ月後
***
「も、もう...限界...です。」
「ほら、後一回だ、頑張れ。」
「無理無理無理無理...」
男は泣きそうになりながら、バーベルを上げる。教団の一人が補助で支えていた。
「これでちょっと軽くなったろ。頑張れ。」
「ク、、くっそおーーー!ハア、ハア、、」
「オラ、後もう一回だ。」
補助の男は、力を抜いた。バーベルの重さに耐えきれず、男の腕は曲がっていく。
「ううぅ、もうやめてください。あがりません。」
「だめだ。後一回だ。ほら、少し支えるから。」
補助の男は、また少し力を入れた。
「う、うぉおお!ハア、ハア、ハア。」
(何でこんなことに...筋トレって何だよ。新手の拷問か?)
周りでも大人数が筋トレしているが、嫌々やっている様子の者は一人もいない。むしろ楽しそうにやっているように見える。
(こいつら、変態かよ...。)
男は若干引きながらも、言われるがまま筋トレに励む。
「ほら、次はスクワットだ。休んでる暇はないぞ。全身法って奴だ。」
全身法は、レオ直伝の高タイパ筋トレテクニックである。休憩をはさみながら一日中同じ部位を鍛える分割法と異なり、他の部位を鍛えながら直前に鍛えた部位を休める方法だ。
タイパがよい分、疲労感は半端ではない。
(これが今から一ヶ月?地獄だ...)
男は、一ヶ月が途方もない時間に感じた。
***
「ついにこの日がやって参りました!みなさま、本日はお集まりいただき、ありがとうございます!」
そこには、一般教徒の大会参加者、教団から選ばれた参加者、男性アイドルのゲスト参加者、教徒以外の観客、そして来賓の政治家。
多様な面々が揃い踏み、わいわいがやがやと会場が賑わっている。
そんな活気のある会場で二人、疲弊した人物がいた。
それはプニオと痴漢男だった。




