quest18 pervert ~変態男現る~ side nagi
お待たせしました。またよろしくお願いします。
とりあえず、かいてみようと思います。
もしつまったらすこし休みをとろうとおもいますが
とりあえず、またお願いします。
ナギ視点です。
では、どうぞ!
私は、目をつぶったまま、その瞬間を待っていた。
しかしいつまでたってもそのときは訪れず、
「おい、大丈夫か!返事しろ!」
その声に驚いてびくっとなってしまった。
わたしは、小さく確認するようにいった。
えっ、今マッシュから突進を受けて、
やられそうになってそれで目をつぶってて。えっ?
夢ではないことを確認して、わたしは動揺して言った。
「う、ううう。え、死んじゃったの?
あーあせっかくレベル上げようと思ったのに。残念だったな。
あれ?でも、死ぬと恐いほどの恐怖に襲われるって、
誰かが言ってたような気がするけど気のせいかな?」
すると、その男の人は急斜面の川のように早口でいった。
「おい、大丈夫か?起きれるか!
これは、ソルティアペンダント。ほら。
体力ポーションは、使ってないってことは無いってようだな。
今から言うことを聞いてくれ。このソルティアペンダントは、帰還できるペンダント。脱出用ペンダントだ。」
「俺が敵を蹴散らしてすぐに一緒に脱出する。それまでは、
気の影に隠れておいてくれ。
最後に、あともし俺の体力ゲージが赤になったら、すぐに、そのペンダントを使え。わかったか?」
そういって彼はペンダントを投げてきた。
――――――――――そういえば男の人っ!む、むり…
今思えば、カインズさん以外の男の人と話したり、
ましてや、一緒に冒険するなどといったことはなかったわたし。
現実でも女子のグループに入れていないわたしが男の人に話しかけるまたは、話しかけられるわけがない。
何年ぶりだろうか。正直覚えてない。
そしてそのなんとかペンダントを投げ渡した彼が
とりあえず、助けてくれることだけはわかったけど、
早すぎるその言葉に、うんとは、言えずに首で反応しておいた。彼はわかってくれたようだった。
―――――でもよかった。わかってくれたみたい。
でも、あんなに数が多くて強いのにどうするつもり?
ひきつけて逃げるってことかな?
だとしたら… などと考えていると
モンスターがじりじりとせまってくる。
思わぬ援軍に警戒したみたいだけど、
なにもしてこないのであっちからくるようだった。
ど、どうしよう…
「ほら、走れ。隠れろ。」
咄嗟にわたしは、近くの木に全力で
走って逃げた。そして隠れた。
彼は、モンスターを一瞥して小さく言った。
『無理ゲーだろ。』
えっ、無理ゲー?ってことは殺られるってこと?
やばいよ。どうしよう。とりあえず、赤ゲージになったら
な逃げろって言われてるけど、そんなことはできないし…
次の瞬間彼は、一気にスピードをあげた。
えっ?
モンスターを置き去りにする圧倒的スピード。
そしてあのステップ。左に1歩入れてから、右払い。
背後に回って切り上げ、突き、
みるみる敵がいなくなっていく。
わたしは、鳥肌が立つのを感じた。
――――――――す、すごい。
10体以上いたマッシュたちがいなくなった。
お、おわった。すごい。と思って近づこうとしたけど、
まわりからまた何体いるかわからないほど多くのモンスターが出てきた。
彼は、すぐに今度はジクザグステップで倒していく。
なんとか15体のモンスターをのこして一掃したけど、
急に彼の動きが遅くなった。
なんで。やばいよ。どうしよう。
彼は諦めたように下を向いてポツリと言った。
「やむを得ない。やるしかないか。」と。
そういうと彼は二本の剣を後ろに引いて構えた。
『火渦!!』
そういって同時に剣を平行にしたまま薙ぎ払った。
とてつもない炎の線がモンスターに襲いかかる。
残りの15体のモンスターが光に包まれていった。
「ふぅ終わった。」そういって剣をしまった。
恐かった。早く帰ろう。と彼に言おうとしたけど、
言えなかった。恐怖でなにも言えなかった。
すると、
今度は違う色をしたモンスターがでてきた。
こんどこそやばいよ。でも彼は戦った。目は離せられない。
わたしは彼をずっと見ながらも、
必死で恐怖を抑えようと耳をふさいだ。
ヤバイと思ったのは彼も同じようで踵を返して走ってきた。
どうするの?と言おうとした瞬間。
彼はわたしの手を握った。
ええ!?手?男の人だよね!?初対面だよね!?
