quest15 Inexplicable scar ~謎の傷痕~
さあ、少しさかのぼってコウの5日目のプレイです。
前の日には、ディールと、モカがいい感じになりました。
その次の日です。
どうぞ!
_____ 15:00 サンシア地方市街地
俺は、次の日あのあと、
いい感じになったディールとモカの様子を
とりあえず見に行って茶化してやろうかな、
と思って立ち寄った。
「何で、私があんたの、家に遊びに行かなきゃならないのよ」
「いーじゃねえーか!防具に包まれてデートってもんは。」
「なら、私の武器屋の方がいいわよ!来なさいよ!」
「嫌だ。防具がいい。」
「いーや、武器よ。」
また、また口論していた。
――――――――くっついたと思ったら、これか。
世話の焼ける…
そして、ついにキレたモカがディールに近くのバケツの水を
ぶちまける。
ビシャッ。
ふたりの目線の先には、濡れた髪の毛と服の俺。
「なにやってんだ」小さな怒りを含めた声で言った。
「あ!ごめん、コウ。」
話を聞くと、今日はデートに行こうという話になったらしく、
場所決めをしていたらディールの家か、モカの家か。
口論になったとのこと。
――――――――単純だな。アホだ。
俺は尋ねる。
「ふたりとも一緒に居たいんだな?」
「そりゃーな…」
「ええ、それは…」と二人とも顔を赤くしながら答える。
――――――――全く、これだから恋愛経験のないやつは…と内心、
馬鹿にする。
かくいう俺も、向こうで1度告白をしたが、見事に
「Japaneseダカラネ。No,thankyou!」と人種差別された。
過去は振り返らない。しかし、ふたりに俺は意見する。
「まず、二人ともいきなりお家デートは気が早いんじゃないか?
」と半笑いで言う。
さらに二人の顔は赤くなるが俺は続ける。
「ふ・つ・う。ふつうは、カフェとかあるだろうが。
そこでイチャイチャしてればいいんだよ。」
少しぶっきらぼうに言ったが、二人は俺を師匠を見るような目で、真剣に見つめてくる。ふふ、かかったな。
それで、それで?という顔をするので尋ねた。
「二人はカフェとお家はどっちがいい?」
「家だ。」
「お家ね。」
「そこまで言うんだったら1つ提案がある。」
ゴクリ。と息を飲む音がする。
「お前ら二人、一緒のお店にしたらどうだ?
それならいつでもデート。
仕事もできる。一石二鳥じゃないか?」
「おぉーそうしよう。」
―――――単純だな。本当に、大人なのか?バカすぎる。
クシュン。体が、寒い…
「あ、コウ、ごめん。濡れてたんだった。こっち来て。タオルと着替え貸してあげる。」
そうモカに言われた俺は、武器屋に入る。
とりあえず髪をかきあげると、ディールが話しかけてきた、
「コウ、なんだ、その左目の上の髪の生え際のところ。大きなキズ出来てるぞ?どうしたんだ?」
「ディール?コウがどうかしたの?」とモカまで出てきた。
そう言われて近くの鏡で確認してみると、何かにひっかかれたような大きなキズが残っていた。
――――――――本当に現実世界のままらしいな。
俺はディールに説明する。
「ああ、この傷か。よく覚えてないんだが、小さい頃らしいんだが、親父が言うには、それは男のキズ。戦士の傷だってさ。」
「なんだそりゃ。すごいけど、かなり痛々しいな。」
「うん、ほんとね。」
「まあ、だから髪を下ろして見えないようにしてるわけ。」
突然、
「ちょっと待ってて!」と、モカが奥に駆け込んでいく。
ガシャンガシャン、と音がする。大丈夫だろうか。モカ。
と心配し始めたときモカが戻ってきた。
「コウ!これ。傷を隠せるんじゃない?」
と言ってきて、渡されたのは、モカの着用している黄色のバンダナの大きく、白と赤のバージョンのものだった。
装備から、と思ったのだが、装備には追加されておらず、
どうしようと考えていると、
「これは、おじいちゃんので大きく作ってあるし、
そのままつけれるよ。」とモカに言われて
そのまま白と赤のバンダナを傷を隠すように着けてみた。
すっぽりと、傷を覆い隠せた。
「これならそんな、地味なヘアスタイルじゃなくて少しは
ましになるんじゃない?」といわれた。
――――――――――うるさいがさつ女。
と心では言ったが、
「ああ、本当だ。ありがとう。」お礼は言っておいた。
「これは、武器同様に我が家の物。それもおじいちゃんのもの
ちゃんと自己管理はしてなくさないようにね。
なくしたら、おじいちゃんに報告するから。」
とモカから、釘を刺された。
わかったよ。と返すと、今度はディールが
「コウ、こっちきてみろ。」と呼ばれるがままに行くと、
そこは、風呂場だった。
「コウ、突然だが脱いでくれ。」
―――――――は?
