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Grand Quest Online (仮)  作者: プードル
GQOの世界~βテスト編~
17/32

quest17 Savior ~救世主~

出くわしました。




どうぞ。




________始まりの森 テスターへの試練



仮面の人を発見した俺は、すかさず、

[ソニックアクセル]を使い、急加速。現場へと急いだ。



―――――――――――なんだ、これは?




そこには、20レベル超えのルールドモンスターが10匹以上。


しかも、先ほど通常モンスターと戦った場所のように、


視界は良くない。むしろ悪い。


そんな。状況の中で戦うのは、無謀にもほどがある。


一人なら逃げ出しているかもしれない。


だが、今回は、人が絡んでいる。しかも赤ゲージで動くことすらままならないようだ。


俺は、かけよって


「おい、大丈夫か!返事しろ!」





――――――――――――脳震盪(のうしんとう)起こしてるのか?



そう思っていると、ぶつぶつ言っているようだ。

しかし、男か女かわからない。



「う、ううう。え、死んじゃったの?

あーあせっかくレベル上げようと思ったのに。残念だったな。

あれ?でも、死ぬと恐いほどの恐怖に襲われるって、

誰かが言ってたような気がするけど気のせいかな?」



大丈夫そうだ。とりあえず俺は言う。


「おい、大丈夫か?起きれるか!


これは、ソルティアペンダント。ほら。


体力ポーションは、使ってないってことは無いってことだな。


今から言うことを聞いてくれ。このソルティアペンダントは、帰還できるペンダント。脱出用ペンダントだ。」


「俺が敵を蹴散らしてすぐに一緒に脱出する。それまでは、


気の影に隠れておいてくれ。


最後に、あともし俺の体力ゲージが赤になったら、すぐに、そのペンダントを使え。わかったか?」



その人は、カチンと固まったようになったが、こくんと頷いたような気がしたので、スッと立ち上がる。



ジリジリと俺たちとの距離を縮めてくる。


「ほら、走れ。隠れろ。」


さっと立ち上がり、かけていく。まあまあ早かった。


それだけ、言い残してルールドモンスターたちに向かっていく。












さてと、どうしようか。正直、前回のルールドモンスターとは、レベルも上、さらに集団リンチ。はあ、ダメだろ。














『無理ゲーだろ。』












俺は、素早くピストレーゼをかまえて向かっていく。



自動魔力ポーション使用で、MPは、フル回復。


――――――――――今回は、少し、余裕がない。


短期決戦だ。




そう思った俺は、[ソニックアクセル]を再使用し、ルールドモンスターたちを一掃していく。








よし、終わった。






と思ったが、10体20!!50体だと。ヤバイ。想定外だ。



効果があるうちに倒そうと頑張るが、あと15体というところで、


スキル効果が切れてしまった。


ルールドモンスターたちは一気に突進やら火の玉(大)やらより粘着力の強そうな攻撃を一気にしてくる。





!!




やむを得ない。やるしかないか。







俺は、ピストレーゼ両方の剣を後ろに引いて構える。



いくぞ!


火渦(かえん)!!』



2つの炎の線が、上下に別れて、

ルールドモンスターたちに襲いかかる。


その(ほのお)は、マグマのようだった。







シュウ~



モンスターたちは、炎に焼かれて、光へと吸い込まれていった。


森のあたりの一面が焼け焦げた感じを思わせ、

かなりの衝撃が目に見えてわかるようだった。



「ふぅ終わった。」




しかし、今度は通常モンスターたちがでてくる。


俺の魔力ポーションは、すでに切れてしまっている。



ここは逃げるが得だ。


と、俺は耳を塞ぎながら震えてボーッとしている人の手をとって走った。


ついてこれるか心配だったけど、先ほどの動きを見る限り大丈夫なはずだと信じて7割のスピードで走って逃げた。



水平線が見えるところまできて俺は、うつむいている人の手を握ってソルティアペンダントに告げる。


「脱出。サンシア地方市街地。」


白い光が俺たちを包み込んでいった。










________サンシア地方 市街地




目を開けると、あのディールとモカのバカップルの告白現場である噴水近くのところだった。



なぜか、手を握っていた俺に力を入れて放すように促してくる。

俺は、やっと気づいて、




「ああ、ごめんごめん。結構急いでたからさ?」


と同情を促す。


しかし、うつむいたままだった。


――――――――同情は、いらなかった。なぜ助けたんだと思っているかもしれない。確かにあの素早さなら、敵の死角に入って倒せるかもしれない。でも、防具は男女兼用ダボダボのジャージみたいなものだった。


なにより武器が短剣(ドルヒ)だった。

暗殺や、急所狙いが一般的な武器だったし、あの大多数に

突っ込んでいったのはなぜか気になったというのもあるのだ。

しかし余計な手を加えて怒らせてしまったかもしれない。



そう思った俺は、露店でなにか買ってこようと思った。


「ちょっと待ってて。」



そういって俺は、露店にいった。



露天でなにかを買おうと思っても何を買えばよくわからない。


服?防具?おかしい。アクセサリー?ポーション?

