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02,

 あの家を飛び出してから今私は近くにある宿に来ている。

 正直言ってすっかり両親のこと忘れてた。

 私の結婚を相談も無しに決めたぐらいにこの結婚を望んでいた。

 それなのに勝手に離婚したって知られたら殺される。


 どうしようか。宿にずっと泊まるにしてもお金がない。

 内職はしていたけれどもほとんど生活費にまわってしまったので今ある分だと二週間泊まれるかどうかぐらい。あ、指輪を売るとして三週間程度かな。

 その間に寮付きの仕事とか探さないと。

 それに領主様に怒鳴りに行かないといけないし、

 やることが多すぎる。


 少し休もう。色々考えてたら頭パンクしそうになってきた。

 ふかふかなベッドに横になり毛布をかけた。

 さっきのゴタゴタで思っていた以上に疲れていたらしい。

 毛布を被ってからすぐに夢の中へ入っていってしまった。





「ちょっ·····きて! 起きて! 大変よ! 早く起きなさい!!!」



 気持ちよく眠っていると宿のおばちゃんに毛布を剥ぎ取られ叩き起されてしまった。

 なに、客が気持ちよく眠っている時に。

 もう少し寝かせてもらおうとおばちゃんの手にある毛布奪いもう一度寝ようとした。

 けれども肩をがっしりと捕まれ前後にゆらされ私を無理やり起こそうとする。

 そして耳元で大きな声を出されてしまった。



「なに寝ようとしてんだい! 一体何がどうなってんだい! なんでこんなオンボロ宿に領主様がいらしてんだい! 説明してごらん!! 厄介事はゴメンだよ!」



 寝ぼけていた私の頭がおばちゃんの声を聞いた瞬間に一瞬で目覚めた。


 領主様!?

 なんで?まさかもうあの女の事を聞いたの?

 え、でもなんで私のところに?まだ怒鳴りに行ってないんだけど!

 ほんと、どうして!私が説明して欲しいよ!

 まさか、あの女が私より先に領主様に泣きついたとか?

 私の真実の愛を邪魔する女がいるの!パパ助けて〜!って感じで。

 だとしたらどうしよう。

 もしも領主様に私が女狐だと思われていたらと思うと·····。

 怖すぎる。



「ちょっと! 黙ってないでなんか言ってよ!」



 黙って考えているとおばちゃんが私の顔を手でパァァァンと挟み訴えてきた。それはもう凄い形相で。

 そうだよね、普通こんな所にある宿に領主様が来たら怖いよね。

 これ以上おばちゃんに迷惑かけられないし早くこの問題片付けちゃわないと。



「おばちゃん、領主様達はどこにいるの?」


「今は食堂のほうにいるよ」



 急いで食堂へと向かった。

 もちろんおばちゃんを置いて。何があってもこの部屋を出ちゃダメって伝えといた。

 こんな泥沼におばちゃんは巻き込めないからね。


 そっと食堂の扉を少し、中が見えるぐらい開ける。

 食堂には、は?って思うぐらいの人数がいる。

 メイド服を着た人に執事服を着た人、鎧を着けた人。

 そしてその人達に囲まれるようにして真ん中にいるドレスを着たご婦人とキッチリとスーツを着た老紳士一人と若紳士が三人。


 領主様御家族揃ってるじゃない。

 一家総出で私を殺そうと!?


 震える足にムチを入れ扉を思いっきり開いた。

 もうどうにでもなってしまえ!


 扉を開くと皆の鋭い視線が一気に刺さってきた。

 そして(女狐)だと分かったのか領主様とご婦人、若紳士が近づいてきた。

 そして、



「「「「大変申し訳ありませんでした」」」」



 何故か皆いっせいに土下座した。

 メイドさんも執事さんも騎士さんも若紳士も領主様もご婦人も全員がそれはもう綺麗な土下座をした。


 何がどうなってんの、、、

 私殺されない?喜んでいいの?

 いや、でも、なんか逆に怖くなってきた。何この状況。寝起きの私にはこれがなんなのか分からないよ。



「この度は私のバカ娘が本当に申し訳ありませんでした」



 私が固まっていると領主様が代表して土下座したまま謝罪の言葉を口にした。

 いやいやいやいやいや、なんでまだ土下座してるの、

 って違うよ!なんで土下座なんてしているの!普通貴族は平民に頭なんて下げちゃダメだよ!



「上げてください! 頭を上げて! 早く! お願い! もう怒ってませんから! 上げてください!」



 土下座をやめてもらおうと必死にお願いした。

 怒っていないは嘘。だけれどもこの状況ではこの嘘をつかないと頭をあげてくれないと思い言った。

 けれどもやめてくれない。「なりません」と言って頭を頑なにあげようとしない。

 もしこんな所を誰かに見られでもしたら、、、


 早く上げさせなきゃ。

 不敬かもしれないけれども領主様の肩を持ち上にあげた。

 けれどもピクリとも動かない。

 一体何がどうなってんのよ。接着剤でもついてんの?

 領主様は諦め夫人の肩を持つ。

 そして持ち上げた。今度はちゃんと頭が上がった。


 夫人の頭を上げると渋々と領主様や若紳士たちの頭も上がっていった。

 よかった。心臓が止まるかと思ったよ。


 どうしよっか、これからの予定がすっごい崩れたんだけど。

 怒鳴りに行ってやろうと思ったら怒鳴る前に土下座されて、しかも領主様家族総出で。

 もう怒鳴るに怒鳴れなくなったよ。



「立ち話もなんですからこっちに座って」



 夫人から近くにあった席に座るように促され席に着いた。

 するとメイドさん達が紅茶や色とりどりの茶菓子をテーブルの上に並べていった。

 もしかして持ってきたの?絶対にこの宿のやつじゃないよね?偏見だけどあのおばちゃんは絶対にこんなの作れないよ。


 さっき大声を出したので少し喉が痛いので紅茶はすごくありがたい。お礼を言い紅茶を一口飲んだ。

 美味しすぎる。

 あまりの美味しさにもう一口飲んだ。

 すると夫人が茶菓子を私の近くに寄せてくれた。

 こちらも遠慮うなく頂いた。こちらも想像通り美味しすぎる。



「お口にあった?」


「! すみません、こんな時にバクバクと。すごい美味しくて」


「ふふふ、いいのよ沢山お食べ」



 茶菓子を夢中で食べてしまった。

 夫人に声をかけられようやく手が止まった。

 こんな泥沼現場でよくお菓子食べられたな、私って結構図太い?


 夫人に食べていいと言われたのでお皿にあったお菓子全部食べた。

 お菓子が美味しすぎるのが悪いのよ。それにお昼も食べてなかったし。



「さっそく本題に入らせてもらってもいいだろうか?」


「もちろんです」



 私がお皿のお菓子を全部食べるのを確認したのか領主様は本題に入った。


┏○┓┏○┓┏○┓┏○┓┏○┓

(:D)| ̄|_ ⬅絶対に一人はこんなのいると思う。


もしよろしければ評価や感想お願いします。


※明日は学校があるので投稿するかわからないです、、、


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