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転生者は世界を紡ぐ  作者: 金剛 奏
8/11

第7話

  不意に表れた「小人族」という単語に俺は考えを巡らせた。何しろ町で買ってもらった本にはそんな単語は書かれていなかったからだ。開拓村にいるときですらこんな具合じゃ、外の世界を見ることになった時には度肝を抜かされていることだろう。

 さて、【鑑定】に書かれてあるこの内容から察するに、この近くではどれくらいの時間がたっているのかわわからないが、以前は小人族が住んでいたということだ。小人族というという名前から背は小さく、ある程度の知能があるんだと思う。多分人間と似たようなものなんじゃないか? だとしたら少し会ってみたい気もする。人間を食って生活をしていない限りはある程度のコミュニケーションは取れると思う。それにもし仲間にすることができれば、俺のスキルの強化にも繋がる。

 ただ、小人族を探すとなると今までに一度も見ていないという点から、少し遠くへと行く必要がある気がするが、そうなると親の目をかいくぐることができなくなってしまう。


「このままだと村を出るのにまだまだかかりそうだし、そろそろ行動を起こさないといけないタイミングなのかもな。クラスのみんなも探さないといけないし。」


 俺は次の行動を起こす覚悟を決める。今の生活を続けていてもできるのは精々スキルの熟練度を上げることと、農作業系のスキルの発現くらいだと思っている。村の人口もしばらくは増えないだろうから、新しいスキルも望めない。ならばやることは一つだろう。



 夜、俺は食事の時に父さんと母さんに話を切り出した。


「父さん、母さん、実はお願いがあるんだ。」


「どうしたんだ、いきなり改まって。何か欲しいものでもあるのか?」


父さんと母さんはいつも通りの感じで返してくる。しかし、この一瞬の間で二人も自分の息子がなにか大事な話をしようとしていることに気が付いたみたいだ。


「どうしたの? 言っていいのよ」



「実は、僕を父さんたちの狩りに連れて行ってほしいんだ。」


 俺はまだこの世界に生まれてから4年しか経っていない。正直、こんなことを言っても軽く流されて終わりになるんじゃないかと思っていたが、二人の顔を見てみるとかなり真剣そうに考えている。


「いま、どれくらいのスキルが使えるんだ?」


「え?」


 父さんからの思いがけない問いに、俺は面を食らったかのような間抜けな声を出す。


「だから、今どれくらいのスキルが使えるんだ? レオは気づかれてないと思っていただろうが、さすがに親の目をだますことはできないぞ。冒険者をやっていた人間からすると、魔力を見ればわかっちまうんだ。毎日夜にたくさんの魔力を消費していたみたいだし、昼間に森に行っていたのはスキルの練習とかだろう。それにレオはまだ魔力の隠し方を知らないからな。簡単に分かったさ。」


どうやらスキルの練習をしていたことがばれてしまったみたいだ。まさか魔力でばれてしまうとは考えもしていなかったが、よくよく考えればそういう見分け方もあるんだなと感心する。


「毎日魔法を練習しているってことはスキルの獲得を目指しているか、今の自分のスキルを成長させるかだ。レオが最初に手に入れたスキルは他の人に対して使うものだから、使う相手がいなければスキルは成長しないからな。ということは新しいスキルを使えるようにしているんじゃないかってことだ。」


 素晴らしい考察だ。やっぱり元冒険者ということもあるのか、お父さんの勘はかなり鋭いようだ。スキルを新たに使えるのはもうばれているみたいだから、どういうスキルが使えるかぐらいは嘘も交えないといけないな。


「あはは、ばれちゃってたのか。お父さんの言う通り、新しいスキルが使えるようになったんだよ。最初から持っていた【後方支援】に加えて、【剣術】【炎魔法】【農作業】の三つが使えるようになったんだ。」


 別に家族を信用していないわけではないが、すべて明かす必要もないと思う。地球に居たころに読んだこの手の本でも正体はみんな隠していたしな。

 話を聞いていたお母さんがそこで初めて口を開いた。


「まあ! レオはやっぱり天才なのね! こんな短い間に3つもスキルを使えるようになるなんて! 普通はもっと時間がかかるものなのに。しかもまだ4歳なのに!」


 母さん、ごめん。俺は天才でも何でもないんだ。ただ前世の記憶があるだけで、天才なわけじゃないんだ。そんなことを知るはずもない母さんは僕のことを高く買ってくれる。


「それであなた、レオはこう言ってるけど、どうなの? 危ないなら連れてっちゃダメよ?」


「んー、確かにこの短期間に3つもスキルを手に入れているのはすごいことだが、ないことでもないしな。それに狩りに行っても使えそうなスキルは【剣術】と【炎魔法】ぐらいだしな。もちろん、レオの【後方支援】ってスキルも破格の強さだが、自分の身を守ることはできないしな。」


 さすがの母さんでもやっぱりわが子を危ないところに連れていくのはいやみたいだ。父さんもこう言っているみたいだし、連れて行ってもらうにはもう一押し必要みたいだ。


「つまり父さんは、僕が自分の身は自分で守れるぐらいじゃなきゃ連れていきたくないってことだよね?」


「まあそういうことだな。それなりの実力があるならまったく構わないが。」


「そういうことなら、試しに僕のスキルを見てみてよ。」

投稿遅れて申し訳ありません!!

お恥ずかしことながら、リアルでうまく時間が取れず各時間が確保できませんでした。

もしかしたら今後もこういうことがあるかもしれませんが、温かい目で見守っていただけると幸いです。

また、一話ごとが短いので、もう少し長くしてみようかと思っています。

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