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09,

いつの間にか総合評価が1500超えてました!

しかもブクマも500を超えていてビックリ!

読んでくださっている皆様本当にありがとうございます!

 レンガの家に本格的に住み始めることになってから早一週間。

 私はまた内職を始めた。

 さすがに何から何までお世話になる訳にもいかないし、人のお金で食べるご飯は美味しいけどなんかちょっと心苦しい。

 なので、前もやっていた刺繍やらの内職を再開しようと思った。


 一応若紳士に内職の事を相談する。

 きっと本当の事を伝えると気にしなくていいとか、のんびりしていてくださいとか言われそうだったので、内職がしたい!ただただ内職がしたい!と伝えた。

 若紳士は少し考えた後に頷いてくれた。


 お金溜まったら皆に何かプレゼントしようかな?



 ◇◇◇◇◇◇◇◇◇



 私がやっている内職では、ハンカチや服に刺繍を施したり、ボビンレースを作ったりしている。

 洋服店に刺繍を施す服とかを取りに行って刺繍をして期限以内に届けに行く。

 刺繍は結構大変なのにハンカチ一枚やってもパン三つ買えるかどうかのお金しか稼げない。

 なので私は主に服に刺繍する。ハンカチは息抜きしたい時とかにしている。

 服は刺繍範囲が広いけれどこっちはパン十個とか二十個とか買えるお金を稼げる。


 施す位置は決められているけれど施す刺繍は自分で決めていいことになっている。

 ただ、刺繍の出来でお給料が決まる。

 凄ければ凄いほどお金が貰えるので私はいつも一枚の服に四日ほどかける。

 お店に言い渡される期限はいつも大体一週間~二週間ほど。

 なので沢山できたとしても四枚ほど。


 これだと全然稼げないので副業?みたいなのもしている。

 刺繍の内職と同じ服屋さんからボビンレースの作製の依頼を受けている。

 ボビンレースを作れる人がほとんどいないらしくかなり重宝されている。


 ボビンレースを一枚作るのにかなり時間がかかる。刺繍とかも同時進行でやっているので一ヶ月に一枚出来ればいい方。

 今月は何故か刺繍の内職がなく、ボビンレースの依頼しかされていない。が、一ヶ月以内にボビンレース(大きめ)を依頼されている。

 なので今ボビンレースの作製を急いでやる。


 それなのに、全然手が進まない。

 何故かって?それは······



「すごいですね、、、レースとはこうやって出来てるのですか、初めて知りました」



 ずっと若紳士にレースを編む手を見られてるからよ!

 ボビンレースの道具の一つに釘ににた道具があるのだけれど、それを若紳士に見つかって

「貴方が怪我してしまうかもしれない! そばで守らせてもらいます」

 とか言われてしまった。ちょっと何言ってんのか分かんない。


 人に見られてするのはなんか恥ずかしいし手が進まないので一度断ったのだけれどダメだった。

 仕方なくレンガの家よりも落ち着けそうなログハウスに移動し、

 でっかい暖炉の前にある机に陣取ってレース作りを始めた。

 テーブルは低めのテーブルなので熊の絨毯の上に座る。

 若紳士も私のすぐ横に座った。



「すごい細かい作業ですね、」



 かれこれ数時間は見ていると思う。

 数十分毎にこういう言葉がかかる。

 若紳士の声が耳のすぐ近くで聞こえる。この人結構いい声してるんだよね、耳がおかしくなりそう。

 というか、何時間も見て飽きないのかな?

 作ってる私が言うのもなんだけど私結構飽きてるんだけど。



「ずっと見ていて飽きないんですか?」


「全く飽きませんよ! 見ていてとても楽しいですよ」



 そうなんですか。

 飽きてきたし、キリがいいしで一旦休憩しようと思ったんだけどな、

 なんか休憩しにくい。

 うん、でも、首痛くなってきたし休憩しよう。

 キッチンでお茶とか入れてもいいかな?



「そろそろ休憩しようと思ってんですけど紅茶飲みますか?」


「貴方が入れてくださるのですか?」


「? そうですけど?」

 他に一体誰がいるの?

 まさかとは思うけどメイドさんたち?わざわざ紅茶汲むだけで呼ぶのはダメでしょ。


「火は危ないので僕が入れますよ」



 若紳士はそう言ってキッチンへ行きヤカンに水を入れ火にかけた。

 は?嘘でしょ。貴族って自分で紅茶入れられるの!?

 衝撃事実。

 てっきり火も扱ったことないのかと思ってた。

 少し気になって傍で見てみることにした。

 本当にお湯を沸かしてる!

 しかもポットにちゃんと茶葉まで入れて、



「そんなに珍しいですか?」


 物珍しい目でガッツリ見てしまった。

 その目線に気づいたのか少し笑った声で問いかけてきた。


「す、すみません、つい」


「いえ、構いませんよ。時々自分で入れることがあったので少しできるだけで、他の貴族の人達はお湯の沸かしかたすら知らない人がほとんどですよ」



 やっぱりそうだったんですね、

 この人が異常なだけだったんだ。


 若紳士が入れた紅茶は想像以上に美味しかった。

 メイドさん達が入れる紅茶と同じくらいに美味しい。

 紅茶を飲んで少し話したりのんびりしたらまた始める。

 あの紅茶のおかげか、頭が冴えて一日で結構終わらせられた。

 ただ、ボビンレースって一度始めたら、途中で手を止めたりするとこんがらがっちゃうのでこのボビンレースが仕上がるまではこのログハウスに泊まることにした。


 もちろんその間私一人で泊まれるはずがなく若紳士も一緒に泊まる。

 メイドさんたちはいつも通りレンガの家で過ごすらしい。

 なのでこのログハウスには私と若紳士の二人きり。

 私一人でも全然大丈夫なんだけどな······


ボビンレースすごい綺麗ですよね

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