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ブラックな婚家に別れを告げてホワイトな男爵家に嫁ぎます  作者: 天田 れおぽん @初書籍発売中


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20/20

第20話 ハッピーエンド

 ディアナとサミエルは、めでたく婚約した。

 だが結婚は、マリーの方が早かった。

 

「おめでとう、マリー」

「ありがとうございます、お嬢さま」

「まさか結婚と妊娠が同時になるなんて思わなかったわ」


 ディアナはマリーの横に並ぶ男性を睨んだ。

 そこにはレーアン子爵家の営む商会で案内を買って出た青年が嬉し恥ずかしバツ悪しといった表情を浮かべて立っていた。


「ふふふ、お嬢さま。わたくしたちは平民ですから、細かいことはどうでもいいのです。それにおめでたいことは早いほうがいいじゃありませんか。これでお嬢さまにお子さまがいつ生まれても、わたくしは乳母を務めることができます」

「マリーったら」


 今度はディアナの方が、嬉し恥ずかしバツ悪しといった表情を浮かべる羽目になった。

 ディアナは貴族なので、順番を守り、無事妊娠した。


 意外なことと言えば、マリーやディアナのおめでたに影響されたのか、独身を貫くかと思われたアレックスが結婚したことだ。

 婚約破棄騒動に巻き込まれた侯爵令嬢をしれっと妻として迎え入れて周囲を驚かせた。


 カナン男爵家も、レーアン子爵家も、子宝に恵まれて。

 ディアナの周辺はあっという間に賑やかになった。

 

 マリーは男の子と女の子を1人ずつ産み、アレックスは1人息子の父となった。

 ディアナとサミエルは、2人の男の子と1人の女の子に恵まれた。

 マリーはディアナの子の乳母となり、子どもたちはまるで兄弟のように育っている。


 ディアナたちが子どもの頃によく行った公園は、ディアナたちの子どもたちがよく行く公園になった。

 カナン男爵家からは近い公園は、アレックスの妻の実家からも近かったのだ。

 子どもたちが転がるようにして遊んでいるのを眺めながらディアナは呟く。


「こんな日がくるなんて。私、いまとっても幸せよ」

「僕もだよ」


 子どもたちが賑やかに遊ぶのを眺めながら、ディアナとサミエルは唇同士が軽く触れるだけのとても甘いキスをした。


~おわり~

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