俺、旅行の計画を立てる
色々考えましたが、どうなる……?
13話です
「はあ……」
俺は智華に学校でまたことごとく誘いを断られしまった……。今まさにその砕けた後の帰り道である。かなり頑張ってしたのに、やはりショックだな……。事の発端はこうだ。
◇◇◇
「友美~……」
「なによ?」
数日前にいつもの喫茶店で俺達はのんびり本を読んでいた時である。俺は友美に智華の知らない一面を知ってるか訊いてみた。
「親友として近くにいて、周りがあまり知らなさそうな智華の好きなこととかあるか? 俺が知ってる範囲だと、アニメとJ-ポップス、あと旅行ぐらいなんだよな」
「へぇ~、なるほどね~。やっぱり幼馴染だけど、智華とはそういう話しかしないかー。ま、当然よね~」
「な、なんだよ……? 一応言っとくが、変な内容はなしだぞ? また怒られちまう」
「ふふ、分かってるわよ。良い? 智華はね、かなりの2.5次元ミュージカル好きよ」
「え? 2.5次元ミュージカルってアニメの舞台化したやつか?」
「うん、そうそう。かなり好きみたいね。しかも美南レン君をかなり推してるわ」
「へ~、そうなのかー! そこまで深掘りした話をしたことなかったな~。ついでにどんなやつだ?」
「ちょっと待ってね。……あ、これこれ」
「………相変わらずイケメン細マッチョ好きなんだな」
「ふふっ、そうみたいね。あと他にはアニメの聖地巡礼とか」
「あー、なるほどっ。そういうの良いな。それなら入手困難なチケットとか取る心配なさそうだ」
「えー? それぐらいなら貴方は男なんだから、張り切ってやってみなさいよ!」
「えぇー!? それってかなり難しんじゃないのか!? せめてこれぐらいに……」
そう言いながら俺はあーだこーだとアイデアを出して友美と作戦会議を行った。彼女にかなり却下されたが、30分経つとそれなりの形になった。
「まあ、それぐらいなら多分喜ばれるレベルなんじゃない?」
「おぉ! それじゃあやってみるか!」
「まあ、頑張ってみてね~」
それからの俺は練った計画を遂行するために、かなりの労力を要したのであった。そして準備が整った次の日の昼休みに俺は智華を遊びに誘ってみた。
「智華っ」
「どうしたの涼馬……? そんな凄んだ顔して?」
「お前旅行好きだろ?」
「え? えぇ、勿論好きだけど……」
「『ミ・ナ・ト』ってアニメがあるんだけど、そこに出てきた描写がかなり凝ってて結構綺麗なんだよ。だからそこまで一緒に行かないか?」
「いつなの?」
「えーと、今週末の予定だよ」
「いや、それなら無理ね」
「是非智華に見てほし…………え?」
「その日、もう他に遊ぶ約束してるから」
「えーーーー!!!??」
俺は驚きのあまり教室のど真ん中で、大声を出してしまった。
「ちょっと、うるさいわよ!」
「そ、そんな話訊いてないぞ!?」
「いや、なんでそこまで涼馬に言わないといけないのよ!?」
「断れないのか!?」
「え!? そんなことは無理よ! 限定パフェの予約をもうしてるから!」
「えぇ……マジかよ……。折角俺は栃木まで行って、下調べまでしてきたのに……」
「え!? 栃木ですって!? そのアニメ栃木が舞台なの!?」
「あぁ、そうだぞ。栃木までならここから電車で近いと思って」
「近いですって!? ここから栃木まで何時間かかると思っているのよ!?」
「大体2時間ぐらいだな」
「十分遠いわよ!」
「それにたくさん回るの見越して、ホテルまで予約したのに……」
「はあ!? やり過ぎよ馬鹿っ!」
「えぇー……。まじかよ……」
「高校生二人で遠くの旅行先にあるホテルで泊まるなんてまだ出来る訳ないじゃない。それに……」
「……?」
「まだ二人っきりで遊べるほど涼馬を許した訳じゃないんだから、ねっ」
彼女は俺のデコに指でピンと弾いた。
「ひてっ……」
「じゃあ、ホテルの予約ちゃんと断っといてね」
「………そんで、その日に一体誰と遊びに行くんだよ?」
「友美とよ」
◇◇◇
家に着いた俺は自転車を敷地に入れながら、グチグチと一人愚痴た。
「ったく、友美のやつ。俺が計画立ててるの知ってるのに、その辺りになんで智華と予定をうまくいれるか……」
「私がなんだって~?」
「わっ、友美!?」
なぜか俺の後ろに友美がいた。
「へぇー、結構コンパクトな家に住んでるんだ~」
「い、いつから……?」
「学校からよ。ずっとぼーっと自転車でゆっくり漕いでたから」
「あっ。ちょっと俺の部屋に来いって」
「え? 何?」
俺は彼女の手を引っ張って部屋に連れて行く。そして彼女はやたら興味津々で俺の部屋を見渡すが、そんなことはどうでも良い。俺は単刀直入に訊いた。
「どうしてこの土曜日に智華と遊ぶ予定を入れたんだよ?」
「あ~、智華から聞いたんだ。私の部活とお店の具合とがうまくいったからよ」
「それだけか?」
「それだけよ」
「そうか……」
マジか……、凄い偶然だな……。
「で、話はそれだけ?」
「え?」
友美は俺の布団の上にポンと座り、それをペタペタと触る。
「折角こんな可愛らしい女を自分の部屋に連れ込んでおいて、何もないのかしら~?」
「は……なに言って?」
「男のくせに、意気地なしなんだから~」
友美からの明らかな挑発だったが、俺はなにも応じなかった。ただ体はかなり熱くなったので、ブレザーを床に脱ぎ捨てて、どしっと床に座った。そして彼女は俺のベッドへ横になり、足をバタバタさせる。
「何か面白いこと起きないかな~?」
「……」
とその時だった。ドアにノック音がする。
「涼馬~、ちょっと入るわよー」
「え、智華っ!?」
最後まで読んで頂きありがとうございます。
ブックマーク、評価を頂ければ励みになります。




