ついに、死神に
「そうですか。」
まぁ、先ほどからの言動、雰囲気そしてこの変わった喫茶店の奥でチラと見たあるもの。この人たちが死神だというそのたった一つの事実で全てが納得できる。
『あら、驚かないのね』
「それは、あの武器を見たら少しは怪しいと思いますよ?」
『そうよね。あんなの見たら誰もがビックリして怪しんじゃうでしょうね。』
「あの武器、一体何に使うのですか?」
『あれはね、人間の魂を刈りに行くときにね、万が一のことがあればね、あれを使うの。』
「万が一とはどんなときですか?」
『例えば、人間に刈っている時の姿を見られたや場合やその人が反逆者がでた場合その人たちをその武器で殺すのよ。でも大体はね、魂が反乱してきたときにその魂を潰してしまうのに使うのよ。』
「へぇー、そうなんですか。」
「ところで、死神って一体どんな事をするんですか。」
『死神はね、魂を管理し、その者の人生をファイリングして、それを協会に提出するっていうつまらない仕事をしているの。』
『それとね、この店は死神じゃないとは入れないの。』
「じゃあ、なぜ私はこの店に入れたのですか。」
『それはヒルカくんと一緒にいたからよ。』
『だから三崎砂那、あなたには死神になってもらいます。』
いきなりの改まった口調にすこしおどろいた。
「え、どうやるのですか。」
『死神になるには正式な手続きをするのよ。』
こ、これはもしやアニメで見たことのある儀式というものをするのであろうか。とてもワクワクする。
『まずね、この紙にあなたの名前を書いてちょうだい。これは契約書です。この申請が、受理されるとあなたは死神になれるのよ。』
期待を裏切られがっかりだ。まぁ勝手に期待したのは、わたしなのだけれど。でも、よくアニメで見るあの儀式はただの作者の妄想だっのか。やってみたかったのになー。ちょっとショックだ。
『死神にはあなたのような元人間や、生まれたその時からそうだったもの、その二つで二極化されてるの。』
『私は生まれたときから死神だったの。でも、確かヒルカくんはもとは人間だったっていう話を昔聞いたことがあるわ。まぁこの話はそこら辺で。』
『さて、マスターの話にもあった通りあなたには、死神の溜まり場であるこの喫茶店に私たちと一緒に店員として働いてもらうわ。そしてそれと同時に死神としての役割もしっかり果たしてもらうわ。』
『さっき私たちとしゃべってたの男の人はこの店のマスターよ。名前は本郷吉彦。名前で呼ばれることが、あまり好きじゃないからマスターとみんなは呼んでるわ。』
『そしてあなたの部屋は、私と同部屋よ。付いてきて。』
三階には、たくさんの部屋が並んでいた。その中の一室に私は案内された。
『ここよ。』
その中は普通の部屋よりは大きく、二人で使うには丁度良いくらいの部屋だった。それに、茜さんのお洒落さが垣間見えるような部屋だった。
ここは遠慮しないで自由に使っていいわ。
『じゃあ、砂那ちゃん。
これから、よろしくね。』
「はいっ。私こそ宜しくお願いします。」