帰宅
錬金術師団・夜にジムづくりを指示した俺は、バベルと二人、帰路に着いた。
村からアジトまで、まっすぐ、障害物を除けながら進んできたので、一本の道ができていた。
「歩けるかい?この道をたどれば、家に帰れるよ。一緒に帰ろう。」
ニッとバベルに微笑みかけた。
「うん。歩ける。あ、あの、ありがとうレオ。助けてくれて。本当にもうだめだって思ってたの。」
バベルは、俺の目を見て、感謝を伝えてくる。
「どういたしまして!バベルが無事で本当によかったよ!」
なるべく爽やかに返答した。突然誘拐され、知らない大人たちに囲まれたのだ。10歳の少女が経験するには、あまりにも恐ろしい体験だっただろう。トラウマにだってなりかねない。
こんなとき、俺にできることといったら、俺のかっこよくてさわやかな笑顔と、すばらしい肉体美を見せてあげることだけだ。
俺は唯一知っているポージング、サイドチェストを決めた。
それを見たバベルは、驚いたように目を大きく見開いた。そしてすぐ、クスッと笑った。
「なに?そのポーズ、おもしろいね。ところでレオ、強いんだね。あんなに怖い男の人たちを、一人で吹きとばしちゃうんだもん。」
「もちろんさ。毎日鍛えているんだ。あんなひ弱な奴らに負けたりしないよ。」
「レオがいつもやってるきんとれっていうやつ?」
「ああ、そうさ!バベルも興味があるのかい?」
「そんなに強くなれるなら、私もやってみたいかも。今度教えてくれる?」
少しずつ、元気になってきた気がする。気遣いしいの優しい子だ。もしかすると、俺に心配かけまいと空元気を奮っているのかもしれない。それでも、俺はこの子の笑顔をみることで、安心した。
**【バベル視点】**
レオは友達。いつも「きんとれ」だって、重いものを持ち上げている。体が大きい変わった友達。
遊んだり、話をしたりすると楽しいし、顔もかっこいい。今日助けてくれたことも本当にうれしかった。
でも、レオの「きんにく」だけは本当に苦手。なぜだかレオの体を見ると気持ち悪いと思ってしまう。
友達なのに気持ち悪いなんて思いたくない。普段話すときも、できるだけレオの体を見ないよう、気をつけていた。
レオが急に変なポーズをとった。
自然と体に目がいってしまう。
でも、久々に近くでみるレオの体は、気持ち悪く感じなかった。もしかすると今日、克服できたのかもしれない。
そんな自分に驚き、バベルはクスッと笑ったのだった。




