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兵器は世界に何を見る

新連載スタートです。

前作を読んでくれていた方も、今回が初めてという方も、楽しんでいただけると嬉しいです。

では、どうぞ。

「戦うことに、何の意味があるのですか?」


彼女はいつも、そう問いかけた。

「戦争は国を豊かにするんだ。貿易を盛んにし、領土を――…」

「質問を変えます」

少女はそう言って、また問うた。

「守るべき数十万人の命を切り捨ててまで国を繁栄させることに、何の意味があるのですか?」

それにはさすがに尻込みしてしまう。

さっきまでべらべらと語っていた科学者は、困ったように頭を掻いた。

「……じゃあラウ、逆に聞くけど、君はどうして毎日そんなことを聞くのさ?」

ラウと呼ばれた少女は、科学者を黙って見つめる。

科学者は言葉を重ねる。

「そうやって平和主義を並べるのは結構。だけどねラウ、君は自分が何者かを忘れちゃいけないよ。君は先端技術を搭載した、戦争用の兵器なんだ。君の名前は『ラスト・ウェポン』。守るべき命を終わらせる者だ」

ラウはその無表情で、科学者を見つめた。

「……忘れてません、ガイル。私の瞳は標的を見つけるために、皮膚は攻撃を弾くために、体内は大量の武器をすぐに取り出すために存在しているのですから」

彼女は瞬時に右腕を科学者・ガイルに向ける。

金属製の歯車がぶつかり合う音が何度か響き、右腕だったものは鋭利は刃物へと変質していた。

あと数ミリ近づいていたら、ガイルは斬られていただろう。

「こうやって、簡単に、傷つけられます」

無表情な瞳に怒りの色を感じ、ガイルは身震いする。

「ガイル」

彼女はその名を呼び、疑問というより怨恨の台詞を吐いた。


「何で、私なんかを作り出してしまったのですか……?」


これは、とある少女の話。

戦争を嫌う兵器と、その開発者の話。

ひどく理不尽で、残酷な物語。



いかがでしたか?

またまた重い話になりますが、次も読んでくれると嬉しいです。

では、2話目でお会いしましょう。

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