世界の真理
目が覚めると、僕は黒いフード的なものを羽織って件の幼女の前に居座っていた。
「ここは何処だ?」
幼女に尋ねる。
「今から世界の真理を見てもらいますーと言っても貴方の生まれ故郷の話だけですがー」
なんだよ、もっと教えてくれてもいいのに。
そして、語られる事となった。この世界の真理
今から78億年前、天界から一人の神が降り立った。
神の名は『ガイア』
ガイアは無からの大爆発、後の『ビッグバン』を引き起こし、『宇宙』を生み出した。
ガイアはその後、生命の土台となる太陽を作り上げ、太陽系という部類を創造した。
太陽系第参惑星『地球』
ガイアは一つの惑星に自身の名を与えた。
ガイアは二体の神を生み出した。
その名は『アダム』と『イヴ』。そしてガイアはアダムとイヴに天界から持ち出した『カシウスの槍』を与え、生命の創造を二人に依頼した。
アダムとイヴは地球にカシウスの槍を突き刺し、最初の生命が生まれた。
だがしかし、アダム達は78億年の進化と絶滅の歴史を『416秒』で埋めてしまった。
カシウスの槍には二つの実の部分的な能力が秘められていた。
一つは『生命の実』生物は定期的にその果実を咀嚼する。これが芯だけになるとその生物の寿命が尽き、実の芯は魂の輪廻の中へ戻る。
二つ目は『知恵の実』これは本来、神のみぞ持てる果実、つまり神という証明のようなものだった。しかし、アダムとイヴが差し込んだことにより、一部の生物に実の能力が伝播してしまった。
その生物こそ、現在の食物連鎖の頂点に君臨する『人間(神の子)』
カシウスの槍を奪った罪でガイアは地球の大地に封印され、イヴはアダムを残し、黄昏と混沌の狭間に幽閉されてしまう。
アダムはイヴを失った悲しみから天界に戦いを挑むが、一人の神では天界の住人には勝てず、あっけなく殺されてしまった。
この世界には『4』『1』『6』という数字が関与しているらしい。必ずどこかで干渉するのだという。
全ての話を聴き終え、ただ茫然と立ち尽くす僕は現在、幼女に顔面を下から見つめられていた。
「作り話にしては上出来だな」
「ほんとの話ですってー」
「不特定多数の単語を一気に聴かされるとなると流石に頭がくるくるパー状態なんだよ」
「貴方は神から不本意に与えられたその能力を発揮できていないとはー、残念な御人ですねー」
「ほっとけ」
「まーいーですー、それより今から『イイコト』を貴方にしてあげましょうー」
「今度は何だ」そう思いながら幼女の方へ振り向くと、、、
僕は幼女に唇を奪われているのであった。