04,
昨日日間ランキングのほうで100位内にランクインしていました。すごくビックリしてしまいました。
本当にありがとうございます!
これからも「貴方の幸せ天国から見させてもらいますね!」をよろしくお願い致します。
今私には叶えて欲しい願いがある。
一つ目は安定した職が欲しい。
私は今内職はしているもののそれで稼げる額は雀の涙程度。
あんな少額だと満足に生活はできないし、一人で一生生きていくためにはかなりの大金が必要だと思うの。
だから働ける今、将来の何不自由ない老後生活の為に貯めておきたい。
二つ目は日当たりのいい家に住みたい。
ずっと宿で暮らす訳にはいかないので仕事が見つかり次第自分だけの家で暮らしたいと思っている。
できれば日当たりのいい所。欲を言えば2LDK以上の広々とした、自然に囲まれた周りが静かな家がいい。
早速領主様にお願いしてみる。
契約書に書いてあるんだから絶対に叶えてくれるはず。
「あの、早速なんですけど二つ程お願いがあるのですがいいですか?」
「もちろんですよ! なんでも言ってください! 全て叶えてみせますので!」
「では、その、一つ目は今職を探しているですがどこかいい所を紹介していただけないでしょうか?」
貴族の紹介ならば変なところではないはず。
それに貴族の人が紹介してくれる職場は給料も良さそうだしね。
さて、この願い叶えてくれるかな?
なんかすごいキョトンとしているけれど。
「職をですか? なぜ?」
領主様にキョトンとした顔のまま言われた。
他の周りのご婦人やら若紳士さんたちも同じ顔をしている。
何故って言われても、、、
お金がまったく無いからなんだけど、、、
その事を伝えると思いもよらない言葉が返ってきた。
「お金が必要ならば私たちがいくらでも用意しますよ?」
は?まってまってまって。
何当たり前ですよ?みたいな顔で言ってんのよ。
ていうか、そこ!周りも首を縦に振らない!
いや、別にお金が貰えるのは嬉しいんだよ?嬉しいんだけどね、私は産まれてからずっと平民だった訳で働いてお金を稼ぐっていうのが普通だったわけよ。
それが急に働かずに言えばお金が貰えるってダメ人間になる未来しか見えないんだけど。
やっぱり職は自分で探そう。
「やっぱり職とかお金は大丈夫です、なかったことにして下さい」
「······そうですか、分かりました。」
なにやら納得いかない様子。
そんなにお金貰って欲しいの?
貴族ってほんと不思議。
領主様に次のお願いをしてみる。
家が欲しい。
家って結構高くて金貨百枚とかするからこれは貰いたい。
平民の平均年収って金貨五枚ぐらいだからローンを組むにしても二十年以上はかかる。
なのでこれは買ってもらいたい。
「二つ目のお願いいいですか?」
「自分だけのゆっくり休める家が欲しいんです。出来れば日当たりのいい所で、2LDK以上の広々とした、自然に囲まれた静かな家がいいです」
はっきり言った。
領主様はそれを聞いて顎に手を当てて考えている。
さすがに家は無理だったかな?
欲張りすぎたかな?
少し続いた沈黙を破ったのはご婦人だった。
「あら、それならいい所があるじゃない! 家の別荘なんて条件にピッタリじゃない!」
ご婦人の言葉に領主様や若紳士たちは「確かに!」「それがいい!」とか言って頷いている。
いや、何も良くないからね。
貴族の別荘っていったらめちゃくちゃ広いじゃん。
管理しきれないよ。
私はそこら辺にある普通の一軒家でいいんですけど、、、
平民にはそれがお似合いだと思うんですけど!
「さ、さすがにそれはちょっと管理とかもできないのでい」
「ダメよ! これは絶対に受け取ってちょうだい! 管理ならメイドたちがいるし大丈夫よ!」
いらないと言おうとしたら勢いよく遮られてしまった。
これは強制パターン?
貴族の別荘に平民が住んでいいものなのか分からないけど本人たちが言ってるんだから大丈夫なんだとは思うんだけど、なんかちょっと落ち着かなそう。
それに絶対ゆっくりできなさそうだし。
黙って考えているとご婦人からの視線がすごい刺さる。
貰ってちょうだいって視線で訴えてきてる。
もう、断るの無理そうだし貰っちゃおうかな、、、
ご婦人だけじゃなく領主様や若紳士たちからの視線も刺さってきたし。
「分かりました、ありがたく頂戴します」
「ありがとう! 本当によかったわ! もしいらないって言われたらね〜どうしようかと思っちゃったわ!」
ホホホと笑っていらっしゃる。
よかった、貰っといて。もしいらないって言ってたら殺されてたよ。
恐ろしい。
「それでいつから住むの? 今日? それとも明日?」
宿に一週間分の代金を払っているので別荘に住むのは一週間後からがいい。
その事を伝える。
すると一週間後にこの宿に迎えに来てくれると言ってくれた。
別荘のお礼を言い領主様たちに今のところはこれ以上お願いはないと伝えた。
領主様たちも別荘を貰ったことに満足したのか笑顔で「分かりました」と言ってくれた。
「それでは私たちはそろそろお暇しますね。宿の方に迷惑がかかってしまうので」
窓の方を見ると空がオレンジに染まっていた。
結構話してたんだな、
領主様たちが席を立ち使用人さんたちも帰り支度を済ませる。
領主様がそれと最後になりましたが と言い私に近づいてきた。
「こちらを。これで許されるとは思ってもいませんし、許してもらおうとも思っておりません。貴方様には一生詫びるつもりです。これはその一部です。お受け取りください」
領主様が持っていたトランクを渡され流れで持ってしまった。
このトランク、見た目の割にすごく重い。
すごい嫌な予感。
トランクを領主様に返そうとすると領主様は 「では、また。」と言い残しそそくさと食堂を出て帰っていってしまった。
食堂に残された私はトランクを机の上に置き恐る恐る開けてみる。中には黄金に輝く大量の金貨がビッシリと入っていた。
あの人たち最初から私にコレを受け取らせるつもりだったんだな。
私がコレを見たら受け取らないって分かって最後に渡してそれでそそくさと帰っていったんだな。
多分、いや絶対にそうだ。
もしよろしければ評価などよろしくお願いいたします