いきなり手を握るなんて…
急すぎるよ。恥ずかしい…
わたしは、そんなことを考えながら
うつむいたまま走った。
でも、彼の走るスピードについていくのに必死で途中からそんなことを考える余裕がなくなった。
でも、彼はわたしの手を握ったまま、走った。
――――――でも何でだろう?不思議なのは、
彼に手を握られるのは懐かしい気がする。
も、もしかして私って手を握られたことあるのかもしれない。
まさか、数人の男子とかと。
いやいや、そんなビッチじゃないよね。
自分でもよくわからなくなってしまった。
辺りが見えるようになって最初のきれいな水平線近くまできて
彼は言った。
「脱出。サンシア地方市街地。」
私たちは光に包まれた。
_________サンシア地方 市街地
目を開けると、噴水の近くに脱出したらしかった。
なぜか視線を感じる。
視線の方向は、私の手?
みると、見事なカップル繋ぎ。
あわてて手を離すように促すけどびくともしない。
すこしして彼は気づいたように
「ああ、ごめんごめん。結構急いでたからさ?」
そういってやっと離してくれた。
もう、わたしは蒸発しそうだった。
顔が仮面で見ることができないのがせめてもの救いだけど、
うつむくしかなかった。
すると、彼は急に
「ちょっと待ってて。」
そういって露店のほうに走って行った。
その時間にわたしは思い返していた。
まずは、モンスター。
最初の方は難なく倒せていたけど、
奥になってから桁違いの強さだった。
そして、最後のモンスターの色、あんまり聞いてなかったけど、
カインズは何もいってなかったように思えた。
そして、それに対する彼の動き。
さっきの戦い。すごく綺麗だった。
あざやかなステップ。
そして、最後の技。
ああいう風な人みたいになりたいな。
そういえば名前はなんて言うんだろう?
あとで聞いてみなきゃ。
わたし、強くなるって決めたばっかりだったのにな…
ちょっとガッカリ。
自分の反省会がおわり、
少しして彼が戻ってきた。
すごく楽しそうに戻ってくる。
顔はあんまり見えない。というか、見えない。黒ローブで。
なんで見えなくしてるんだろう?
まあ、わたしも同じか…
「またせたな!」
なにかもってる。
もってきたのは…
焼き鳥みたいなのと、ジュースみたいだ。
ふふ、アリスちゃんが言うような人ってこんな感じなんだろうな
と、彼がつまずいて、わたしのほうに近づいてくる。
ズドーン
彼はわたしに覆い被さるように
一瞬だった。胸に衝撃が走った。
「すまない、つまづいて…んっ??」
モミモミ。
―――――――――触ってる。触られてる!?
「きゃあっ!」
彼は、呆然としたまま、私の仮面か私の顔をみている。
彼は仮面に手を伸ばしてきた。
とれなかったようだけど、力をいれて今度はとろうとする。
わたしは、本気のビンタをお見舞いした。
パチンっ!
そして、すぐに遠ざかるように離れた。
「ご、ごめん。まさか、女の子だなんて」
――――――何てひと!?胸まで触って、とっさの言い訳がこれ??
ありえない。さっきちょっとおもしろいかもとか思ったのが大間違いだった。
わたしは、大声で罵倒した。
「なにいってるの!女の子の胸まで
触って言い逃れできるわけないでしょ!変態!」
そして、なおわたしが遠ざかろうとすると、彼もまた近づいてくる。
「いや、そうだけどさ、本当に気づいてなかったんだって。
だって、あのときのフィールドは殺気立っていったし、
必死になってからさ、そうだろ?」
といって、同情を誘ってくる変態。さらにわたしは罵倒する。
「そんなこときいてない!ひどすぎる!始めに謝らないし、言い訳する男ひとって最っっ低!この、変態!」
言い逃れは許すまじ。今日改めてこれを心に刻んだ。
「ごめん、悪かった。でも、変態はやめて。地味に傷つく…
まあ、怒ってるっぽかったから、
とりあえず、露店で買ってきたものあるから食べろよ。」
食べ物で機嫌をとれると思ってるの?
