1章のあらすじ
ある日、15才の侯爵令嬢、ロザリア・ローゼンフェルドは目覚めた瞬間に前世の記憶を思い出した。
きっかけは自分付き侍女のアデルが階段から落ちそうになった所を、助けようとして自分が落ちたからだった。(第1話)
思い出した記憶は「前世の自分は、平成を生きたニチアサ番組好きのギャルだった」というものだったので、
前世の真面目だが割と適当な所のある性格と、今世の真面目だが様々な鬱屈から悪役令嬢となりかけていた性格とが混ざり合ってしまった。(第1話)
その結果、ロザリアは自分を気遣う侍女アデルに対する、これまでの自分自身の仕打ちがどうしても許せなくなり、素直にアデルに泣いて謝り、和解するのだった。(第2話)
同様に屋敷の使用人達にも謝罪し、これまでの自分のやらかしを取り戻すべく、屋敷の雰囲気改善に奔走する。(第5話)~(第8話)
その過程で、この世界は乙女ゲームと同じで、自分はいずれ「悪役令嬢」と呼ばれる存在だ、という事にも気づくが、どうしようもないので、とりあえず放置する事にした。(第4話)
1月あまり後に、それを聞きつけた婚約者の王太子リュドヴィックが自宅を訪れる事になり、大慌てで準備をする事になる。(第9話)(第10話)
そして、やってきたリュドヴィックの美形っぷりに、前世でも今世でも男性にあまり縁の無かったロザリアは一目惚れをしてしまうのだった。
だがリュドヴィックの方は、ロザリアに全く興味を持っていない様子で、ロザリアの母親の病の為に、医者を連れて来たという事だった。(第11話)
そんな状態なので、リュドヴィックと二人きりになってもうまく行くはずが無く、途中解散という結果に終わった。
戻る途中のロザリアは、アデルに甘えて凹んだ気分を変えようとしていたが、それをリュドヴィックに見られてしまう。
リュドヴィックは何故か突然ロザリアに興味を持つようになり、ロザリアにあれこれとまるで求愛のような行動を取り始める。(第12話)(第13話)
あまりの変わりようにロザリアは付いて行けず、放心状態になるのだった。(第14話)
その夜、ロザリアは夢の中で、かつて自分がリュドヴィックを好きだった事、幼い頃にリュドヴィックを拒絶するかのような態度を取ってしまっていた事を思い出す。(第15話)
リュドヴィックの方もまた、幼い頃の経験から女嫌い、政治的に利用され過ぎたので人間嫌い、と色々抱えこんでいたが、
侍女とじゃれ合うロザリアの高位貴族令嬢らしからぬふるまいを見て、ロザリアに対して興味を持ち始めたのだった。(第15.5話)
そしてリュドヴィックはロザリアの家に何度も赴き、しまいには居心地が良いので入り浸ってしまう、
ロザリアとリュドヴィックが心を通い合わせる中、ロザリアが魔法学園に入学する日を迎えるのだった。(第16話)(第17話)
登場人物
●ロザリア・ローゼンフェルド
主人公、グランロッシュ王国の侯爵令嬢、15才。
性格は真面目で一途だが、王太子妃教育の重圧から心のバランスを崩し、『悪役令嬢』になりかけていた。
前世の記憶を思い出してからは、前世の割と適当な性格が混ざり、かなり穏やかになった。
一方で、前世の影響で、か弱いものを助けるのはためらわないという部分が強く出るようになった。
逆に、前世のギャルっぽい言動は抑えめになっている。
言動は貴族令嬢であっても、心の中はギャル語で考えていたりする。
転生時の”チート”で、その場の状況・情報を”世界の声”として聞くことができる。(第3話)
●リュドヴィック・グランロッシュ
ロザリアの婚約者、グランロッシュ王国の王太子、17才。
天使のように美麗な見た目ではあるが、人間不信と女性嫌いからあまり他人に関心を持たなかった。
ロザリアと再会してからは、ロザリアの高位貴族令嬢らしからぬ性格に興味を持ち、執着するようになる。
●クリストフ・アルドワン
リュドヴィックの側仕え、24才。
弟がリュドヴィックの乳兄弟という事から、幼い頃からリュドヴィックの兄代わりとなっている。
基本的に実直な性格ではあるが、色々めんどくさいリュドヴィックの性格に、たまに内心ブチ切れている時がある。(第15.5話)
●アデル
ロザリア付きの侍女、13才。
真面目で有能だが、割と皮肉屋で毒舌。
常に仏頂面だが感情が無いとかではなく、単に素の顔がそうというだけらしい。
●マティアス・ローゼンフェルド
ロザリアの父、グランロッシュ王国の侯爵にして宰相。
誠実で厳格だが、娘には甘い。
娘にあまりにも重荷を背負わせてしまっていたので、良かれと思ってさせるがままにしていた。
●フロレンシア・ローゼンフェルド
ロザリアの母
病がちで、おっとりした性格。
●ハンス
ローゼンフェルド家の執事
親子代々で使えている。
●アレクサンドラ
ローゼンフェルド家の侍女長
以前はロザリアの母の侍女を務めていた。