俺は、固まった。
「いや、待ってくれディール。俺は昨日お前らをくっつけた。
なのにお前は俺にまで新しい関係を求めてくるのか?」
「そうだ、俺はモカを愛しているが、同時にお前も愛している。さあコウ。」と恐い顔でよってくる。
後ろに手を組み、前のめりで顔を近づけてくるディール。
―――――――奪われるのか?俺のfirst kiss。こんな風呂場で。
ま、守ってきたのに。やめてくれ。
と、ディールを遠ざけようと、手を前に出して俺は目をつむる。
パサッ、まずは、バンダナをはずされる。
シャリッ。
ん?
目を開けると真剣な目付きで髪を切るディールの姿があった。
「な~にマジになってんだよ。このホモが。
俺にはモカしかいねえよ。」とか言ってくる。
モカはふふふと顔を赤く染めながら、顔を降る。
「このバカップルが!」と言ってやった。
――――――――――――冗談にしては鼻息が荒かったのは気のせいか。
こ、これは隠しておこう。
そう、思いながら俺は髪を切ってもらう。
髪を洗ってもらい、鏡で髪型を確認される。
「どうだ?前髪が暗さの原因だったから多めに切った。
長すぎる場所はきっておいたぞ。良い感じゃないか?」
目の前の自分は自分なのか?
そう思うほどの出来のよさだった。髪は上げられ、
キマっている。
「おお、すごい。すごいディール。」
「まあな!」と鼻を触りながら言う。
俺はふと、疑問を感じて尋ねる。
「というか、ディール。
俺は変えてなかったけどみんなは、髪の形とか色とか変えられるんじゃないか。それを変えれるのか?」
「ああ、ファンタジーDAKARAな☆。」
決めGAOかよ。しかも星まで見えたぞ。
――――――そこファンタジー要素いらなくないか?
そう思わなくもなかったが、返しておいた。
「ファンタジーか。そうだな。ファンタジー!ファンタジー!ハハハ。」そういって笑った。
―――――俺はファンタジーにとりつかれてしまったんだろうか?
自分でまた自分を傷つけた俺は、去り際に、
「もう、金輪際にしてくれよ。
口論、ケンカは見飽きた。
もう少し、仲良さそうなカップルになってくれ。
それと、ディールさっき、鼻息荒かったぞ。」
「なんですって~?」
恐い顔で尋ねるモカ。
俺は、これからディールへと降りかかる災厄を想像しながら立ち去った。
そのあと、俺は、
滞りつつあったレベル上げに勤しむことにした。
場所はシン、ルッコ、アルと戦った場所だ。
フレンドリストを確認したが、3人ともログインしてないらしい。
―――――――――元気にしてるだろうか?
不意に、カインズとの戦いに敗北した悔しさが戻ってきた。
「次は勝ってやる。やるぞ!」
東のフィールドポイントを目指して歩くのだった。
『始まりの森 奥地』
前の戦闘を予想しながらこの場所にやって来た。
しかし、なんだ?どうして…
全く亜種化したモンスターに出会うことはなかった。
キャタピラーとメキラとマッシュを倒しながらそんなことを考える。
どんどん奥に進んで行くが、全く変わらないモンスターの種類と強さ。
今日はこのぐらいにしとこう。そうして、ログアウトした。
6、7、8、9日目のプレイもモンスターを狩り続けた。
たまに亜種化したモンスターも見つけたが、数体程度。
なぜ、なぜなのか怪訝で仕方がなかった。
しかし、その答えは単純だった。
9日目のプレイを終えて久々に見てみよう。と、
公式サイトのページを開いたときだった。
レアモンスターの一覧で見たのだが、そっくり、
いや、まったく変わらない姿で紹介されてあった。
俺が亜種化している。と思った現象というか、モンスターはルールドモンスターと呼ばれるらしい。
ルールドモンスターは、設定的には、より魔力を吸収した強力な珍しいモンスターのようで、それもそのはず、経験値がバカなほど多いらしい。
――――――――あれは、やっかいだったな。
「俺氏悲報。などのルールドモンスターに殺られた嘆きのスレも立っていた。」
確かに、さっきログアウトしたときステータスを見たが、かなりレベルが、上がっていた。
これは、日頃のモンスターを狩っていた成果だな。
と思っていたのだが、そういうことらしい。
改めて納得した俺は、違うページにいってみる。
先日カインズから、先に与えられた情報。
西のフィールドポイントのことだ。
そういえば、行ってなかったな…
と思いながら見ていたが、かなり難しいらしい。
したの方では「鬼畜」「序盤で鬼ゲー」
とヤジを飛ばされていたが、一方では、
「やりがいがある」 「おもしろいじゃないか!」
「やってやるさ。」と、やる気まんまんの声もあった。
声の比率は3:7ぐらいだろうか。
最終的には、ヤジ発言派も蓋を閉じられ、うまく丸め込まれていた。
レベルも上がったし、明日は西のフィールドに冒険だ。
と勢い込んで寝る俺であった。
To be continued
短めです。
ごめんなさい。少し忙しくて…
時間がとれると回復します。
感想くれると回復します。
だれか回復呪文を…




