惨状
檻の中には、獣がいた。
一匹、二匹ではない。数十もの獣が檻の中で蠢いている。
獣と言っても、知っている獣ではない。絶対に自然界に存在しない。そう思えるほどの異形であった。
頭が二つある犬のような獣、足が五本ある狐、腕が生えた蛇。
知っている動物に例えるならそんな感じだ。子供のところに案内すると言われて来たのだ。さすがにわかる。これが元々人間の子供たちであったことが。
(あーあ、だめだこいつ等、いくとこまでいってしまっている。)
レオは呆れたような顔をしながらも、あと少しでバベルもこうなっていたかもと思い、ぞっとした。
一応、念のため聞いてみる。
「この子たち、元に戻せる?」
「いえ、無理、ですね・・・。」
「だよなー。さすがに、ここまでくると、死んでわびるしかない。まず、この子たちの家族を探して、本人を連れて行く。そしてこう言うんだ。『こうしてしまったのは私です。ここで、土下座しておりますので、思う存分いたぶってくたさい。』と。」
「いやあ、それも難しいかと、もう誰が誰だか・・・。」
それもそうか。こんな見た目では、もはや見分けはつかない。親だって、まさか自分の子供だとは思わないだろう。
「ちなみに、どうやって人をこんな化け物にしたんだ?」
「我らの魔力を注いだのです。それが我々がやっていた実験です。」
「なるほど、それなら逆に魔力を抜いてみるっていうのはどうだ?」
「魔力を抜く・・・?その発想はありませんでした。しかしどうやって。」
「いや、言ってみただけだ。おまえ等がわからないなら俺にも分からん。んーーーー。」
どうにかして元に戻せないか思案していると、突然ひらめいた。
「そういえば、さっき、魔力使えなかったじゃん?来た人たちが使ってたって言うアーティファクト?っていうの?あれ借りてみようよ!」
「さすがは神様!確かにそれであれば可能性はあります!」
レオたちは、早速地上へ戻り、彼らが目覚めるのを待つことにしたのだった。




