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あとがき


最後までお読みくださり、本当にありがとうございました、白刀妃です。

まだ最終話をお読みになられていない方は、どうか最終話を先にお読み下さい。白刀妃です。

いきなりあとがきをお読みになられるタイプの方は、どうか本編もお読み下さるとありがたいです。白刀妃です。

ありがとうございます、ありがとうございました。白刀妃です。

皆様の応援で支えられて最後まで書き切る事ができました、皆様の皆様による皆様の為の白刀妃です。

延々これを続けると選挙カーになってしまうのでこの辺にいたしますが。


さて、私が突然「小説を書きたい!」と思ったのは3年前の事でした。

とある小説を読んでいると、おこがましくも「自分ならこう書くのに」という思いが湧き上がり、一度書いてみようと色々設定を考えてみたのです。

主人公に名前を付け、設定を決めて、物語の構成も正直丸パクリで考えていたのですが、その小説は戦争に巻き込まれる王女の話だったのです。そして、あの戦争が起こりました。


当時の私は戦争をいかに軽く見ていたのか、ガチな戦争、略奪、人の行う最もおぞましい行為を山ほど目にしてしまい、その小説が書けなくなってしまいました。

現実に打ちのめされてしまった私は、一旦その小説を書くのを止めたのですが、書きたいと湧き上がった気持ちはどこかにぶつけたくなり、何か無いかと思っていたところ、とあるアニメに出会ったのです。


そのアニメはギャルでありながらガチオタクであり、コスプレを夢見て服を一生懸命作ろうとするもなかなかうまく行かない子が、本当にそのコスプレ服を作れてしまうスパダリの同級生と出会うお話でした。

自分の好きなものに真っ直ぐで、人の好きなものを否定せず、日々を明るく真っ直ぐに生きるその姿に、「ギャル」って良いなぁと思ったのです。

では、そのギャルと真逆に位置する存在ってなんだろうと考えてみると、「悪役令嬢」ではないかと思いました。


本来なら国内最高峰の貴族令嬢、膨大な人員と多大な費用で完璧に教育され、清く正しく美しく育てられ、黙っていれば婚約者と普通に結ばれるはずの最高の貴族女性。

しかしながらお話の都合に縛られ、全く欠点が無くてもお話の都合で何故か聖女とかに婚約者を奪われ、

あるいは妙に性格を悪くされてしまい、その為に自ら破滅へと向かう事を運命づけられてしまう悲劇の存在。

常日頃「どう考えても普通にしてれば普通に相手と結婚できたよねぇ?」とか思っていた私は、「悪役令嬢」と「ギャル」を足して2で割ればちょうど良くなるのでは?と考え出したのがロザリアでした。


悪役令嬢でありながらギャルなので身分の差など全くおかまいなし、自分がやりたいと思ったことはとにかく実行して周りを巻き込む迷惑な存在。これも1つの悪役令嬢の形なのでは?

と、この話ならばリハビリというか、練習がてら書けると思い、書き始めたのです。

まさかそれが2年も続くとは思いませんでしたが。そして完結まで120万文字をいきなり書く事になるとは。すいません、ちょっと盛りました。115万文字です。

いずれにしても、ど素人が書く文字数じゃないですよねこれ。


ですがその船出は困難を極めました。何しろ1話を書くのに1月もかかってしまったのです。

あのたった1話を書き上げるのに何度も何度も書き直し、1から小説を書く為にのたうち回りました。

小説ってどうやって書いたら良いの?何を描写したらいいの?これで本当にいいの?と、数秒で読み進められるはずの1Pに、世の小説家の方たちはこんなにも苦労してるのかと思い知らされました。


仕方ないので手近にあった小説を参考に描写の仕方等を真似して、できるだけパクらないように書いたのですが、まーそれでも大変でした。

何とか第一章を書き上げた時には結構な時間が経っており、これ、連載するの無理では……?と思ったものです。

なので第一章とその後の雰囲気がかなり違うのはその為なんですね。なにしろ自分が書こうとしているものってあんまりパク……参考にできるものが無かったので。

そもそもあの一章を見てその後に巨大ロボットやロザリアが神になってしまう話になるとは誰も思わないと思います。自分で読み直してみて温度差に風邪ひきそうでした。

後々の事を考えたらもう少し一章は書きようもあったよなぁと後悔は尽きません。ですがこれが私の全身全霊の産物です。


さて、第一章の2話でロザリアをアデルに「マジごめえええん!」と泣いて謝らせた時、私の中で何かが終わってしまいました。私の中ではあそこで出オチしてしまったのですよね。

これはいかん、と最後までの構成を考えた時に、ラストをどうするかというと、普通なら結婚して終わらせますよね。

ですが私はどうせやるなら行き着く所まで行こう、それでこそ悪役令嬢だろうと。

悪役令嬢に何を求めてるんだお前は、と言われそうですが、その時考えついた言葉が『悪役令嬢神』、神にしてしまおうと思ってしまったのです。本当に何を考えてるんだ私は。


ロザリアを神にしますか?

