私の彼氏は‥‥
見てくれてありがとです
私にはほおってはおけない彼氏がいる。彼氏は大学には来たものの、勉強は苦手だから教えないとだし。今まで実家暮らしだったからさほど家事も出来ないし。私はほおってはおけない。
僕には彼女がいる。僕が得意じゃない勉強を教えてくれる。ずっと実家暮らしだったから得意じゃない家事を手伝ってくれる。僕にとっては嬉しいけど最近彼女は僕には勿体という事を思い始めた。彼女は勉強も出来るし容姿も綺麗だからみんなから憧れている。そんな彼女は僕には相応しくないと思い始めたから行動に移した。
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「僕と別れた方がいいよ」
「なんで」
「僕が得意じゃない勉強を教えてくれる事と家事をしてくれる事は本当にうれしい。でも、こんなことをしなくてもいい彼氏は他にいるはずだよ。色々やってくれたお陰で勉強も分かるようになったし、家事も分かるようになった。もう大丈夫だよ」
「まだ心配。あなたをほおっておこうとは思わない」
「君には僕より素敵な彼氏がいるはずだよ......」
私はそんなことはとっくに知っている。この彼氏よりいい男は何人も知っている。でも、こいつをほおってはいきたくない。多分恋の感情はない。
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「さっさっと、別れなよ。あんな男」
「うっさいなー」
「あんなダメ彼氏捨ててもっといい彼氏作りなよ」
「分かってるわよ。そんなことは」
「私はあの男から魅力を感じないわ」
「私は別にあいつの事が好きでやってる訳じゃないわよ。あいつがきちんと出来ることが出来たら即座に別れるわよ」
「あっそ」
私はあのダメ彼氏がどんなにこの子の事が好きなことを知っている。この子は美人で綺麗だから色んな人から狙われてたりする。その狙ってる危ないやからをぶっ倒しているのはダメ彼氏なのよね。それを知ってるから大学の男共はこの子を狙おうとは思わない。それどころか応援している。だってダメ彼氏は付き合って1年は経つのに手を繋ぐ、キスをする、営みをする。を何一つやれていないとこをよく男共に愚痴っているのは有名だ。だからダメ彼氏はこの子に別れ話を何度も持ちかけたらしい。でも、この子はダメ彼氏が身の回りの事が出来るまでは別れないと言ったらしい。彼氏にとっては今だに身の回りの事が出来ないことも問題だけど出来たら別れると言うオプション付が悩みどころなのよねー。この子があのダメ彼氏の事を好きって思えたら変わるだろうけど。
「ちょっとー聞いてる?」
「あーーごめんごめん、何?」
「あいつ今だに料理が出来ないの。どんだけ不器用なのよ」
「そーー」
料理に関しては本当に出来ないのは有名だ。
<そしてある日ダメ彼氏が危ないやからから彼女を守っていることが彼女にばれたのだ>
私はダメ彼氏の家で掃除をしていた。あいつは掃除も苦手な分野だ。そんなことを考えていたらピンポンがなると同級生の佐藤くんから電話が来た。
≪お前か≫
≪私だけど‥‥‥‥≫
≪早く○○病院に来い≫
≪なんで≫
≪お前の彼氏がぶっ倒れて搬送されたからだよ≫
≪え、どうして≫
≪説明は後でするから早く来い≫
なんで、なんで、なんで、そんなことになるのよ。
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「やっと来たな」
「どうしたの」
「まずは色々説明しなくちゃいけない事がある」
「あいつがやっていたことについてな」
「な、なんなの?」
「実はお前を狙っていた危ないやからがいたんだよ。お前は知らなかっただろうな。何せ、お前に危害を加える前にあいつが全部始末してたからな。まぁ、それほどお前の事を好きだったって事だな」
「なっ……………」
「あいつは何回か別れ話をしたろ」
「何回か」
「あれは自分が何かを出来たから言った訳じゃない。お前の事が好きだからこそ言ったんだ。大好きな人がこんな事をもうしてほしくないと思ってな」
「そんな、」
「それに、大好きな人がいるのに、手も繋がない、キスもしない、営みもしない。何もしていないのに付き合っていくことが嫌になってきた事も理由の1つだ」
「……………」
「ほんと、他人事だけど別れた方がいいんじゃないのか。お前は別にあいつの事は好きじゃないんだろ」
「それは、」
「ほんと、あいつは可哀想だよ。言っとくけどな、大学内であいつがお前の事を好きだってことは皆知っていることだ」
「‥‥‥‥‥‥」
「そう言えば、どうして病院に運ばれたか言ってなかったな。あいつは今までぶっ倒してきた奴等大勢に囲まれてボロボロにされたんたんだよ。俺たちが危なそうだと感じたから行ってみてみたら血まみれのあいつを見つけて救急車を呼んで、お前を読んだわけだ」
「………………」
「ほんと、あいつは報われない」
ガラガラ、話しているうちに手術は終わったらしい。
「あいつはどうなんですか?」
「一命は取り止めましたが昏睡状態が続いています」
「分かりました」
私たちは面会も出来ないので病院を出ることにした。
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それから一週間経った。あれから私は分かったことがある。あいつが私の事を好きだと言うことは本当に大学内で知られているらしい。もう一つはあいつがいないから暇で仕方ない。何度かお見舞いには行った。いつもなら大学の授業が終えてからあいつの家に行くのがいつもだった。あいつが私の生活の中心だったと分かるようになった。
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それから、一週間後あいつは眼を覚ました。それから三週間で退院することになった。あいつに今日の夜に家に来てほしいと言うメールが来た。私も言いたいことがあるから行くことにした。
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「ごめんね呼び出して」
「気にすることないわよ」
「あのさ、僕がしたことは友達から聞いたろ」
「ええ、」
「知ってるならいい。今日は言いたいことがあって呼んだんだ」
「何?」
「僕は君の事が大好きだ。きちんと男として見てほしい」
「私は、あなたがいないことがこんなにも寂しいことかと分かったわ。あなたが.........好きよ。今度はきちんと男と女として付き合いましょう」
「本当に、」
「ええ」
この時に私の人生は変わったと思う。ただ、ほおってはおけないダメ彼氏の事を男として本当に好きになる日が来ようとは思ってもいなかった。人生分からないもんだな。
見てくれてありがとです
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