意味わからんな。


うーーんと考えていると、目についたのは、美味しそうな焼き鳥だった。



商品名は「ヒメドリのタレ浸け」


一本200がガルドでお手頃価格。


「大将、4本くれ!」そう言って、ビニールに包まれた

ヒメドリの焼き鳥ゲット。


飲み物のほうは、俺一人なら節約重視で水だが、

先も言ったが、今回は人が絡んでいる。人様だ。


ならばと、カフェテリアで


「マスター!いつものくれ…」と渋顔で言ってやった。


なにいってるボウズ。みたいな顔をされたが、すぐ戻って、

かしこまりました。と言った。


出されたのは、オニグルミのジュースのカップをだった。


「ありがとう。」


俺は、お金を払ってカフェテリアを去った。









「またせたな!」


そう言って、急いで近づいていった。






が、あと少しというところで、

溝の隙間につまづいた俺は、盛大にこけてしまった。

そいつに覆い被さるように。







ズドン。








「すまない、つまづいて…んっ??」


ムニムニ。ヤワラカイ…


大きいとは言えないが、ほどよい大きさで

俺の手には、ジャストミート。最高だ。








謎の感覚にとらわれる俺。





「きゃあっ!」














へっ、女の子?






顔をあげると、可愛い仮面

よく見ると、女物であることがわかる。

髪も、顔もよくわからない。ぼやける感じ。

不思議だ。


気になるな。

そうおもって俺は、仮面をとろうとする。


おりゃ!!


無理だ。硬すぎる。どうなってる?


力を入れて本気でやろうとしたとき、

目の前を襲ったのは、右手から放たれる、光のようなビンタだった。





パチンっ!








すぐ左頬を確認すると、

自分でもわかるぐらいの熱を持っている。






――――――――ああ、たぶんも紅葉できてるな…

そう思っていると。





ものすごい勢いで後ずさりする女の子が一人。




ああ、忘れてた。





「ご、ごめん。まさか、女の子だなんて」

そう言って俺は彼女に近づく。




「なにいってるの!女の子の胸まで

触って言い逃れできるわけないでしょ!変態!」

と言って、後ずさる彼女。



「いや、そうだけどさ、本当に気づいてなかったんだって。


仮面みたいなもの被ってるし、しかもぼやけるし。


だって、あのときのフィールドは殺気立っていったし、


必死になってたらさ、なおさらだから。そうだろ?」


なんかついごちゃごちゃしてしまった。



「そんなこときいてない!ひどすぎる!始めに謝らないし、言い訳する(ひと)って最っっ低!この、変態!」



「ごめん、悪かった。でも、変態はやめて。地味に傷つく…


まあ、怒ってるっぽかったから、


とりあえず、露店で買ってきたものあるから食べろよ。」


と、俺は、落ちたてしまったが、無事だったヒメドリの焼き鳥と


オニグルミのジュースを彼女に渡した。


「食べ物で釣るな!」と、彼女は、言ったが、


ああ、オニグルミのタピオカジュース!とかなんとか言ってすぐに機嫌が直ったのはいわないでおこう。




一通り彼女が食べ終わったのを見計らってから、ナプキンを渡しながら俺は尋ねる。




「まず、その仮面とってくれない?」


「無理。」


即答かよ。


「どうして?なんか複雑な訳でもあるのか?」



彼女は、タレで汚れた口をふいて、

睨み付けているように言った。


「うるさい!変態!どうでもいいでしょ。そんなこと。

あんたには関係ない!」


この有り様か。もうやめとこう。


「なら、名前だけでも教えてくれないか?」


「普通は尋ねる方から名乗るものじゃない?」


―――――――――――――くっ、助けてやったののにこの態度か。

本当なら怒鳴り付けているところだが、

今回は俺にも非がある。まあ、いい体験させてもらった。


「俺はコウ!職業は、Lefer(自由)だ。

さっきはほんとに悪かった。」


ふん!と彼女は鼻で笑ったが、すぐに、


「わたしの名前は、ナギ。一応、職業はLefer(自由)だから。」







『Lefer(自由)!?』二人の見事なハモりだった。









「ちょっと待て。お前もあのわけのわからん説明をきいてえらんだのか?」


「ちょっと待って。あのアリスちゃんが言ってたおもしろいひとってあんた?」


これまた、同時だった。



「どうぞ。」俺はレディースファーストを発動した。

先に譲ったのだ。


「まずは、アリスちゃんがあなたを心配してた。

たまには、顔みせてあげなさいよ!

