精鋭部隊・影
‘影’のメンバーが、森を駆けていく。
「聞いたかよ、今回の敵は錬金術師らしいぜ。こんな簡単に金がもらえるんだから、この仕事もおいしいな。」
「油断するなよ。奴ら、怪しい実験を繰り返しているらしい。どんな手を使ってくるかわからんぞ。」
「なにも出来ないし、楽勝さ。あいつら、このアーティファクト‘魔法殺し’を使えば、得意の錬金術は使えねえ。こうなりゃ、普段剣術を鍛えている俺たちに勝てる道理はないんだ。」
影は、剣術を基本戦術とする部隊だ。
魔法が得意の相手には魔法殺しを発動し、接近戦に持ち込む。これで制圧できない敵はこれまで遭遇したことがなかった。
この国最強の剣術使い、グレンはこの会話に入らなかったが、今回の作戦が簡単であることに内心同意していた。
「私語は慎め!敵のアジトが近いぞ!」
この集団のリーダーも務めるグレンは、メンバーに一喝した。
数分後、アジトに到着した一団は、作戦通り、魔法殺しを設置した。
ーー黄金ジム内ーー
「こんな感じのベンチを作ってくれ。頑丈なやつ。」
レオはダンブルに頼んだ。
「ええ、もちろんですとも。ハアッ!」
ダンブルは指示通り、ベンチを作るために、事前に集めていた石に魔力を込めようとする。
「ん?魔力が使えない。こんなことは今までなかったが。」
ダンブルはうまくベンチを作れず困惑した。
そのとき、
「団長!怪しい奴らが、神殿に乗り込んできました!」
夜の見張り役の一人があわてた様子でダンブルに報告した。
「何だ、今忙しいんだ。おまえ達で何とかしろ。」
「それが、なぜか皆、魔法が使えず驚いていて・・・。」
「何、おまえ達もか。乗り込んできた奴ら、何か怪しいかもしれんな。神よ、少々お待ちいただけますか。」
「ああ、それは問題ないさ。そっちは大丈夫なのか?黄金ジムが荒らされては困る。俺は筋トレを続けるから、何とか対応してよ。」
「もちろんですございます。おい、案内しろ。」
「我々もいきます!」
一緒にトレーニングしていた仲間達は立ち上がり、見張り役について行った。




