プニオの葛藤
第一回・全王都ボディビルディング祭典 ご案内
拝啓
時下ますますご清栄のこととお慶び申し上げます。
さて、この度、我々筋肉教団は、神殿の新装開店を記念し、かねてより要望の多かった『第一回・全王都ボディビルディング祭典』を公式に開催する運びとなりました。
つきましては、王国の発展に尽力されているプニオ伯爵様を、本祭典の最重要賓客としてお招きしたく、謹んでご案内申し上げます。
本イベントは、健全な肉体の美と精神性を讃えることを目的とし、教団の真の姿を世に知らしめる絶好の機会と存じます。
ご多忙の折とは存じますが、ぜひともご臨席賜りますよう、教団員一同、心よりお待ち申し上げております。
敬具
(以下、日時・場所・趣旨など詳細が記載されている。)
プニオを個人で指名してくる以上、グレンが裏切っていることは確定的だった。
(だが、これは何だ。何かの罠か?私の教団をつぶす企てを知って、反撃のつもりか?馬鹿馬鹿しい。罠と分かっていて行く奴があるか。)
「しかし、"教団の真の姿"だと?笑わせる。私もお前たちも、ただの奴隷だ。真の姿もクソもあるか」
この世界で伯爵とは、貴族とは言いつつも、領地を持つ地主というより、国のために政治家として働く公務員に近い存在だ。ただし、文字通りの貧困層でもない。公爵、侯爵、伯爵、子爵、男爵の階級は選挙の得票数で決まり、その階位に応じて膨大な報酬を得ている為、金銭的には豊かだ。
(しかし、私が首謀していることは分かっているのに、なぜ直接的な行動をしない?先日のあの魔力、私いや、国も滅ぼしうる力だ。わざわざ遠回しに罠なぞを。)
プニオは冷静だった。冷静に考えた結果、余計にわからなくなってくる。彼らの狙いが。
(よく考えると、無視して強行策にでられても困る。出席するほかない。...いや、待て。来賓として招待される以上、挨拶等社交辞令的にでもボスと接触する可能性はある。奴らの狙いがどうあれ。隙をみて私自らが殺してしまえばいいではないか。)
バタン!
「大変です!筋肉教団のダンブルなるものが、痴漢でとらえられた工作員に接触を図っているようです!刑務所に出向いてきました!」




