筋トレの経過
ーーロイスン村ーー
10歳になった俺、レオ・キントは、筋トレを継続していた。この世界にジムはない。当然、バーベルやダンベルなどの道具はなく、近くの森で木を切り、持ちやすい形に加工しながら筋トレをしていた。
正直、前世で使っていた鉄のおもりと比べて、使い勝手が悪い。すぐに腐ってしまう欠点は致命的だ。
しかし継続は力なり。道具を作りながら地道に筋トレを続けていた俺の体は、10歳にして身長170cm、体重80kgにまで成長した。当然、太っているわけではなく、体脂肪率は15パーセント、筋肉量は40kgにまでなっていた。そして謎ステータスの魔力量は5mになっていた。
謎ステータスとは言ったものの、この世界を10年生きてきたので、魔力についてはだいたい分かってきた。
魔力とは、前世でいうエネルギー保存則に当てはめることができる、新たなエネルギーだ。このエネルギーは、力、熱、光、音などあらゆるエネルギーに変換可能である。ただし、変換には生まれ持った才能が必要とされている。一つ以上エネルギーの変換ができるのは人口の3割程度らしい。
幸いにも、俺には力学的エネルギーに変換する事ができる才能があった。
特に意識していなかったが、筋トレ中に魔力も使っていたらしい。
筋肉が疲労してきたときに、それを補う為、無意識に魔力をエネルギーとして消耗していた。
俺にとっては、筋トレの補助として役立っていたのだ。前世で死ぬ直前に知ったことだが、筋トレには、ドロップセット法という手法があるらしい。
疲労困憊でセットを継続できないと思っていても、扱う重量を下げることで、もう数回、プラスでセットを継続できる。このことは、筋ボリュームを最大化させ、筋肉の増大に役立つそうだ。
魔力による補助は、ドロップセット法を完璧に再現していた。筋トレで疲労困憊に陥る度、魔力が自動で負荷を下げることで、筋ボリュームを最大化させていた。
今では魔力の制御もできるので筋肉が疲れていなくても運動に変換できる。筋肉は筋トレのためにある。俺は常にそう考えている。疲労は筋トレの質を下げるため、ものを運んだり、木を切ったりといった雑用は魔力に任せていた。魔力は結構便利だった。
手作りのベンチとバーベルが腐っている。俺は木を切るために森へと向かった。




