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Grand Quest Online (仮)  作者: プードル
GQOの世界~本サービス開始編~
30/32

quest30 Girls Talk1

皆さまあけましておめでとうございます。


旧年中は進まなかった小説ですが、今年は頑張ります。


前回、スフィーダ第1階で終わりました。


では、どうぞ!!

サンシア地方 カフェテラス



「ナギ~??それにしてもなんか昨日、積極的じゃなかった~??


コウになんか言われた~??肩口に仮面なんか乗せて・・・・・・


もう、なんか・・・・・・みてるこっちが恥ずかしくなっちゃった。♡」


最後にハートがついた口調でにやにやするルッコがナギをおちょくる。




昨日の通称『第1階カメラート分裂の』(適当)は、両方のルートの攻略、

そして第二階へのフィールドポイントでの転移をクリアとし、一件落着し、5人は解散した。

そして夏休み直前の学校生活へと戻っていった、とはいかない。


2050年の学校制度における高校と大学は統一化したのだ。文部科学省内の権力のある政治家の発言によって、義務教育は中学校までであると判断され、高校無償化はもちろん廃止、

前期・後期の二期制を導入するという案が重ねられて法案が決議され、国会で可決したのだ。

そんなこともあったせいかまだ学校というのは今では過去。

今日、しかるところの8月2日は夏休み二日目である。

当然長期休業中で、毎日ログイン三昧の予定だった。しかし5人は昨日の疲れもあったせいか、

全体では、明日は休養日にしよう、ということで全員一致しその日は別れた。




そして、今現在は。と言うと、カフェテラスで話し込む全身をマッシュセットで包んだ女性、茶髪のそばかすが惜しい美女ルッコと仮面の銀髪女子ナギはテラスで待ち合わせをしていた。まあ、一般女性プレイヤーと仮面プレイヤーの組み合わせはなんとも不相応だったが、道行く人は気にもせず自由にプレイしている。そしてさっそくルッコがナギに話しかけていたという状況である。








そして唐突な指摘に対してナギは必死に答える。


「そ、そんなんじゃないんだから!!びっくりしただけよ!!ルッコのいじわる!!」


しかしまったくたじろぐことのないルッコは疑いの顔でさらに追及を続ける。


「へ~??ってことはなんか言われたんだ。もう全部話してよ??」


しまった、と思いながらこれはもう諦めるしかない。と判断したナギは言う。



「長くなるけどいいの??」


先ほどのからかう様子はすっかり消えて、そばかす茶髪女性は言う。

「出会ったときは触れなかったけど、女性で仮面かぶってるプレイヤーなんていないわよ。

本サービス開始祭りの中だから、被り物してるのかなと思ったけど、戦闘中もしてるし、不自然すぎるわ。

なにかある、もしくはあったに決まってるでしょう??」


ナギは決心し、ルッコに子供のころからの話をする。

「私の家庭では、お母さんが早くに亡くなって、伯母さんと再婚したの。

伯母さん私にすごく期待というか、高学歴を求めて、習い事とかすごくやらされるようになって

家庭教師もつけられるようになったんだけど・・・・・・」

 






「その、家庭教師が・・・・・・」


そこまでいって、息を詰まらせる。その青ざめた表情は当時の壮絶さを物語るには十分すぎた。

ルッコが、察してもういいわよ、と言おうとする直前にナギはぽつぽつと語る。



「なんか、その家庭教師、私の体、触ってきて・・・・・・もう私耐えられなくて・・・・・・」



慌てて、向かい合っていたルッコはかけより

顔を覆うナギの背中をさすりながら時間をすごしていく。

二人の間に沈黙がうまれ、暗い雰囲気が二人を覆う。


「そう、それで男性を毛嫌いするってわけね??」


「う、うん。」


状況を簡単ながら理解し、仮面を被る理由を知ったルッコはやわらかい口調で話しかける。



「でも、昨日の一面を見る限り、少しは克服してるんじゃない??」



「どうなのかな??実感わかない。今でも男の人が通ると体が緊張しちゃうし、怖いっていうのが

本当の気持ち。」



「そうね~、逆転の発想ってのは、どう??」


「逆転の発想??」


「題して、『AMP(アンチマン改善プログラム)』!!」

大きい胸を張りながら、ドヤ顔で言うルッコは圧倒して、口をだす暇も与えないまま、続ける。


「と、言ってもすぐにサーバーはエリア別にされるのはわかっていると思うけどそれまでの残り、

1か月弱のプログラムになるわ。内容は、ナギ、そして私に素晴らしい恋ができるようになること。

早速だけどまずは、第一段階ね。そうね、まずはイメージを変えましょうか。幼稚園とか保育園の時に好きな男の子とかいなかった??」



ーーーーーーもしかして、ルッコがただ彼氏がほしいだけじゃないの??とツッコミをいれるなどと言うこともできず、その言葉は喉の奥へと吸い込まれていった。




「うーん、あんまり覚えてないかも、特に好きな子はいなかったかな。

小学生のときも、転校ばっかりだったし、」



「そう。転勤族なら仕方ないわね・・・・・・

じゃあ、好きなヒトのタイプは??なかったらこんな感じ~とか具体的じゃなくてもいいわ。」



そう言われてみると好きなヒト。理想の人ってことかな??どんな人だろう。

強くて引っ張ってくれる人??優しくて包み込んでくれるような人??甘えん坊な人??

