黄金ジム
~一ヶ月後~
レオは黄金のダンベルを使って、ダンベルベンチプレスをしていた。
今は、前世に近い環境で筋トレできている。
バベルを誘拐し、危険な目に合わせたことについては怒り心頭、到底許されるべきことではない。翌日にはバベルの前に並べて土下座謝罪をさせた。
正直これですむ話ではない。
・・・すむ話ではないが、それはそれとして俺は、こいつらがいなければ生きていけない。
手放せない。そう感じるほど、こいつらに依存するようになっていた。
「夜」が俺の前に現れなければ、今もまだ、俺は木を腐らせては切りにいき、自分で加工していたはずだ。しかし、こんな環境を用意されると使わざるを得ない。
黄金ジム(夜が作ったジムをレオがそう名付けた)に足を運べば、身の回りの世話は全て夜がしてくれる。
シャワー設備を作らせたり、BGMに歌を歌わせたり、疲れたらマッサージもさせている。
一番よかったことは、夜の中で筋トレに興味を持つ者が現れたことだ。
ー回想ー
「神よ。そのダンベルを持ち上げて一体何になるというのでしょうか?」
そう聞いてきたのはシーだった。
「こうやって、筋肉を鍛えるのさ。一回やってみるか?」
「よろしいのですか!?それではお言葉に甘えさせていただきます!」
「最初ならまずは、一番人気の大胸筋のトレーニングだな!こうやって・・・。」
人にトレーニングを教えるのは初めてだった。
前世で培った知識を披露するのがとても気持ちいい。そして、素直に興味をもって聞いてくれる。
ああ、俺は今、幸せだ。
ー回想終わりー
こうして俺は、黄金ジム完成以降、ここに入り浸るようになっていった。
今では時折、バベルもたまに顔を出す。俺が毎日通っているのをみて、危険な場所ではないと判断したのだろう。実際、俺がいれば特に危険はないし、バベルは、神とあがめられる俺同様の扱いを受けている。
贖罪の意味もあるのだろうが、全身全霊のもてなされようだ。
バベルは少し、恥ずかしそうな、怯えるようなリアクションをしながらも、たまにきて軽く運動をするようになった。さすがに10歳の少女にウェイトトレーニングは危険な気がしたので、簡単なスクワットや腕立てを教えた。
魅力的な異性を見ながらするトレーニングは、テストステロン値を爆上げする。
今日もきているバベルを眺めながら俺は、スクワットを始めた。