 いいえ

→はい


このたった一つの選択で2年間近く小説を書くことになるとは。人生選択を間違えないように皆様もお気をつけ下さい。そもそもそんな選択肢が出てくるのがおかしいとおっしゃる? 返す言葉もございません。

そして、次に思いついたのが、聖女の子と一生懸命悪役令嬢としての高笑いを練習するロザリアの姿でした。それが第16章冒頭のお話です。

色々行き詰まった私は、何を考えてるのかそれをプロローグとして投稿した事もありました。

ですがそのお話が出るのはどう考えても1年以上後の話、しかもわりとおふざけ目の内容だったので、

一章を読まされた直後にこの内容のプロローグを読んだ読者はどう思うか考えろ、ふざけるなら最初からやれ、途中でわけのわからない事をしたら読者が混乱するだろと師匠からガチめの説教をされました。


考えてみれば、一冊2000円のプロ作家様の単行本であろうが、ど素人の私が書いた文章であろうが、読んでくださる読者様にとっては同じだけの人生においての大切な時間なのです。

もしも私が書いた小説を読む事で、人生の何十時間をいただいた時、私はそれに見合うだけの面白さを提供できるのだろうかと怖くなったものです。


最後まで読んで下さっていかがでしょうか、面白かったでしょうか、普通だったでしょうか、つまらなかったでしょうか。

願わくばせめて普通でありたいと思うばかりです。



さて、せっかくなので制作途中の小ネタでもいくつか。

まず初期設定で一番変わったのはアデルなんですね。アデルは最初アーニャという名前で、本名アナスタシアのはずでした。

いやアナスタシアの愛称はナーシャだろと突っ込まれるかも知れませんが、そんなん知るかわしゃアーニャと名付けたいんじゃ、これで行くぞと本当に行くつもりだったのですが、直前に同名のキャラを知り、なんか人気出そうだなぁと名前を変更いたしました。

今思えば危ない所でした。まさかあんなに大人気のキャラになるとは。

そして、元々はアデルがグリセルダに身体を乗っ取られ、ロザリア達の敵になるはずだったんですね。しかしロザリア・クレア・アデルの3人の組み合わせが心地よすぎて、これを引き離してしまうと私の中で物語が成立しなくなるなぁ、と、あっさりと破られる展開に変更いたしました。


なのでその影響を受けたのがドローレムです。最初は途中で退場して終わりの予定だったのですが、アデルと絡ませてみるとこれが実に馴染む。愛着がわいてしまってレギュラーキャラに昇格しようかと思いましたが、グリセルダ復活の為に退場させざるを得ず、ラストで無理やり復活をねじ込みました。別世界で本当に姉妹だったという設定を無理やり追加してでも生き返らせたかったんです。

ドローレムを死なせた時は本気で凹みました。ネームドのキャラを殺したのが初めてだったというのもあったのですが、しばらくは喪失感が凄かったですね。

もうこの子は物語に再登場する事は無いんだ、と、

再登場するにしてもきちんとした手順を踏まないと出てくる事は無いんだと。

登場させたキャラに対する責任感を恐ろしいほど感じました。


もう1人の主人公とも言えるクレアは、実は最初はそれほど思い入れもなく適当にクレアという名前を付けたのですが、2023年冬のアニメでクレアという悪役令嬢が出た時は吹きました、

同級生だけど後輩キャラという位置づけにして以降は、時おり暴走させるのが物凄く楽しかったです。

けれどそれでも裏設定を書ききれず、きちんとお話を描けただろうかと今も色々と心残りです。


レイハも書いてて楽しかったですね。彼女にも色々と設定を考えていたんですが、生かしきれなくてすみません。リュドヴィックの産みの母親、国王と正妃とレイハで4人の話も実は物凄く書いてみたいです。


グリセルダは、一番立ち位置に迷い、動きまくりました。最初はもっと悪逆非道な感じで考えてたのですが、色々と考えていくうちになぜか間が悪く、妙な目にばかり逢わされる不憫系キャラになってしまい、最終回も見えてるのにBL(ボーイズラブ)本書き出した時は本当にどうしようかと思いました。


グランダイオーも書いてて楽しかったです。ですが武装を色々考えてみると、どうしても立ちはだかるのが例の鉄の城(マ◯ンガーZ)なんですね。一生懸命武器を考えてみると、必ずあの人のと被るんですよ。何なのあの人、

せめてもの抵抗で、意地でもロケットパンチは出さないようにのたうち回りました。天才過ぎるだろあの武器、もうそれだけでお話を作れるわい。『ロケットパンチ悪役令嬢』とか。

恐ろしい事にもう存在してるんですよねこれ。ちっ、先を越された。


物語を書くにあたり、私にはいくつか書きたいシーンがありました。先程書いた悪役令嬢の高笑いの練習をするシーン。そして深い地下迷宮の奥底で、巨大ロボットを操って魔獣と戦う悪役令嬢。そしてラストシーン、神になって皆の前から姿を消す悪役令嬢。