ちょっとイジワルな人??

考えれば考えるほどにいろいろな人が出てきて収拾がつかなくなっていた。





ルッコはみてられない、っという風に、額に手を当てながら言う、


「そんなに考えてどうするの??」


「あんた、今絶対眉間にしわ寄ってるでしょ??」



「うん、寄ってる」



「否定しなさいよ」

さらに助言するルッコ。


「もっとシンプルに。シンプルが一番よ??」




ーーーーーーシンプルに。βテストから始まり、昨日のタワーダンジョン”スフィーダ”の1階。フロア1(ワン)の攻略に至るまで、いろんなことがあった。クエストマスターのカインズさんの説明も

きかないでいきなり飛び出してフィールドポイントの位置を間違えたり、コウとケンカして、カメラート

の5人をバラバラにしたりして危ない目にあったこと。これまでかなりの時間をプレイしたけど、

まだ、仮想現実における死を体験せずにいられるのは・・・・・・





「コウかな??」




「え、なんていったの??聞こえなかったわ。もう一回言って??」


耳を傾け早く言ってといわんばかりだった。




しかし、当の本人は荒れ模様だった。

ーーーーーーーーあ、危ないところだった。心の声が漏れてるなんて気が付かなかった・・・・・・

今の聞かれてたら4人全員とまではいかずともアルに言うことは間違いないし、

コウの顔ももう見られなかったかも・・・・・・

なんで私、あんなこと口走っちゃったんだろう。

好き、ってことなのかな。それがわからない。

他の3人も好きだし、もっとみんなで冒険もしたいと思ってる。

でもコウには・・・・・・感謝。感謝してる。

でも良かった~聞かれてなくて・・・・・・



「言いなさいよ。ナギ!?この私の、いや私たちのAMPは私がリーダーなんだから!!

私の言うことは絶対よ。」

頭を両手でぐりぐりしながらルッコは、



「何も言ってないってば、ルッコ!!」


少女は頑ななまま、再度名前を上げることはなかった。



「え~なんか気になるネ~」


現れた声の主は、アル。いつものように髪を後ろで一くくり。


「アル??ルッコ、アルも呼んだの??」


「当たり前でしょ。そのためのいや、なんでもないわ。とにかく移動しましょう。」








サンシア地方 噴水前








3人は噴水前に移動した。



「アルには昨日の時点で今日何をするかを伝えてあるからAMPの説明の必要はないわ。」


「で、早速だけど、アル、なにかいい案はない??」


「ナギは、今身近に感じる男性は誰ネ??」



ーーーーーーー今度は間違えないように、中立的な立場で言わなきゃ、


「身近に感じるのは、異性っていう意識はないんだけどやっぱりコウとシンとアルかな。」



そういうと少し、アルは照れくさそうに手をすりすりして顔を下にしている。


ーーーーーーアルもやっぱり恥ずかしいのかな。


少し小さくなった声で提案を続ける。


「ナギは、ワタシが言うのも何だけど、圧倒的に男性経験が少ないネ。なにかあったら積極的になるのが一番ネ。」



「具体的には、どうするの??」


その質問にはルッコが答えた。


「ナギ、QSKって知ってる??」

少し考える様子を見せてから、答える。



「わかんない。」


「クイックサーチカメラート。Quick Search Kameradのこと。すぐにカメラートを作って冒険できるシステムのこと。 まあ、そうね。結構知らない人も多いみたい。」


