和解へ
レオは、子供の姿に戻ったグレンに見せたかったが、近くにいない。
(ん?いつの間にか居なくなっている。あきらめて戻ってしまったのか?)
子供たちがざわめきだす。
「あれ?ここはどこ?さっきまでかくれんぼしてたのに。」
ざわざわ
「聞いてくれ。みんなは誘拐されていたんだ。今助けてくれる人たちのところへ連れて行くから、付いてきてくれ。」
子供たちは、一瞬、レオの体格に怯えるも、素直に従った。
***
「何で黙って行っちゃうんですか?子供たち、元に戻りましたよ。最初はだめかと思いましたが、魔力殺し、うまくいきましたね。」
グレンは唖然とした。
(魔力殺しは壊れていた。魔力殺しは効かなかったんだ。間違いなく、レオ殿が何かしたに違いない。もはや時を戻すレベルの、何かを。しかし、レオ殿は、どうも魔力殺しの効果に見せたいらしい。ここは、話を合わせておこう。)
グレンの推察は一部当たっていた。レオの異常な魔力によって部屋のエネルギーが過密になった結果、ワームホールを生み出していた。たまたま子供たちがワームホールをくぐり、誘拐前の体までタイムスリップしていたのだった。
「ああ、確かに、うまくいってよかった。子供たちは私たちが預かろう。」
「ええ、よろしくお願いします。ところであいつ等なんですが、どうですか?許してもらえますか?」
「危険なやつらだ。本当は放置したくはない。ただ、今後あなたが面倒を見て、何もさせないでくれるというなら、ここは見逃しましょう。」
(この男には逆らってはいけない。この国と対立させてしまっては、国の存亡につながる。できるだけ、機嫌を損ねないようにしなければ。)
「本当ですか!うれしいです!」
「ああ、もちろんだ。あなたは信用できる。あなたになら任せられる。ただ、私たちの任務は子供たちの救出ではない。錬金術師団の討伐だ。何の成果もなしに帰還しては、第2陣、第3陣が向かってくるリスクがある。ここは、話を合わせて、討伐が完了したことにしてはもらえないだろうか。互いにメリットのある話だと思うが。」
「そこまで計らっていただけるとは、恐縮です。何の活動もしなければ、バレませんよね。」
「ああ!少し、よろしいですかな。」
突如、ダンブルが口を挟む。
「なんだよ、これで済んでよかっただろ。いちいち間に入ってくるなよ。」
「ええ、もちろん、ありがたい話です。ただ、我々も、よりばれないよう、工夫できると思いまして。」
「ほう、なんだ。」
「今日を持って、錬金術師団夜は解散します。
この後は、新規の宗教団体として活動しましょう。
もちろん、犯罪行為はしません。
その名も、『筋肉教』です。」




