きっかけ
いつものごとく友人と肩を並べて帰りながらふと疑問に思った
そもそもなんで俺はこいつを好きになったんだ?
…正直、よくわからない。
気づいたら好きになってたと言うしかない
身長は168と男にしては少し小さめだが水泳をやっていたせいか女の子のように細く小さいというわけではない
顔立ちは大きめのクリクリとした二重が印象的だが極めて優れているという訳ではなくいたって普通だ
髪は綺麗な黒髪で耳にかからない程度に短いので決して女の子には見えない
今まで俺が大好きだった女の子たちとは全くちがう
俺は今はこいつが好きだが別にゲイじゃないしむしろ今までは女の子が大好きだった所謂、ヤリチンって類いのやつだった自覚がある。
中2で童貞を卒業してそっからは粋がって金髪にしたりピアス開けたり…と軽い不良みたいな状態だった。
ただ、俺は不真面目なことが嫌いだから授業を休むなんて1度もしたことはないし他の奴の女を寝とるなんてこともしなかった。
というよりかは、人より少し容姿が優れていたお陰でそんなめんどくさいことしなくても女の子に困ることはなかったからだ
ただ、それが気にくわなかったやつらがいたようで俺を目の敵にして嫌がらせなどをしてきた。
初めはわざと肩をぶつけてくるような幼稚なものだったが日に日にそれはエスカレートしていきついには暴力まで加わってきた。
ただ、どんなことをされてもその嫌がらせに対して俺が反応しなかったことに苛立ったのかやつらはこんなことを言い出したのだった
「なぁ、こいつ顔だけは綺麗だしさヤっちゃうとかさどうよ?」
流石にそんなこと言い出されたときには俺も抵抗した
「俺みたいな男を犯そうとか相当な物好きだな。そんなに飢えてるのか?女一人紹介してやろうか?」
だが、その精一杯の強がりがよくなかった。完全に火に油を注ぐことになってしまったのだ。
「生意気な口きけないようにしてやろうぜ。おら、口開けろよ?口んなかなら男も女も対して変わんないだろ」
なんて言われながら後ろから羽交い締めにされ暴れようにもびくともせずついに八方塞がり状態。
奴等を睨みつけるがそれもただの虚勢でしかない
このままコイツらに犯されるのか…
そう思った時だった
「声が聞こえるけど誰かいるのか!?もうとっくに下校時刻は過ぎてるぞ!」
声と共に階段をかけ上がる音がした
「チッ…やべぇ、きっと先生だ!戻るぞ!」
なんて慌てながら逃げ去っていった
俺もこんなところでうかうかしてらんないと立ち上がろうとするも情けないことに腰が抜けて力が入らない。
そんなことしてるうちに足音は近づいてきて俺の目の前で止まった
「大丈夫か?」
なんて声をかけられ声の主を見上げるとそこには想像とは違い1人の少年が心配そうに立っていた。
「あれ…先生は?」
「ふふんっ!あれ実は俺だったんだ!さっきの演技なかなか上手かっただろ!?」
なんて誇らしげに少し照れくさそうにそう言ってきた。
「そうだったんだ…ありがとう。助かった。」
礼を述べるとはにかみながら俺に手を差し伸べてきた。
「俺、B組の松下 歩お前は何て言うの?」
「…閑谷 黎弥」
「れーや…ね。うん、覚えた!」
そういって俺に満面の笑顔を向けたんだ
多分、きっかけはその日からだったのかななんて思いながら横目で盗み見ると思いがけず目があった。
「なんだよ、なんか顔についてる!?」
「いいや、なんか出会った頃思い出して懐かしくなった」
最初はただ、笑顔を向けてほしくて…だけどお前のことを知れば知るほどもっとってどんどん欲深くなってしまった
いつの間にか好きになっていたようにいつの間にかこの想いが消えてしまえば楽だったのに
今日も想いは募っていくばかり
ついに二人の名前が出てきました…
ずっと名前をださなくてもいいかなとも思ったのですが一応ww
今までは黎弥視点だったのですが次は歩視点で書きたいなぁなんて思ってます