美味しくなかったらなにか買ってきて
と言おうと思ったけど、思いのほかヒメドリ焼き鳥はおいしくてなぜか、わたしの大好物に認定されたばかりの
オニグルミのジュースまで手配してきた。
やるなと思いながらも口に出すことはせず、
あくまで、すこしだけ溜飲をさげたということにしておいた。
ひととおり食べ終わったあと、彼は、ナプキンをわたしに渡しながら言った。
「まず、その仮面とってくれない?」
「無理。」
「どうして?なんか複雑な訳でもあるのか?」
ちゃんとした、わたしが今の自分よりも成長したときに取れると言いたかったけど、今さっき、自分に落胆したばかりだったので言いたくなかった。
だから、怒っている風に見せかけてごまかした。
「うるさい!変態!どうでもいいでしょ。そんなこと。
あんたには関係ない!」
すこし黙って諦めたようだった。すると、
「なら、名前だけでも教えてくれないか?」
「普通は尋ねる方から名乗るものじゃない?」
少しぶっきらぼうだったかな…
と思って彼を見てみた。
彼は少し悔しそうな顔をしたがすぐに切り替えて、
「俺はコウ!職業は、Lefer(自由)だ。
さっきはほんとに悪かった。」
ふん!といったけど、わたしもあいさつはした。
「わたしの名前は、ナギ。一応、職業はLefer(自由)だから。」
わたしは言って気づいた。アリスちゃんの言ってたおもしろい人ってこの人だったんだ。
わたしは反応してしまった。
『Leferじゆう!?』見事にハモってしまった私たち。
「ちょっと待て。お前もあのわけのわからん説明をきいてえらんだのか?」
「ちょっと待って。あのアリスちゃんが言ってたおもしろいひとってあんた?」
これまた、同時だった。
その後、アリスちゃんについての討論というか、
アリスちゃんのことについて話したけど、まるでわかってないみたいだった。
あんな可愛い子が毒舌言うとかありえない。
まあ。最後はわたしが力押しで言い勝ったけど。
そして、いくつもの勘違いをしていることが発覚した。
まず始めに、フィールドポイントが逆だったこと。
カインズの話を聞かなかったことを怒られた。
カインズがコウより強いということには、
ちょっとビックリした。
モンスターについてルールドモンスター。彼、コウは亜種化と呼んでいた。
ついでに、冒険の仕方についてもレクチャーしてもらった。
あと、一番重要なことでもある公式サイトについてはわたしが損していることにも納得できた。
最後には、アリスちゃんから説明の最後にもらった武器チケットについても聞いて教えてもらった。
足が早くていいと思うなどと言われたけど、正直逃げるときのコウの顔は涼しくて腹が立った。
慰めにもなってなかったけど誉めてもらったのは素直に嬉しかった。
さんざん話して、感謝の言葉を言う順番が遅れたことと男子と話していることに恥ずかしくなって感謝とは言えない感謝をしてしまった。
笑われたけど、こんどなんかあったら
ちゃんとそのときは言おう。
そうきめたわたしだった。
そして、わたしとコウは別れた。
わたしは、コウのようになる。コウに並んで戦えるようになる。
今度こそ強くなる。そのためにも時間が必要。
幸運にも正式サービスまで3~4カ月ある。
その短い期間に習い事を全てマスターしてやる。
礼儀作法、バイオリン、ピアノ、茶道、生花、バレエ、勉強も上位にはいってやる。
全部終わらせて、叔母さんに何を言われても言い返せるようにしてやる。
よし、武器屋にと思ったが、
ゲームなはずなのに、現実のような死の狭間。
そんなものに疲弊してしまったのだろうか。
わたしは武器屋によらずログアウトした。
かなり、長くなりました。
これからまた頑張っていきたいと思います。
感想よろしくお願いします。
では、また、