どうやったらこれを1つのストーリーにできるんだと本気で悩みました。今考えると本当にどうかしてますね、書かなくても良かったはずなんですが。

なので婚約者であるリュドヴィックがどうも影薄いのは、このストーリーを終わらせるだけで手一杯で、絡ませるだけの力量が私に無かったせいです、すみません。

色々決めてどうにかこうにかストーリーめいたものを作り、この構成通り書けばまぁ1年くらいで終わるだろうと思っていたら。終わってみると2年が経っておりました。


書いてる途中は本当に無我夢中で、週に3日、2日に1度の更新もこれが手一杯の状態だったんです。

よくエタらせる作者に対し、無責任だなちゃんと最後まで終わらせろよ、自分が始めたものは終わらせろよと常々思っていた私は、書いてみてようやくその気持がわかりました。


こんなにも大変だったんですね。


こんなにも疲れるものだったんですね。


そして、


こんなにも面白いくて楽しいものだったんですね。


小説を書いていて私は、まるでオープンワールドPRGをプレイしているようだと、しかも世界で誰一人プレイした事の無いゲームをプレイしているようだと感じました。

どこにでも行ける、何でもできる、自由度は無限大。しかしながら私の想像力、描写力は有限。なんじゃこの自由度無限大なのにプレイヤーは制限付きまくりなゲームは、と、実力の程もまた、思い知らされました。


でも、書き上げて思う。本当に楽しかった。

とはいえ、色々と伏線はっておきながら放置したままの部分が多いのも否めません。大公爵に関しては裏設定もあったんですが、2があればそっちで使おうと割り切りました。

終盤で東にある『帝国』も攻めてきて戦争状態になったりして、そこに大公爵が暗躍する感じだったんですが、絶対収拾つかなくなって話をまとめられなくなると思ったのです。


大公爵とフェリクスの因縁も横道に逸れかねないと削りまくりました。本来は彼の過去編も丸々一章分あるんですが、はっきりいって蛇足だろうなぁと、削りに削って一話にまとめたのはちょっと惜しかったかも。


あと、本気で本編止めてレイハのスピンオフか過去編も書こうと思ってました。レイハも動かしていて本当に楽しかったからなんですが、ある意味この小説の最強の師匠キャラですので使い所が難しかったのなんの。どこかで思う存分書きたかったんですね。

まさか自分が途中でスピンオフ小説書き始めて本編を放置したい、何なら主人公のロザリアも放ったらかして別のキャラで話進めたい、過去編書きまくりたい、と思う事になるとは思いませんでした。


けれど読者様達が読みたいのは本筋であって、まずはそこに辿り着かないとと誘惑から必死で逃げました。

初志貫徹の為にも、途中で最終話を書き、そこから逆に終盤のストーリーを10話くらい書き下げておくというわけのわからない事をしたのも、今となってはラストがブレなかった糧になったと思います。

その代わりに、ライブ感だけで書いて行ったストーリーとの整合性を取る為に地獄を見ましたが。

一月くらい書けなくなってストックしていた話がガンガン削れてゆき、残り2話くらいまでになった時はどうしようかと思いました。



ここで小説を書こうと思ってらっしゃる人たちにちょっとアドバイスを、

●『何か』と戦う物語を書きたい時は、敵の組織を予め用意しておくとストーリー進める上でめっちゃ便利だぞ!特に魔王軍とか!戦ってる相手が何もしなくても明確だからね!

●世界が滅びそうな状況だと主人公達の普段の描写を物凄く物凄く悩むぞ!時限爆弾が爆発しそうなのに平然と生きてるというおかしな事になるからね!

●「フフフ……、奴は魔王軍四天王の中でも最弱……」と突然何人かの幹部が出てくるあれ、物凄く便利だぞ!それだけでキャラ立ってるからね!

 ストーリーの途中で一からそういうキャラを作り出して敵役に配置していくのって、物凄く物凄く物凄く面倒くさいぞ!

●異世界でも1日は24時間で1分は1分と割り切ったほうが楽だぞ!変にこだわると時間経過の描写が物凄く物凄く物凄く面倒になるから!距離だって1kmは1kmで良いんだよ!

●ギャルっぽさを出そうとするなら可愛いものとか可愛いものとか可愛いものの中に叩き込まないとギャルっぽさがすんごい出しにくいぞ!

●最初に書く小説は短編の方が良いぞ!いきなり壮大な物語書こうとしたら物凄く物凄く物凄く大変だぞ!でもどうしても書きたいなら……がんばれ!やればできるぞ!



とにもかくにも一旦終わらせる事ができて何よりです。

続編はできれば書きたいと思っているのですが、ネタを正直使い切っておりまして。次はロザリアが2年生の話か、3年生になってアデルとドローレムが魔法学園に入学してきて、ロザリア自身も結婚秒読みとかだと思います。


とりあえず次はもう少し短い別の物語を書こうと思っています。

あと、ニッチ過ぎる題材だとなかなか読んでもらえないのもあるので、もう少しメジャーでよくある小説にしようかなぁと思っています。

「ギャル」「悪役令嬢」で検索するとこの小説がトップに出るくらいニッチ過ぎましたので。


ダラダラとあとがきを書いてしまいましたがこれにて、

最後まで読んでくださり、本当にありがとうございました。


次回作、『デコトラ悪役令嬢』でまたお会いいたしましょう。

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