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幕間 一

 ロマ・イルファはジェット機の中に乗り込んでいた。


「それにしても……まさか二日でここまで間に合うとは思わなかったわ」


 二日。

 僅か二日の間に、ラグナロクの面々から機械に詳しい人間が集まった結果、あっという間――とまでは行かないが、宇宙船型ジェット機の修理が完了した次第だった。

 オール・アイもそれを見ながら、笑みを浮かべる。


「ええ、流石にそこまで来るとは思っていませんでしたわ。……ここは、素直に彼らに感謝をしなければ」

「ところで、私たちはどうやって飛べば良いのですか?」

「そこもパイロットが……ほら、そこに」


 立っていたのはライラックだった。


「流石に全員を乗せることは敵わないっすけれど、それでも問題ないと言ったのは、そっちですよね?」

「ええ。宇宙に飛び立つことが出来れば、それで構わない。……強いて言えば、カトル軍が私たちを攻撃してくる可能性もあるから、そこに関しても注意しなくてはいけないと思うのだけれど」

「そこですよね……。まあ、私の『力』でどうにかしますか」

「オール・アイ……あなたの力って予言だけでしょう? 別にシールドを張れるわけじゃああるまいし、少しは考えておいたほうが良いと思うのだけれど」

「それくらい承知していますよ。……ライラック、私をコックピットに乗せることは可能ですね? 操縦は出来ませんが、安全なルートを教えることは出来ます」

「え? ああ、まあ、大丈夫ですけれど。もう飛び立てますが、行けます?」

「ええ。人数もそろっているしね」


 ロマとオール・アイの他に、屈強な人間が十人ほど。

 すべて魔術というよりは体術に秀でた人間をそろい踏みした形だ。


「……さて、これで問題ありませんね。では、私はコックピットに向かいましょう」


 そうしてオール・アイは離れていった。


「……お嬢、聞きたいんですが、あいつはいったい何者なんです?」


 問いかけたのはロマの隣に座っていた大男――バグジーだった。

 バグジーの問いにロマは答える。


「別に気にすることでもないわよ。彼女はただの眷属。言ってしまえば、人ならざる者。だからこそ私と彼女はともに戦うことを決意したし、目的が同じである以上、協力しているって話」

「協力?」

「あら? 言わなかったかしら、目的。……剣を手に入れた者は、どんな願いをも叶えることが出来るのよ。それで私はある願いを叶えるの」

「もし、可能なら教えて貰うことは、」


 バグジーの言葉が最後まで言い切ることはなかった。


「だめよ。それは内緒なの。女の子は最後まで秘密を持っているものなの」


 そして、ジェット機は運転を開始する。

 向かうべき場所、それは、宇宙。



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