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11,

いつの間にか総合ポイントが2000いってました。

いつも読んで下さっている方々、本当にありがとうございます!

あともう少しで終わってしまうかもしれませんがこれからもどうぞよろしくお願いします┏○┓


今回は短めです

『ごめんなさいね、リリーちゃん。用事が終わったらすぐに戻るから、それまでアルバートをよろしくね』

『はい! まかせてください!』

『頼もしいわ。それじゃあ行ってくるわね』


 おばさまをお見送りしてから、アルバートが眠っている部屋に向かう。


 アルバートの部屋の前に着き、そっと扉を開けると遠くからでも分かるほど顔色の悪いアルバートが見えた。

 ゴホッゴホッと咳をしとても苦しそう。


 アルバートのそばに行き、おでこに乗っている熱でぬるくなってしまった濡れタオルをとり、新しい冷たいタオルを置く。



『ん……リリーちゃん、ありがと』

『どういたしまして』



 アルバートが少し目を開けお礼を言ってきた。

 お礼を言ってきたその声はかすれていて、今にも消えてしまいそうに小さく、少しの隙間から見える瞳は涙で潤んでいた。


 可哀想に、早く良くなってまた元気な姿を見せて、アルバート。




 ✻✻✻✻✻✻✻✻




「…さま、……様。起きて」



 誰かに体を揺らされ固く閉じていた瞼を開けると、キッチリ着込んだ若紳士がベッドの脇に立っていた。



「ああ、やっと起きましたか。もう朝になりましたよ」


「ん、もうれすか? おはよう ございます」


「おはようございます。朝食の準備がもうすぐ終わるので着替えてダイニングへ来てくださいね」



 その言葉に頷きで返事を返す。

 若紳士は頷いたのを確認してから、部屋を出て行った。


 重たい体を起き上がらせ、寝間着から普段着に着替える間に今日見たとても懐かしい夢の事を思い出していた。


 確かあれはまだ十歳ぐらいの時の事だったと思う。

 アルバートが四十度を超える熱を出した時、アルバートのお母様は用事があってアルバートの面倒を見れなくて、隣の家に住む私がアルバートの面倒を見ることになったのよね。

 元々母同士が仲良かったけれど、私とアルバートは少し会話をする位で特に仲良しって訳でもなかったのに、母も父もおばさまもいなくて私が面倒を見ることになってしまった。


 それがアルバートの熱が引くまで数日間続いて、アルバートの熱が引く頃にはすっかり仲良くなっていたのよね。


 あの頃のアルバートは絶世の美少年かってぐらい可愛いかった。それにとても素直で人懐っこくて。

 それなのに、いつの間にあんな大人になってしまったのかしら。

 不倫三昧、家事は全く協力しない、ていうか家に帰ってこない日がある。


 確かに、私たちの結婚は私の事をえらく気に入っていたおばさまと母達が勝手に話を進めていっていたけれど、一番その話に乗っていたのはアルバートだったじゃない。


 なんか思い出したら腹たってきた。


 でも、あの人も何だかんだ言って被害者なのよね。

 あの時の高熱のせいで不妊になってしまって、、、

 それなのに、おばさまから孫はまだか攻撃が始まって。


 あれ、あの時ぐらいからだったかしら、アルバートが変わっていったの。

 孫まだ攻撃が始まってから家に帰ってこなくなったし、変な女物の香水を漂わせたりしたのは。

 おばさまの重圧に耐えられなかったのかしら、私もその時は自分の事で精一杯であんまり相談に乗れてなかったものね。

 もっと話し合ってれば何か変わっていたのかな?


 いや、やめよう。こんな事考えるのは。

 だって、今はもうアルバートにはローズマリー様とそのお腹の子がいるのだから。

 まぁ、誰の子かは分からないけれど。

 ローズマリー様はアルバートの子と言っているみたいだけれど、アルバートは不妊症だからな、、、

 お医者様にもほぼ妊娠不可能って言われてるぐらいだものね。


 あんまし深く考えるのはやめましょう。

 アルバートが可哀想になってくる。



 夢の事を考えていたらすっかり着替え終わっていた。

 さっさとダイニングに行き、席に着く。


 若紳士と二人、「いただきます」をし朝食を食べ始めた。


 もうすっかり慣れてしまった日常。

 最初の方は貴族の人と一緒にご飯を食べるだけでも緊張したし、なんなら一緒の家に住むだけでも緊張していた。

 だけれども、一ヶ月もこの生活を続けていたら、あっという間に体が慣れてしまって今、前の生活に戻れと言われても多分もう無理。


 だって、美味しいご飯が食べられて、お金の心配とか無しに好きな仕事が出来て、優しい人達が傍にいてくれて、

 ここは天国かってぐらい楽しくて幸せで。


 もし願いが叶うならばこの生活が一生続いて欲しい。

 何も考えずに笑っていられるこの生活が。




「少し、貴方に話しておかないといけない事があるのですが、今いいですか?」



 朝食を食べている途中、若紳士がフォークを置き、いつもの仔犬のような笑顔ではなく成犬のような年相応の真面目な顔で問いかけてきた。



「大丈夫ですけど、どうかなされましたか?」


「今日の午後から数日間、この家を出なくてはいけなくなってしまいました。急に決まった事で貴方様には報告が遅くなって申し訳ない」


「いえ、大丈夫ですよ、気にしないで! それよりも気をつけて出かけてくださいね!」


「はい! 留守の間はステファン達がいるので心配はないかと思いますが何かあったら直ぐに知らせてくださいね。すぐに駆けつけるので」


「ありがとうございます」



 お礼を言うと、成犬の顔から仔犬のような顔に戻った。



 ◇


 若紳士は言葉通り、太陽が真上に登った頃に家を出て行った。

 それと同時に、若紳士と入れ替わるようにして、若紳士の専属のメイドさんであるメアリーさんとソフィアさん、専属執事のステファンさんがこの家にやって来た。



後一人か二人新キャラを出す予定。

その前に若紳士の名前を決めないと!

若紳士の名前、何度考えてもナイジェリアしか出てこない……orz

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