驚きの事実
いきなりの事で全く話についていけない。
『ヒルカくん、ちゃんと説明したのかね?』
『まぁ、少しは。』
『しょうがないなー。あかねちゃーん。』
『はーい。今行きます!』
マスターと呼ばれている人がだれかをよんだ。
『何ですか?マスター』
そう言って現れたのは赤髪の背の高い綺麗な女性だった。
『あの、この子新入りなんだけどね、ヒルカくんが全然説明しなかったからか今の状況がわかってないの。だから説明してあげてほしいんだけど。』
『分かりました。』
『ここで立ち話するのもなんですし、二階で喋りましょう。』
そう言った女性が私をこの喫茶店の二階に案内してくれた。階段が三階まで続いていたということはこの喫茶店は3階まであるのだろう。そして案内された二階は広々とした応接間広になっていた。
『ごめんなさいね。何もかもがいきなりで。』
「いえ、そんなことはないです。」
『あ、まず名前からね。私の名前は本郷茜。茜さん、茜ちゃん、好きに呼んでちょうだい。』
「わ、私は三崎砂那です。」
『じゃあ、砂那ちゃんと呼ばせてもらうわ。』
『まず、ヒルカくんが、あなたをここに連れてきた理由からね。ヒルカくんは何か言ってた?』
「はい、ヒルカさんは気が向いたからと言ってました。」
『フフっ、そうなの?でも本当は少し違うわ。』
『この店の定員がね、一人足りなくなってしまってね、誰かいい人がいないかってヒルカくんは死人達の中でいい死人を探していたのよ。そこに、あなたがいた。多分ヒルカくんが、あなたを選んだのはなにか理由があるのじゃないかしら?』
「そうだったんですか。ところでヒルカさんやあなた達は一体、何者なのですか?どうして私を地獄行きから救うことができたのですか?」
『そうね、いきなりで戸惑うかもしれませんがこの店で働いている人たちはみんな俗にいう死神というものです。』