「私もスレをみて知ったんだから。」


「すれ??」

続けてナギは尋ねる。


今度はアルが答える。

「スレってのはスレッドの略。簡単に言うと掲示板ってのがあってそこに記事を書き込むの。

つまり、だれでも書ける小新聞みたいな。」


「レスって言葉もあるんだけど、レスポンスの略で、その記事に対しての反応や予備知識、などを

どんどん追加していく。って感じ。その当事者も交じってメッセージで会話することができるネ。

今は、そのレス、反応が、立てたスレ、記事に書かれると、自動で更新してくれたりもするネ。」


「ナギも使うといいネ。」


「レスはその立てたスレ??に見た人は必ず書かないといけないの??」


「いやいや、そんなことはないネ。あくまで自由。このGQOとも似てるかもしれないネ。」


「わたしもQSKすればいいの??でも男の人と組める可能性はあるとは言い切れないんじゃない??」


「その点は、お気遣いなく。ネ。」


ナギのもっともな質問にウインクで答える。


「ナギは職業については知ってるネ??」


「うん」


「大体の確率で女性プレイヤーは僧侶プリーストと魔法使い(マジシャン)にだいたい半分ずつ流れるの。だからファイターや武道家の人はほとんど男だけよ。」


「そこで、QSKを指定検索でいくとどうなる??」


「ほとんどの確立で男がほいほいくるわけよ!!」



ーーーーーーそんな、あの黒いGみたいな言い方しなくても・・・・



用語解説と便利な職業別ではなく性別でのQSKクイックサーチカメラートの仕方を教えられたナギは

教えられた手順でQSKを試してみることにした。


プレイヤー名での直接検索の方法はなく、

かなり簡単な仕組みらしい。

まず初めの欄では目的を設定。次に希望する人数を指定し、

次の欄では、希望時のみ、という表示が加えられ

職業別の欄で選択ができるようになっていた。さらに次の欄ではregion指定もあり、

自分の町や同じサーバーになるであろう人とも組めるようになっていた。

最後の欄には一言と挨拶がある。定番の欄で締めくくられていた。




まずは目的の方だが、資金集め、レアアイテム探し、スフィーダ攻略、レベル上げ、素材集め、などほかにも多岐にわたっていた。

今回は無難にレベル上げという名目(本当は男目的)で指定した。

人数に関しては、ルッコとアルも今回は参加してくれるといってくれたので三人はあらかじめ(仲間)メイトのほうで(集団)カメラートを作って4人体制で追加募集人員一人を募るという形で選択した。



しかし最大の難点はここだった。

アルが尋ねる。

「職業はどうするネ??

ワタシはやっぱり武道家マーシャルね。同じ道を歩むものとしてともに進んでいきたいネ。」


「え~。私は、戦士ソルジャーがいいかな。男気がある人でグイグイ引っ張って行ってくれる人。」


「ねえルッコ、それなら、シンを呼べばい・・・・」

私がシンを案にあげようとしたとき、うなるような低い声が放たれた。


「あいつは・・・・・・ダメ!!女たらしだし、すぐにどっかいくから。論外ね。」



ーーーーーーーー地雷だ。





アルとナギはすぐさま判断し、最善の案を考える。


「職業は5種類だし、自由リファーは少ないだろうし、

戦士ソルジャーでいいんじゃないかな??」

苦々しい理由づけながらも二人は了承してくれた。

戦士を選択し、一言と挨拶には、


強い人募集してます。優しくエスコートしてくれるヒト募集中です♡



ルッコ、ブリッコ節全開である。







Now Searching・・・・・・


検索中の文字が浮かび上がる。






Decide&Connecting・・・・・・



「きたネ。」

「決まったわ。」

「・・・・・・」

3人の生唾を呑む後に現れる白いシルエット。






Letsieという名前が左上に表示されている。





シルエットは座っていたのだろう。片膝をついた状態の待機姿勢からゆっくりと立ち上がり、

徐々にそのシルエットは明らかになってきた。



身長は高め、コウよりも高いとすぐわかる。整ったシアン色の髪の毛は清潔感を与え、

黒い瞳は大きく鼻は高い、装備は頭は外されているがそれ以外は、

銀色の鎧、ブーツ、腕あてでまとめられている。

鎧は、頑丈そうにつくられており、その先々は鋭く針のように尖っている。

銀色のブーツの膝の甲羅部分には緑の宝石が埋め込みされており高級感も漂わせる。

腕あては前腕と肘が主で手には、ダークブラウンのグローブをはめ込んでいる。

下地の色は藍色を基調としたものがブーツや前腕からのぞかせ、

腰当てはカジュアルに前側の太もも辺りまでのびている。







この好青年をみたアル、ナギ、は口々に一言述べていく。

「センスいいネ。」


「うわ~~。」



二人が何も言わないルッコを見ると、口をあけたまま、だった。




「「る、ルッコ??」」



二人がルッコを挟んで、肩口をゆすると始動した。














「イッケメンキタァーーーーーーーー!!」












カップを磨きながらふと聞こえた声に考えを巡らす。

「おっと・・・・・・この声は、あのタピオカのお嬢さんのお友達の声。とても響きますね。少しBGMには大きすぎますが。」

少し笑ったマスターに客が問う。

「マスターなんか面白いことでも??」

「いえ、楽しそうな声が少し聞こえましたので。」

「ふ~~ん変なマスター。」




声はカフェテラスまで響いていた。

少しずつ書いていきます。


どうぞお付き合いください。

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