1/57
0 始まり
初めての投稿です。暖かい『目』でお願いします。(ペコリ)
桜咲く少し前の月の綺麗な夜。
これは街はずれの大きな洋館での物語である。
この洋館は様々な人形が中で飾られているため街の人たちは「人形館」と呼ばれていた。一年前までは無人のお化け屋敷と化していたが、いまは地元の中学に通う少年がこの屋敷の主である。
その夜、屋敷には主人以外にもう一人いた。こちらは、少年と同じぐらいの歳と思える少女である。少年は床に倒れていて、少女は少年に手を差し伸べていた。一瞬ためらった後、少年はその手を掴んだ・・・。
傍から見れば、たったそれだけの言葉、たったそれだけの行為である。願ってもなかったし、思いもしなかった事態である。しかし不幸であることを確定づけられた少年にとってそれは願わずに叶った唯一の幸福であった。
WISH 0をお読みくださりありがとうございます。0は序章なのでかなり短く、そして意味が分かりづらかったかと思いますが、1からは本編に入りますので『乞うご期待』という方針でお願いします。