でも、アリスちゃんにもさ、さっきみたいなえっちなことしたら今度こそ、わたしの短剣(ドルヒ)で刺し殺してやるんだから。」


「はっ?あの毒舌ギャップ幼女アリスがか?

ハハハ、ありえるはずがあろうか、いやありえない!

しかも、俺には幼女趣味はない!

俺がどれだけ痛めつけられたか…グスッ」


「あの可愛い、アリスちゃんを

そんなふうに言うなんて、ひどすぎる!」



このナギの見幕がすごい。


そんな某小説タイトル賞が頭にちらっと浮かんだ。


俺は、観念して言った。

「わかった。ごめん、俺が悪かったよ。顔も見せるし、あの少女は良い子だ。」



こくこくと、うなづいて、


「わかればいい…」などと言っている。


俺は訊ねた。


「俺からいくつか質問がある。これだけだ。

まずは、どうして武器も防具も初期装備で強力なモンスターがいる西のフィールドポイントにいった?」



「えっ、あそこは東のフィールドポイントじゃないの?」


「お前はバカか!なんで確認しなかった。

カインズさんから説明されなかったか?

東のフィールドポイントから序盤は慣らせよって!」




「いや、1日目は、サンシア地方の市街地の散策してて、

今日の最終日は、モンスターを倒してみよう。

で、クエスト本部行ったんだけど、緊張とワクワクで頭が真っ白になっちゃってはじめての冒険でその、ごめんなさい…」

彼女は萎えてしまっている。


つい熱くなってしまった。


「ごめん、熱くなって・・・悪かった。

カインズの話は、大切だから聞いておいた方が絶対良い。あの人は俺より強いから。」



「えっ、コウよりも強いの?」ナギは非常に驚いている。


―――――――――コウって初めて呼ばれた。

感動した。




「うん、完全に負けたよ。でもいつか勝ってやるんだ。


そして俺専用の武器をつくってもらう。


当面の目標はこれだ。


って言っても今日でβテストは終わるけど。」


「待って、ってことはナギは8日目のテスター?」



――――――――ナギって言った。

感動した。




「そうだけど。」


「レベルは?」


「25だけど。コウは?」


聞かれて俺は確認すると、おっ!カンスト達成!



「俺は、さっきの戦闘で30になったよ。」


「ということは、コウは29レベルであのモンスターと勝負してたの?

すごい、あんまりレベル離れていないのにどうして?」


―――――――――なぜ、ルールドモンスターの名前を知らない?

公式サイトで一番のネタになっているのに。


「経験かな。やっぱり東のフィールドポイントの始まりの森のおかげだと思う。」


「へぇーじゃあ、私もそうする。」


「もしかして、ナギって公式サイト知らない?」


「なにそれ?」


「お店情報とか、プレイヤーみんなの記録とかプログとか


色々と更新していて楽しめると思うよ。


「へえそうなんだ。帰ったら見てみる。」


「俺からは以上だけど、何かしらの、質問ある?」


「ねえあのこれ。」ナギがそう言って見せたのは武器屋のチケットだった。



「ああ、それは。武器屋のチケット。


ナギにも合った武器をくれるよ。きっと!


モカさんって言うんだけど、いい人だから。」


「わかった。 じゃあさっそく行ってみる。」


「じゃあな。良い足もってたからきっと強くなれる。


がんばれ」


「うん、じゃあね。」


俺が帰ろうとすると、


「あ、あのありがと。」

不本意な感謝をするほどおもしろいものはない。


「プッ、なんだよ。どういたしまして。」


「わ、笑うな。変態!」


と言ってナギは逃げるように武器屋の方へと走って行った。



「よし、目的達成。


明日からは、正式サービス始まるまで勉学に励みますか!」


少し、懐かしい、幼い時がよみがえった気がした。


そして俺は、ログアウトした。
















To be continued


さあ、この二人がどんな冒険を広げてくれるのか。


たのしみですね。


では、また!

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