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昨日ランキングを見ていたらこの作品がランクインしていました!
すごいビックリしてしまいました、まさか一日でランクインするとは思ってもいませんでした。
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あれから領主様のお話をかれこれ一時間は聞いたと思う。
とても長かった。すごく眠くなってしまった。
でも寝なかった。
領主様が大泣きしながら、机をドンドン叩いて話していたので。
領主様が語った一時間を一分にまとめるとこうだ。
私の旦那の不倫相手は領主様の四人いる子供の一番下の子、しかも初めての女の子だったので領主様御家族全員、しかも使用人さん達までもがそれはもう甘やかして育てたそう。
大切に大切に割れ物を扱うように育てた結果わがままで、すぐに泣き、人の物を欲しがる子供に育ってしまったらしい。
それは大人になった今でも変わらないらしい。
私の旦那を盗ったぐらいだからね笑
ちなみにここまでの娘さんの過去の話は領主様が話した時間でいうと四十分程、後の二十分は不倫のことについてだった。
娘さんはそれはもう産まれたてのヒヨコかってぐらいに惚れやすかったんだと。
家庭教師さんや、庭師の人、使用人さんetc..。
そしてたまたま街に出た時に会った私の旦那。
いつもは三日で恋が冷める娘さんが今回は三日経っても覚めなかったんだと。
それで領主様たちは今回は本気の恋なのかと思い相手がどんな人か調べたらまさかの既婚者。
娘さんにこの恋はヤメロ!って言っても
「あの方は奥さんを愛してないって言ってた!
私だけを愛してくれると言ってたの! 邪魔しないで!」
と言って聞かなかったんだそう。
正直コレを聞いてすっごい腹が立ってきたよ。
あのクソは私がいない時にこんな事を言ってたんだって。
殴っとけばよかった。
領主様たちは大切な娘が過ちを犯していると分かっていたけれどあんなに生き生きした娘さんを見たことがなかったらしく、
その生き生きした娘さんを見ているとどうも強く出れなくて、
いつかきっと自分がした事の重大さに気づいてくれるはずと娘さんを信じて待っていたらしい。
その結果がこのザマだ。
領主様たちはあの時自分が止めていればと号泣。
そして二度目の土下座。
領主様の話を聞いた後だともうこの人たちが一番いけなかったんじゃね?
って思っちゃう。
子供の教育ってほんと大事だね。
「あの、そろそろ頭を上げてください。私からも話があるので」
土下座したところから五分ほど経った頃に頭を上げてもらった。
今回はすぐに頭をあげてくれたけれど床に正座したまま私の話を聞いた。
私の話とは勿論二人をあの家に住ませて一生二人だけで暮らして貰うこと。
領主様たちは私の話を聞くとそれだけでいいのか?と、もっと社会的制裁をしなくていいのか?と言ってきた。
私は慈悲深い女神のようにこう言った。
「私は今怒りなどありません。私は二人が結ばれたのならば幸せになって欲しいのです。ですがそれだけだとお嬢様になんら罰は下りません。ですのでこうしませんか? 二人だけで一切の援助なしに暮らさせるのです。あの二人は身分が違いすぎますのでこれからは沢山の困難が待ち受けるでしょう。ですが真実の愛があれば乗り越えられるはずです。乗り越えられなくても一生二人だけで暮らさせます。真実の愛なのですから笑」
こう言うと領主様は静かに頷き私の意図を汲み取ったのかなんなのか大声で宣言した。
「今この時からローズマリーは私の娘ではなくなった」
と、娘大好きな人からしてみればこの宣言はすごく辛いだろうけれど仕方ないよね。
自分たちのせいなんだから。
領主様が宣言すると一人の執事らしき人が領主様に近づき書類とペンを渡した。
遠くから見ただけではあまりよく見えなかったけれどもなんか難しい字が書いてあった気がする。
誓約書みたいなやつかな?
もしかして最初から勘当するつもりだった?
「これは私たちのケジメです。貴方様にはこの度本当に沢山のご迷惑をおかけしました。本当に申し訳ありませんでした」
さっきの書類を渡された。
そこには大きく【誓約書】と書かれていた。
その下には第一条から第四条までの項目がある。
『ローズマリーは今後一切屋敷に踏み込むことを禁止する。』
『ローズマリーには今後一切接触しない』
『貴方様の願いは全て叶える。』
『二度と貴方様には辛い思いはさせない』
という感じの事が手書きで書いてあった。
ちょっと下の二つは重い感じがする·····。
でも、まあいっか。
この紙さえあればなんでも願いが叶うんだもんね。
いつもキリのいいところで次話にいきます。
なので時々短いときがあるかもです。
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