07,
【お知らせ】
昨日スマホがぶっ壊れたかもしれません。
夕方調べに行くのですが、もし、2、3日更新されなかったら、
『あ、壊れてたんだな〜今修理中か〜』
って思って下さい。
「ギャァァァァァァァァァァア!!!!!」
いるはずがない人物がいて今までにないぐらいの大声で叫んでしまった。
なんで、あの人がいるの!
ご婦人じゃないだけマシかもしれないけど、いや、全然マシじゃないけど。
あのご夫人の血が入った人が隣にいるんだよ?
この馬車はギロチン行きになっちゃったの?
ていうか、なんで私だってバレたの?
変装してたはずだよね?
いや、まてよ、変装してるんだからまだバレてないのでは?
現に、まだ名前とか呼ばれてないし、ただたんに起きたから声かけただけでは?
バレるはずがないか。
だって変装で性別変えてんだから。
「あ、そういえば、先程こちらを落としていましたよ」
狼狽えていると、若紳士は見覚えのある茶色のカツラを手に持ち話しかけてきた。
慌てて自分の髪を触る。
が、そこに長い髪はなく、あるのは短い髪の毛。
良かっった!カツラ取れてなかった!
ん?じゃあこの人が持ってるカツラはなんなの?
「あと、コレも」
私が黙っていると、左手に見覚えのあるトランクを持ち私に見せてきた。
あ、これバレてる。
やっぱりこの馬車はギロチン行きみたい。
「貴方様はそんなに家の別荘で住むのが嫌ですか?」
捨てられた子犬みたいな顔で尋ねてきた。
嫌とかそんなんじゃなくて、なんで旦那の不倫相手の家の別荘に住まなきゃいけないんだよ、って考えただけ。
その事を伝えると、「確かに」、と頷いてはくれたものの、
「安心してください。あのローズマリーとか言う女の物は全て父が焼却処分しましたよ」
「それに貴方様に渡す別荘はローズマリーが足を踏み入れたことのない別荘ですよ」
と、
それを聞いてびっくりしたよね、
一体いくつの別荘を持ってんだって。
口ぶりからして二つは持ってんだよね?
ていうか、渡すってなによ。
一番の疑問はそこよ。何ホイホイと家やら宝石やらを簡単に渡しちゃうの?
もう貴族って怖い!
この御貴族様一家の近くで暮らしたくはない!
「気持ちはすごくありがたいのですよ? ありがたいのですけれ」
「貴方様が家に来てくれることを家族一同心待ちにしておりました。中でも一番母が喜んでいました。もし貴方様を別荘に連れていかなければ僕は一体どうなってしまうのでしょうか……」
嘘くさい涙を流し訴えてきた。
でも、その言葉で私の心はかなりぐらついた。
確かに私が別荘に行かなかったらこの人が殺されそう。
私のせいで誰かが死ぬのは嫌だ。
「・・・・・・分かりました。一旦一週間だけ住んでみます。その間にもし少しでも嫌なことがあったらすぐに出ていきます。もし何もなくてこれからも住みたいと思ったらその時はよろしくお願いします」
「ありがとうございます! 必ず貴方様を幸せにしてみせます!」
隅にホコリが溜まっていたとか、料理の味付けが薄いとか言ってすぐに出て行こう。
◇◇◇◇◇◇◇
別荘に行く途中若紳士と結構話した。
話しと言っても私が質問攻めしただけだけど。
あの宿にいた騎士らしき人やこの馬車について。
さっきまで泊まっていた宿には領主様が雇った騎士がいたり、私が変装道具などを買っている間もずっと護ってくれていて、
領主様に私の不審な行動が随時報告されていたみたい。
今私が乗っている馬車は最初からこの若紳士が買い取った馬車らしく、この馬車に乗った瞬間に別荘行きは決まっていたらしい。
最初から逃げることは不可能だったとのこと。
どうしてここまでするのか聞くと、
「貴方様に何かあったら大変ですし、それに母上が貴方様を大変気に入ってしまったのです。」
私は大変な人に気に入られてしまったのかもしれない。
胃が痛い。
もう帰りたい。
そんな私の気持ちとは裏腹に揺れていた馬車が止まり、扉が開いた。
「どうぞ」
若紳士は馬車から降り手を差し出してきた。
嫌々その手を取り馬車から降りた。
馬車の外には私が想像していたどデカい豪邸な家とは違い、普通の平民の家と比べると一回りは大きいけれども、決して大きすぎない家があった。
赤いレンガで作られた二階建ての家。
庭は人工的な庭ではなく、少し整えられているだけでほぼ自然そのまま。
しかも、家の周りには森がある。
「驚きましたか?」
「はい、てっきりもっと大きい家なのかと」
「最初貴方様に渡す予定だった家はもう少し大きかったのですが、あまり派手な物は好きでは無い様子でしたのでこちらにしました。気に入って頂けると嬉しいのですが」
正直言ってこの外観大好き。
でも、大事なのは中身。
使用人さんが沢山いたり、騎士さんが沢山いたり、内装が派手だったら、すぐ出ていく。
もしよろしければ評価などよろしくお願いします