交渉
例のアーティファクトを借りる交渉をするため、レオは敵の団長だという、女が目覚めるのを待った。
スタイルがいい。胸とお尻は大きいのに、体は引き締まっている。赤髪ロングがよく似合ってる美女が、ベッドで寝ている。
年は18くらいだろうか。今の自分からみるときれいなお姉さんという感想だ。
美しい顔から目が離せない。
しかし、後から聞いたが、俺の魔力で気絶させてしまったらしい。それに加えてらこんな奴らと連んでいると知られたら嫌われてしまうかもな。
きれいな女性に嫌われたら悲しい。まずは紳士的に謝って、こいつらとは適度に距離があることをうまく伝えながら、何とか協力を仰ごう。
彼女が目覚めるそのときを、レオは緊張しながら待っていたのだった。
ーグレンの夢の中ー
ーーすさまじい筋肉だった。
うちの部隊も相当鍛えているが、あそこまでの筋肉を持つものはいない。私だってそうだ。
どれほど鍛えればあんな体に・・・。
あんな体で迫られたら、私は抵抗できないだろう。そして、あれやこれやのうちに弄ばれてしまうんだ。ーー
パチ、グレンは目を覚ました。
目の前には、今まさに夢に見ていた大男が、自分の顔を心配そうに見つめる。その顔はとんでもなく整っている。
グレンは顔を赤らめつつ、
「ここは、一体・・・。」
「さっきはすみませんでした。直前まで死にかけていたもので、魔力の制御が効かなくて。」
そういえばさっきーー、あまりに強い魔力に当てられて、意識がとぎれたのを思い出した。
ここは敵地。一瞬、周りを見渡すが剣はない。
ここまで確認した後、グレンはさっと立ち上がり身を構えた。
「剣は危ないので、預からせていただいています。とてもお強いそうですから。こちらは、あなた方に危害を加えるつもりはありません。どうか落ち着いてください。」
男の顔はとても真剣で、嘘を言っている様には見えない。どのみち今この男と戦っても勝ち目はないだろう。
グレンはその男を、一旦、信じることにした。
「具合はいかがですか?」
「ああ、特に問題はない。」
「それならよかった。あなたたちは夜を討伐しにきたんですよね?子供たちをさらったから。」
「ああ、そうだ。おまえがここのボスか?」
「いえ、違います。僕も、あいつ等に友人をさらわれましてね。一度、やり合ったんです。なぜだか今は神として崇められているんですが。」
男はニコッと笑う。
ドキッーー
グレンは男のさわやかな笑顔に思わずときめいてしまう。
しかし、夜と行動を共にしていることを考えると、敵かもしれない。そう思い直し、また平静を取り戻す。
男は続ける。
「あなた方は正しいです。あいつ等は許されないことをしました。僕も友人を取り戻すまでは許せませんでした。
しかし今、僕はあいつ等を必要としている。あいつ等にはもうあんなことはさせません。ここは何とか、許してやってはもらえませんか。」
「そんなの無理に決まっているだろう!」
グレンは思わず声を荒げる。大切な子を連れ去られた親たちを思うと、それだけは、できない。たとえどんなに敵が強大であっても。
「そうですよね。でも、もし子供たちを無事に返すと言ったらどうですか?」




