協力
「なに?子供たちは無事なのか?」
「すみません、正直全然、無事ではありません。ただ、もしご協力いただければ、元に戻る可能性があります。」
「元に戻る?どういうことだ?」
グレンは、男を睨みつけた。
「その、大変申し上げにくいのですが、あいつ等が子供たちを実験台にしていたみたいで・・・。おぞましい化け物に姿を変えられています。」
「クッ、なんてことを・・・!」
「一旦、あいつ等を許す、許さないは置いておいてもらってかまいません。さっきは欲をかき、交換条件のように言ってしまいましたが、僕も子供たちを助けたい気持ちは同じです。どうか、ご協力をお願いします。」
男は頭を下げる。
グレンは落ち着いて考えた。
「そこまで言われると、とてもそちらに利があるようには思えない。恐らく、本心なのだろう。詳しく話してくれ。」
「ありがとうございます!」
男の顔がパアッと輝いた。
男は説明を始めた。
「なるほど、要するに、子供たちが化け物になってしまったのは、錬金術で魔力を注入したのが原因で、あなたはアーティファクト、魔力殺しを使えば、魔力がなくなって元に戻ると思っているということだな。
しかし、さっきの戦闘中、魔力殺しを破壊してしまったと。」
「ええ、その通りです。」
「なるほど、確かに可能性はあるだろう、もちろん用意して、使ってみるのは賛成だ。だが一つ懸念がある。
さっきの魔力殺しの発動で、錬金術師の作った道具は元に戻ったか?
錬金術は、魔力を別のものに作り替える技術だと聞く。もし何も戻っていないというなら、錬成は不可逆、望みは薄いだろう。」
男は何かを思い出すようなそぶりを見せる。
そしてがっかりとした様子で答えた。
「いえ、錬金術で作ったものは元に戻っていません。」
やはりか。だとすると望みは薄い。
魔力殺しはとりあえず試すとして、ほかの方法を考えなければ。
「そう落ち込まないでくれ。やってみるまで結果は分からない。我々は、予備としてもう一つ、魔力殺しを持ってきている。すぐに試そう。だめだったらそのとき、また考えよう。」
**【レオ視点】**
確かにそうだ。俺が魔力を使えず、バーベルに押しつぶされていたとき、金のバーベルは石に戻っていない。彼女の言っていることは、正しいのだろう。
この一瞬で、すべて理解し、論理的に話を整理している。聡明な女性だ。そして見知らぬ俺を励ましてくれる懐の深さも備えている。頼りになる。レオは素直にそう思った。
幸いにも、魔力殺しはすぐに用意できるらしい。彼女のいうとおり、試してみるほかない。
「ありがとうございます!早速案内します!ついてきてください!」




