quest8 hide ~潜伏~
みなさん、おはこんばんちには!
一日目を終えた、コウ。
2日めのプレイです。
視点、戻ります!
それではどうぞ!
_________17:30 自宅
公式サイトを見て驚愕した俺は、とりあえず対策を考えた。
まず、最初にスレについて。
反論というか、そんなことはないよ、、っ的な乗りで
キーボードをたたいているうちにある可能性にたどり着いた。
「これ、もう解決してるんじゃね?」
前回のスレ更新時間を見ると、昨日の午後10時だった。
ここでまた、消えかかった炎に
油を注ぎ込まないほうがよいのではと思ったのだ。
人の噂も49日。と言うように、
ここはβテスト期間の10日を乗りきって
後に始まる、本サービスに望むほうが得策だと思ったのだ。
そう思った俺は別の方法を探した。
公式サイトを見てまわると、
サンシア地方市街地お店情報とあった。
クエスト本部、酒場、宿屋、武器屋、防具屋に
ついての情報が明記されてあった。
中でも防具屋で目を引いたのが、黒ローブ、
全身を黒でおおうことができて、tec(技術)とfor(加護)
が、上がるらしい。
プリースト(僧侶)、マジシャン(魔法使い)装備だったのだが、
別に他の職業でも着れることはできるらしい。
しかし、適正がないと、そのアイテムや武器や防具の
能力上昇の効果がないため、あまりオススメしないらしい。
「これだ。」
そう思った俺は、この黒ローブを手にいれるため
GQOへとログインした。
connect on!!(接続開始、)
_______6:00 サンシア地方市街地
ログインしてみるともうすでに何人かの冒険者が集まっていた。
公式サイトを見る限り、今日のテスター集合時間は
19:30。
昨日より少し遅めの時間帯だった。
まだ何をするのかは公式サイトにもかかれておらず、
その話題で新しいスレも立っていた。
――シンは集合時間までには、行くと言ってたけど。
なにしようか。――
まだ、慣れない映像酔いから立ち直った俺は、考えた。
えっ、
自分のステータスをみてみると、驚いた。
コウLv13
Lefer
str98
def73
agi105
tec96
for15
「えぇーすげー上がってる~!」
とんでもない大声を出してしまった俺は大通りのお客さん、
店の人から驚いたような顔で見られてしまった。
――やばい。――
物陰に隠れもういちど確認するとやはり変わってなかった。
それもそのはずである。
前回20匹超えのモンスターを倒したのだ。
最後にしょうもないミスで死んでしまっていたが、
それは全てがおわってからの出来事だった。
したがって経験値が入ってない方がおかしい。
所持金をみると、5万5千ガルドと表示されていた。
チャリン。
目が金になった。
――このまま億万長者だ。――
しかし、現実は甘くないのを思い出した。
宿屋は安いところで、1泊15000ガルドだったし、
少しこの世界では、金融緩和が過ぎているようだった。
「そうだった。この世界はこうなんだった。」
俺は、現実世界での生活との区別を誓い、
改めて『節約生活』を心に刻んだ。
興奮状態を収めて平静を装い、目的を考える。
「あ、黒いローブ忘れてた。」
やっとやることを考え付いた俺は、
大通りの市場を顔が見えないように通り、
どうにか右側の防具屋の扉前に移動することができた。
________魂の防具屋ディール
コンコン、と2回のノックのあと、「入れ!」
と言う言葉を聞いた俺は、
「失礼します」と言って中にはいった。
――なんか、職員室入るみたいだな。――
なんて、思ったのも仕方がないだろう。
中に入ると、そこは暗い秘密基地みたいな店だった。
1つだけの黄色光の蛍光灯かランプかわからないもの
以外は明かりがなにもなかった。
店のなかは、ひたすら防具で、マッシュセット、
メキラセット、キャタピラーセット
と言うように表記のものがあった。
「誰だ?お前、見かけない顔だな。新入りか?」
声の主を確認するとケインズまではいかないものの、
熟練の冒険者を思わせる肉体のおっさんが立っていた。
髪はなくてスキンヘッド、半袖の黒シャツに、
サスペンダーを通したズボンがちょっとおしゃれだった。
――つ、つるピカだ。け、けど、おしゃれ!――
「すみません、冒険者でコウって言います。」
「コウ、か。わかった。俺はディールだ。見ての通り
防具の販売、強化をしている。
ところでお前、防具については知ってるか?」
――――冒険者にしか見えません!―――
という乗りツッコミは、心のなかで行っておいた。
そして、「大体は。」と答える。
ディールは「防具には、耐久値がある。
食べ物や武器にもあって0になると、壊れる。
食べ物は時間ごとに減っていくが、
防具や武器に限っては、修理を頼めば耐久値は回復する。
以上だ。で、何の用だ?」
俺はさっそく、本題に移る。
「ディールさん、黒ローブってまだ残ってますか?」
「あ~あの限定アイテムか。
お前さん、見かけによらず、お目が高いな。」
などと言いながら、
ディールは、黒ローブを取り、俺に見せてきた。
「こいつの効果は、tec(技術)とfor(加護)
のステータス共にプラス15だ。なかなかだろ?
しかも、今ならβテスター特別価格だからな!買うなら今だ。」
――よし、まだあった。しかも性能がかなり良い!
そのくせ、特別価格で奉仕してくれるとは。――
「ディールさん、それください」
「おう、じゃあ、10万ガルドな。毎度あり!」
――へっ、なにイッテるこのおっさん。――
「ごめん、ディールさん、聞こえなかった。」
「だから、10万ガルドだ。」
―――10…万。―――
桁が違った。いや、当たり前かこの性能の良さ。
2~3万ガルドな訳がない。見積りミスった…
また、泣きそうになった。
「ディールさん…お金…ない。」
「マジかよ、防具買いに来てそりゃないだろ。
「手持ちはいくらだ?」
「55000ガルド。」
「かなり足りねえな。だめだ。
アイテムとか売ってこい。すぐ金になる」
俺は、シュンとしていた。
しかし対してディールは内心驚いていた。
――やるな、この坊主,テスト初日で
45000ガルドも稼いでやがる。
将来性はかなりある。有名になればこっちももうかる。
目をつけといた方が得策だな。―
「わかった。このローブは俺がお前のためにとっておくから、
さっさとお金集めて買いに来い!」
俺は、ディールが天使にみえた。…男だが。
「ありがとう、ディールさん。」
ディールは、付け加える。
「待て、条件がある。」
その言葉に俺は、緊張の糸を張った。
――なんだ、有り金全ておいてけか?
それとも天界に来て私を助けて!――
などと言うのだろうかと思案を巡らすと。
笑いながら、ディールさんは、こう言った。
「20000ガルドはここにおいてけ。
なぁに、取ろうってもんじゃない。
コインロッカー式だ。
ここに20000ガルドを置いてお前は金を集める。
で、残りの80000ガルドを集めたらここに持ってくる。
それでローブと交換だ。ここまでで質問は?」
「いや、なにもない。その件は了解した。続けてくれ。」
「俺と、専属契約を結んでくれないか?」
「どういうことだ?」
「お前が武器を買ったり、変えたりするのを
うちでやってくれって意味だ。
もちろん、武器の強化もだ。まあ、経費と材料はお前持ちだ。
これらの作業はまあ契約価格ってことで
割り引きさせてもらう。
ああ、あとは有益な情報をキャッチしたら教える。
どうだ?悪くないだろ?」
――確かに悪くないかもしれない――
「いいよ。よろしく、ディールさん。」
「待て、ディールさんはよそよそしいぞ。
ディールで構わない。」
「わかった。ディール。」
「よし、ならフレンド登録してくれ。」
{ディールさんから
フレンド登録申請が来ました。登録しますか?}
Yes?orNo?
Yes
「ありがとなコウ!これからもよろしくな!
それとさっそく、特別割引で80000ガルドでさっきのローブ売ってやる。」
「おう、ありがとうディール。こっちもよろしく。」
というと、俺たちは握手を交わした。
またあとで行く。と言う言葉を残し、
俺は、アイテムを売るため、市場へ急いだ。
市場では、初めてきたときと同じように相変わらず競りの
最中だった。食材、冒険者必須アイテムといったものから、
風水グッズや、アクセサリー類まで多種多量に売られていた。
俺は、『買取り本舗』とかかれた看板を見つけて、
立ち寄った。
_______買取り本舗
店のオーナーらしき人は、おばあさんで、黒い淵の老眼鏡
をかけ、ずっと新聞みたいなものを読んでいた。
俺は、じ~っと見ていると、
「なにかね。」と、目もくれずに言った。
――見えてたのか。――
俺は、気を取り直して、話しかけた。
「おばあさん、アイテム売りたいんだけど。」
「売るものを出しておくれ」また、目もくれずに答えた。
俺は、アイテムボックスからキャタピラーの糸×3、
マッシュのへた、メキラの羽×10を取り出した。
「そこに置いとくれ、」
といい、やっと新聞から目を離してアイテムを査定しだした。
すると、突然、「あんた、これわかるかい?」
そう、いって見せられたのは、新聞。
何かの問題だった。
最初はなにかわからない言語だったが、
自動翻訳機能が働いたのだろう。
すぐに日本語変換さされた。
「防具屋の店主の名前は?」
――簡単だ。ついいまさっき会ってきた。――
「わかるよ、おばあさん。」
「なんだい?」
「ディールだ。」
「あ~あそうだったねぇ~ディールだ。ディール。」
「これでわかったよ。ありがとうね。助かったよ。」
「どうしてこんなこと?」、と俺が聞くと、
おばあさんとは思えない、きれいな笑顔でこう言った。
「クロスワードだよ。ほら。」
みると、そこには完成されたクロスワードがあった。
完成されたワードを並びかえると、
きょうのうんせいめっちゃいい。
だった。
これだけ?と不満に思ったが、
「年寄りの楽しみだからねぇ~」と笑うので、
おばあさんの笑顔に満足し、納得した。
「教えてくれたお礼にアイテムの買取り額を上乗せしとくよ。」
「40000ガルドで買取るけど、構わないかい?」
――やっぱり世界はカルチャーショック。――
俺は、ゴクリと、生唾を飲み、二つ返事で
「ああ、よろしく。」と言った。
去り際に冒険者かい?と聞かれ、そうだと答えると、
「この町は、冒険者を送り出す町だけど、
最近は少なくなってね~とっても嬉しいんだよ。
だから、がんばるんだよ!と言われた。
おばあさんにああ!と伝えて、お元気で。といった。
最後にもう一度オチャメな笑顔で、あんたもね、と返され、
ホッコリした気持ちで『買取り本舗』をあとにした。
そして、もう1度ディールの店に行き、
今度こそ、黒いローブを買った俺。
気づくと時刻はもう、19:18
クエスト本部にβテスター集合の時間だった。
急いで、クエスト本部へと向かう俺だった。
To be continued
いや―やっぱり時間がかかります。
考えて、文章、訂正をやると気づけば4時間経ってます。
恐るべし、小説!
チャンネラーから逃げるため、黒ローブをてにいれました。
町の人たちもいい人でよかったですね。
さあ、次回はまたクエスト本部に行きます。